37日目  近江八幡ー大津


 さて今日の目標は、京都の手前にある大津市だ。こうしてみると安土から京都までってやっぱり近い。織田信長が安土に城を築いた理由が分かった気がする。


 というわけで出発。

 まずは守谷市方面に向かって、県道48号線を進む。昨日は琵琶湖ほとりを歩いていたから、どちらかというと閑散していたけれど、さすがに都心部は建物が並んでいる。なんて思っていたら、しばらくして町中を抜けT字路になっている前方は昨日同様、緑の茂った畑が延々と広がっていた。

 T字路は右に曲がって北西に進む。左側は平野である。県道2号線に突き当たって、今度はそちらを通って先に進む。野洲まで8キロとあった。サッカーで有名なところだ。

 日野川を渡ると、橋に聖徳太子や蘇我氏時代の絵が書かれていた。そういえば、大化の改新で近江京になったんだっけ。

 それとは時代が違うかもしれないけど、川を渡ってそのまま県道を進んでいると、「近江戦国の道」という看板があった。ただその看板のすぐ横に、児童預け所のファンシーな建物があるのがシュールだけど。

 戦国の道というわりには戦国要素は見つからず、地平線が見えるほど畑に囲まれた一本道だ。琵琶湖と山しかない場所に、なぜ都や安土城を作ったのだろうと昔から疑問に思っていたけれど、こうやって実際歩いてみると、想像以上に平野部分が広がっているのが分かった。京都にも近くこれだけ広大な平野が広がっていれば、栄えるはずだ。――で、結局戦国要素はなんだったのだろう。


 どこまでも広がっている畑も、しばらく歩いているうちに徐々に住宅が目立ってきた。そして野洲駅に到着。近江八幡駅もそれなりに大きかったけど、こちらの駅もそれなりに栄えていた。

 再び県道に戻って先に進み、住宅街を抜けていくと、大きな川が見えてきた。野洲川だ。ちなみに、橋のところに川の名前が書いてあったんだけど、ひらがなで「やすがわ」って書いてあって、そこで初めて「野洲」が「やす」と読むことを知った。ずっと「のす」だと思ってたよ……

 正しい読み方を知ったばかりだけど、川を渡って守谷市へ。守谷市街に向けて、道の周りには畑より住宅が目立ってきた。


 街中を歩いているとちょくちょく「飛び出し小僧」の看板が目立つ。そういえば確か、滋賀県が発祥地で設置数が一番多いんだっけ。本場なのだ。

 歩いている大通りからは少し離れているけど、栗東駅の前を通過。あの競馬の栗東だ。残念ながら、近くにそれっぽい施設は見当たらない。笠松では馬に注意の看板があったのに。

 いったん大きな道を進んでいたんだけど、再び県道に戻ったら、なんか住宅街の道になった。その狭い道を進んでいると、久々に高いビル群が見えてきた。草津の駅前である。

 滋賀県では大津に続く第二の都市だけあって栄えている。一瞬「あれ?」って考えてしまったけど、温泉で有名な草津は群馬のほうであちらは草津「町」である。

 駅前のファミレスで、少し遅めの昼食&休憩をとって再出発。大津まではあと少しだ。


 県道42号線を進んでいると、「近江大橋」の看板。あと4キロちょい。久々の片道二車線の歩道がしっかり分れた道を進み、草津川を渡る。南に進んでいた道が右側(西に)に曲がって、琵琶湖方面に伸びていく。イオンモールの前を通ると、一日ぶりの琵琶湖が見えてきた。やっぱり大きい。

 近江大橋は琵琶湖の上に設置された、草津と大津を結ぶ1.2キロほどの橋だ。

 琵琶湖のど真ん中ではなく南端にかけられた橋なので、四方がどこまでも水面が広がっている、って感じではないけれど、これはこれで琵琶湖の周りの風景が一望出来ていい感じ。

 左手の南岸には、湖に沿うようにリゾートホテルなどの建物が立ち並んでいる。前方には大津の都市。その背後にそびえたつ山々は、京都盆地のへの入り口だろうか。海風ならぬ湖風を浴びながらのんびり歩いていたつもりだけど、気づいたらもう橋も終わりだ。


 琵琶湖を越え、ついに大津市に入った。橋の上からも見えたけれど、滋賀県の県庁所在地だけあって、大きなビルが目立つ。

 歩道もしっかり整備され、片道二車線の県道18号線を進む。そんな中に、京都信用金庫の文字が。そうか、もう京都も目の前なのか。

 県道をそのまま進むと、琵琶湖の西側を北に向かって進んでしまうので、途中で左折。


 京阪石山坂本線の線路を渡り、相変わらず道幅の大きい道を進み、ついに大津駅に到着した。高いビルが立ち並んでいて都会的な一方で、道幅や建物の空間が大きく開いているので、広々と感じる。

 長浜でも感じたけど、滋賀県というともっとごちゃごちゃしたイメージがあったので、こういう町並みは感心した。


 というわけで今日はここまで。お疲れさまでした。


 

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