56日目 串本ー江住
さて今日は紀伊半島を先に進む前に、せっかくだし、最南端を目指してみる。
まずは海沿いの県道を南へと進む。まだ最南端じゃないため、海を挟んだ西側にも陸地が見える。ここも岬や半島で、海の反対側は切り立った山だ。けれど自分のように歩く人もいるのか、トンネルがあっても歩道はちゃんと続いている。
しばらくして漁村のような街並みが現れた。結局そのための歩道なんだろう。いったん西へと道の方向が変わる。右手に見えていた山を越えるような坂道が地味に辛い。
上ったと思ったらすぐ下り。そして海の先に南端が見えてきた。
また上っていると先に塔のような物が見えてきた。潮岬観光タワーだ。ここから南端の岬を見るのだろう。けれど実際に歩いて行けそうなので、塔には寄らず、直接足で向かう。
芝生になっているちょっとした公園のようなところを進むと、本州最南端、という碑があった。すぐ先の展望台から見ると実際はごろごろとした岩や砂浜が眼下に広がっていて、厳密な最南端はまだ先のような気もするけど、まぁいいか。海と空を見ると地球の丸さが分かる。
ゆっくりと堪能して出発。南端に来たのでここからはすぐに北方向だ。海沿いの道ではなく、時間短縮のため、最短に町中を通るように北へ向かう。大きなビルがなく、一戸建ての家が並ぶ閑静な住宅街だ。
意外と長い道のりを抜け、県道に合流しそのまま北へと向かっていくうちに、出発時に見てきた串本の街並みが見えてきた。ここからは西へと向かうのだ。
沼津や葉山のときもそうだけど、半島から戻ってくる感覚はまた違った感じがする。左手に海というのは同じなんだけど、気分的な問題かな。ここも似ている。
さあここからは西に進む。しばらくは砂浜が見えて気持ちいい。
進んですぐのところに、「トルコのお守り」というオブジェがあった。トルコとは友好都市なのは知っているけど、つぶれた円形のものが三つ重なっているオブジェは、鏡餅にみかんが乗った状態を思いっきりつぶしたというか。見方によっては「ちくび」に見えなくもない。
なだらかな海を左に見ながら進んでいく。道が狭いのはちょっと残念だけど、雰囲気はいい感じ。
この先左に曲がると、海中公園があるんだけど、時間的に厳しいのでスルー。最南端に行っていなかったら寄れたかもしれないけど。
しばらくするとトンネル。脇に抜け道があったので、そっちを行く。車の心配はないのがいいけど、坂道はきびしい。ちょうど山を右側に迂回しているのか、右手に土地が広がっていて住宅の屋根も多数見えた。さすがに串本栄えているのかな。
国道42号線を通っていたけれど内陸へと入っていくので、金毘羅さんのところの左道へ。海沿いの道を期待していたんだけど、山の中の道だった。車一台が通れる程度のアスファルト道だけど、もちろん車は通らないのでその点はいいんだけど。はたしてどっちが良かったかはわからない。
しばらく歩いて国道に合流。木々がなくなって明るく感じるよ。それと地形的だろうけど、海も見えた。国道を通らなかったため、田並の駅前はスルーしたけど、この辺りは道も整備されていて歩きやすい。
左手に見える海はなだらかで穏やか。志摩半島の伊勢湾とはやっぱり違う感じ。こっちのほうが太平洋に直結しているのに、穏やかに見えるのは面白いかも。単にその日の気候の違いかな。
この辺りは線路もすぐ右側を通っていて、住宅もちらほら見られて、いい感じだ。
白浜まで60キロと表示があった。今日行くわけじゃないしまだ先だけど、前に来たことあるからちょっと楽しみ。
赤い看板に「くじら」と白い文字。これだけじゃなんだかわからない。けどよく見ると、その下に透けるように「喫茶」とあった。もう建物もなさそうだけど、さすが紀伊半島。くじらの町だ。
田子の駅に到着。トイレを利用する目的だったけど、駅舎は失礼ながら、ほとんど物置小屋って言っていいレベルの大きさだった。そういえば前に田子の浦ってあったけど「田子」ってなんか海と関係するのかな。けど調べてみたら青森が出てきたので、特にそういうわけではなさそうだ。
さて出発。道路からは見えなかったけど地図を見ると左手にも金毘羅さんがあるみたい。
進む先の道路が高架になっていくので、脇道に。住宅街を通るようになってしまった。ちゃんと国道に歩道があればよかったんだけど、無い物は仕方ない。強引突破しか道が無いよりはいいかな。
そんなこんなでトンネルも迂回して上を越えて進みながら、和深の町へと到達。少し栄えている感じ。久しぶりに大きな交差点を見た気がする。
ちなみにここの和深海岸はジオパークとして登録されているみたいだけど、国道からはいけなかったので、眼下に少し見えるだけである。
少し歩くとまた金毘羅さん。本日三回目である。そして道路の右側の山の上には木之本神社。こちらも行けないけれど、どうしてもさくらさんが頭に浮かんでしまった。
ここで、串本町とはお別れ。意外と長かった気がする。次はすさみ町だ。
しばらく歩いて山を抜けると海岸が見えてきて、そこに海の家的なラーメン屋があったのでそこで少し遅い昼食。和歌山ラーメンの名前を見て、今更だけどここがって和歌山だと再認識した。ラーメンは特に可もなく不可もなく。普通のラーメンだった。
再出発する。高台の町を抜け、また山道を抜けていき、下り坂へ。
開けた眼前に穏やかな海と町並みが広がっていた。江住である。
今日はここの宿に宿泊。小さな民宿かと思ったけれど、予想より大きくて驚いてしまった。まぁそれでも三階建てだけど。
というわけで今日はここまで。お疲れさまでした。
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