31日目  羽豆岬ー常滑


 さぁ今日も元気に出発。

 スタートして早々、歩道のない道だ。けど知多半島一周って他の人も結構やっているイメージだし、車道の端を歩く。道幅は大きいし車通りも少ないから問題ないだろう。

 右手に山、左に海がある道は伊豆半島でもしょっちゅう見かけていたけど、何となくそれとは違う感じを受ける。うーん。なんでだろう。海の違いかな。

 その海には、あさりの密漁禁止って看板が結構並んでいる。どうやら養殖しているみたいだ。

 漁村みたいなちょっとした街並みを抜けると、リゾート地のような幅が広い歩道も復活した。もっともその歩道はすぐに途切れたけれど、リゾート地というか昔の観光地っぽい町並みが続く。そこを抜けると久しぶりに海が見えた。やっぱり海はいいなと思っているうちに、また昭和を感じさせる町並みに。シャッターの閉まった店が多いのが哀情をさそうよ。


 さて再び海沿いに。海には何かの養殖をしているっぽい杭が見える。ここにもあさり密漁禁止看板があったので、あさりの養殖なのだろう。この辺りの特産なのかな。

 道路わきに真新しい神社が見えた。天神社。地元の神様を祭っているのかな。

 その先、海側に砂浜が見えてきた。山海海水浴場だ。リゾート化していてホテルもある。先ほどの昭和っぽい町並みから、近代的な観光地っぽいつくりだ。シーズンになったら人もたくさん来るのだろうか。

 橋を渡ると、唐人お吉の像なるものが立っていた。幕末の女性のようだ。知っていればいろいろ思うところもあったかもしれないけれど。旅を楽しむにも知識は必要だなと思う。


 そのまま国道を反れて海岸沿いに進んでいると、今度は千鳥ヶ浜海水浴場。その先に灯台が見えた。岬の先っぽでもないのに珍しい。野間灯台というらしい。こじんまりした広場にあって、他の灯台に比べると観光地っぽくはない。けど鍵を掛ける願掛けみたいなオブジェがあった。絆の音色と書いてあった。けっこう鍵が多く並んでいたので、有名なのかな。


 先に進むとまた蔵のような時代を感じさせる町中になってきた。

 国道の道路をまたぐ門のような形の看板で、野間海水浴場とあった。他にもお店の名前が並んでいる。こういう看板もなかなか目を引いて面白い。それにしても昨日は潮干狩り場がインフレしていたけれど、今日は海水浴場だらけだ。

 それらの街並みを抜けると、ようやく平野の広がる知多半島らしい地形に変わってきた。そんな中国道沿いに創作ラーメン屋さんがあったのでちょっと早いけど昼食にしてみた。いろいろメニューは多かったけど、暑いので無難に冷やし中華+餃子にしてしまった。台湾系の辛そうなメニューも多かったんだけど、これ以上汗をかきたくないからなぁ。


 店から出て歩いていると冷房で冷えていた身体もすぐに汗が出てきた。

 さて道路が急にキレイ舗装され歩道も広がってきたので駅でもあるのかなと調べてみたら、上野間という名鉄知多線の駅がすぐ右方向にあるみたい。今更気づいたけど、このあたり電車が通っていたのだ。なんだかんだで、鉄道があるとないとでは栄え度が違うと実感した。

 常滑市の標識を発見。美浜町から空港のある常滑市に入った。町から市になったのに畑がやたら目立つのは、国道の通っている場所のせいだろうたぶん。実際、方向を見ると海側ではなく内陸側に道が伸びている。

 そうこうしているうちに歩いている国道は中央分離帯がある歩道もしっかりした高速道路みたいな道になっていた。周りも畑ばかりなのでそのイメージが強い。まぁ高速道路は歩けないけど。

 歩きやすいけど退屈なので、またどこかで海側の道に戻ってみようと思う。とはいえ、畑の地平線が広がっている風景は、これはこれで平坦な知多半島を歩いているといった感じで良い。陽射し避けがなくて暑いけど。


 進んでいくと県道269号線との交差点があったので、そこを左に曲がって海方向へ向かう。

 常滑マリーナというちょっとしたボート置き場から、西の海を眺める。

 水平線のギリギリの位置、ほとんど海に浮かぶように建物が見える。セントレア中部国際空港だ。知多半島に来たからにはそこにも行きたかったんだけど、徒歩での上陸は不可能とのこと。というわけで、この辺りから見るだけで済ますことにする。残念。


 ここからは県道252号線を北上。実際この方が今日の目的地である常滑駅には近道だ。最初は海沿いの漁港っぽい町並みだったけど、しばらく歩くと左右に住宅が建ちならぶ住宅街になってきた。その住宅街も徐々にビルやら店舗が目立つようになってきて、いよいよ駅が近づいてきた感じ。

 けどたまに歴史を感じさせる長屋がぽつぽつ建っている。知多半島の東側もそうだったけど、さすが三河国。歴史を感じさせる。


 大きな交差点。ここを直進して左に曲がれば目的の常滑駅なんだけど、さてその前に、観光スポットのひとつとして「とこにゃん」なる招き猫があるみたいなので、地図を頼りに交差点を右に曲がって行ってみる。

 さてと、この辺りのはずなんだけど……って、でかっ!

 ちょうど左右が高台になっていて、まっすぐ行く道路の上を左右から渡る歩道橋があるんだけど、その手前の右側、高台の上に巨大な招き猫の顔だけが見えている。いったい全長はいくらぐらいなのだろうか。大仏並みの大きさだよ。

 けど詳しく調べてみたら……どうやら今見えている頭だけみたい。

 後ろから見たら張りぼてみたいでがっかり、ってレビューがあった。

 なるほど。歩道橋の上から見ないで、下から見られたのは、ラッキーだったみたい。上に登るには遠回りしなくちゃいけないようなので、舞台裏は覗かず、下からの景色に満足しておく。


 少し戻って常滑駅へ。高架の上にある綺麗な駅だった。

 空港の近くだしもう都会といったイメージだ。というわけで今日はここまで。

 お疲れさまでした。


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