26日目  田原ー伊良湖岬


 さぁ今日も元気に出発。

 目指すのは渥美半島の先端にある伊良湖岬。そこまでを昨日歩いていた南側ではなく、渥美半島の北側を通って西へと向かうルートだ。


 川沿いを進んでいき、その川を渡る。汐川、うしおって読むのかな。

 そしてちょっと寄り道だけど、三河田原駅に寄ってみる。

 どうやらつい最近改装されたのか、黒鮮やかなでお洒落な駅だ。

 さらにせっかくなので、地図を見るとすぐ近くにある、城宝寺古墳に向かってみる。古墳と思ったら普通にお寺(城宝寺)だった。けど古墳もちゃんとあった。横穴式だ。中は当然入れなかったけど、雰囲気は堪能できた。それじゃそろそろ、出発しよう。


 まずはすぐ近くの県道413号線に戻って、北へと向かう。相変わらず不釣り合いなくらい綺麗な道だ。

 このまままっすぐ進むと目の前の山、蔵王山へと向かうけれど、さすがに山登りする余裕はないので、左折。

 右手に山麓を見ながら西へと進む。相変わらずきれいな道だ。住宅も多いし。さすが愛知県。この辺りは畑しかない半島だと思っていてごめんなさい。けどきっとこっちの人も、関東の地方都市なんて知らないんだろうなぁ。日本は広い。

 蔵王山南口という道があったけど、素通り。そのまままっすぐ進んでいくと、右側じゃなくて、左側にも山が見えてきた。両側の山の間を突っ切るような道みたい。けど谷間って感じじゃなくて、平野に裾の長い山がふたつあって、その間を通る感じ。

 十字路で右折。針路を北に変えて海側を目指す。左にある山は衣笠山。伊良湖に衣笠って、艦これつながりだけど、衣笠は別かな。

 左右に山はあるけどすそ野が広く圧迫感がなくて、空は広い。

 まるでアメリカや中央アジアのど真ん中を突っ切っているような不思議な感覚で日本じゃないみたい。いままでいろんな道を歩いてきたけど、これは初めてかも。

 それにしてもこんな周りに何もない道でも、しっかりと歩道が整備されて歩きやすい愛知県は凄いと思う。


 そしてその山の間を抜けてきたかと思ったら、下り坂になる。はるか遠く先が見えるのは地平線……じゃなくて海平線。海だ!

 相変わらず海ひとつでテンションが上がる自分である。


 足取り軽く向かい、県道2号線を横切るように突っ切って海沿いにたどり着く。整備されてちょっとした港になっていて船がたくさん留まっている。漁港というよりヨットハーバーみたいな感じ。実際は分からないけど。

 海が広がって陸地側も低くてなだらかに続いている。

 そこから県道2号線に合流すると、これまた絶景。海に沿って続く道。右手に海が広がっていて遠くに向こう岸が見える。何気に、右側に海を見て歩くのはこの旅始まって以来初めてかも。今回はルートがちょっと特殊だからかな。


 その先にある、白谷海浜公園で一休み。運動場やまだシーズン前の海水浴場があるくらいで、特に何があるってわけじゃないけど、広々としていて海が綺麗で、のんびり心落ち着けるにはいい場所だ。友達や家族といろいろレクレーションも出来そう。

 とはいえ一人旅の自分はベンチで休憩するくらいだ。休憩しながら地図を確認する。伊良湖岬まではまだ5時間くらいかかる。けど体力気力は十分。よし出発しよう。


 右手に海を見ながら、さっき谷間を通った衣笠山を左手に、海岸線を通って迂回するようなコースだ。

 それにしても同じ半島なのに伊豆半島とは違って平坦なため歩きやすい。トンネルもないし、歩道もしっかりしているし。

 小学校・中学校を横切る。泉というのはこの辺りの地名かな。

 その頃になると家屋が目立ってきて道幅も狭くなってきた。地図を見ると、田原街道とも呼ばれている国道259号線。いつの間にか国道になっていた。って、昨日も感じた国道よりも県道が豪華なパターンだ(つまりしょぼくなった)

 それでも町中に入ってくると道も良くなってきた。この辺りは福江という地名のようだ。これも艦これにあるけどさすがに関係なさそう。


 今まで見ていた山もなくなって、また広々とした平野が広がるようになっていた。とりあえず少し遅い時間になってしまったけど、目についた昔ながらのうどん屋で昼食。冷やし味噌うどんを注文。味噌は濃くて甘くて、もう名古屋っぽかった。食べ物で愛知を堪能して、出発。


 街を抜けると、左右に畑の広がった平野になった。それを突っ切るように伸びる国道を進んでいく。右手に見えていた海は内地に入ったため見えなくなってしまったけれど、伊良湖へは確実に進んでいる。


 そしてようやく到着。岬に行く前に、フェリー乗り場があったので、ちらりと覗いてみた。伊勢湾フェリー。三重県の鳥羽行きみたい。そうか。もう紀伊半島も目の前なのか。なんか感慨深い。

 それにしても前回乗った清水―土肥行きもそうだけど、全国的に有名ではない(失礼)な港からも、こうやっていろいろ船が行き来しているんだなと感心する。やっぱり日本は広い。そのうち、鳥羽まで行ったらまた戻ってこようかな。


 さて次はいよいよ伊良湖岬灯台へ向かった。

 岬の先っこに、白くて丸っこい灯台が立っていた。これが伊良湖岬灯台。見た目がちょっとかわいい。日本灯台50選のひとつらしい。静岡の灯台と違って登れないのが残念だけど、のんびり海の向こうの半島を見ながらゆっくりと海の風を浴びていた。んー。たまにはこういうのもいいかな。

 さてと、そろそろ今日のホテルに向かおう。

 というわけで、今日はここまで。お疲れさまでした。


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