22日目  吉田ー御前崎


 さぁ。今日も元気に出発。

 今日の目的は静岡県最南端、御前岬だ。

 出発してすぐ、東名高速の高架が見えてきた。吉田インターチェンジだ。高架をくぐって国道150号線を目指して歩いていく。昨日同様、相変わらずのただっぴろい平野だ。今日も暑くなりそう。

 無事国道にたどり着き右折。南へと向かうと、御前崎の標識が見えた。24キロ。意外と遠いかも。吉田町の役場前を通過。静岡空港の宣伝?が書かれていた。そういえば結局逆方向だったのか空港は見えなかったなぁ。

 歩く国道は昨日歩いた県道に比べて小さく感じられたけどそのぶん、お店や建物は並んでいて、比較的気は楽だった。何もないところだと、歩いているだけで目立っちゃうからね。

 そんななか気になる看板が。「100円ハウスレモン」?

 何なのかと思ったら百均ショップだった。せっかくなのでトイレを借りてついでに食料品も購入。コンビニに比べてトイレを使いやすいのが有難い

 川を渡ったところで、「牧之原市」という標識。

 御前崎22キロ。まだ二キロ。崎は長いなぁ(誤字だけど誤字じゃない)

 やがて、静波海岸の看板。海は近づいてきているようだ。

 しばらく歩いていると、今度は標識に「金谷駅」との文字が見えた。こんなところに駅があるんだ。ってちょっと失礼な気持ち。まぁ実際は車での距離で歩いていくような距離じゃないんだろう。

 あ、また百円ショップ。今度は「オレンジ」なんだけど……これって系列店?

 勝間田川を渡る。橋の上から河口側を見ると、海が見えた。

 そういえば昨日って一度も海を見ていなかった。二日ぶりの対面だ。あのときは、あまりに海沿いの道が断崖すぎて断念したんだっけ。まぁ今日はなだらかな平野部だし、大丈夫そう。


 いつの間にか道路は一車線になっていて、ちょっと港町っぽい感じになってきていたかな、なんて思っていたら上り坂。目の前にも山っぽいのが見えてきた。まぁ駿河湾から御前岬を見たとき、海から盛り上がって見えていたわけだから、多少の丘はあるのは当然か。

 海からは離れているけれどちょっと高台なので左手を見ると、海原が広がっている。こういう景色が見られるのなら、登りもそれほど悪くない。

 さっきまではちょくちょくあった食事処が、急に見当たらなくなった。昼食はどうしようと考えているうちに、いつの間にか海沿いにかなり近づいていたみたいで、国道の横を歩いて海沿いを進む。

 やっぱり海を見ながら歩くと不思議と力が出る。毎回左側に見えるのは歩いている方向から仕方ないことだけど。

 お城のような門が見えてきて何かなと思ったら、萩間川の河口にある水門だった。ちょっとしゃれていて面白い。こういうのもいいよね。

 相良という土地に入ったのか、少し町並みがふえてきた。やたら紅白な気になる建物(たぶんパチンコ屋さんかな)のとなりにラーメン屋さんがあったので、そこで食事をとった。そういえば昨日もラーメンだっけ。和歌山とかならともかく静岡じゃ特長がないか。グルメ目的じゃないし、まぁいいか。

 食事を終え、再び防風林沿いの道を歩いていく。広がる海原。遠くに見えるのは沼津、ずっとさきが伊豆だろうか。ずいぶん遠くまで来たもんだ。


 再び国道に戻ると、御前崎まで12キロの看板が。だいぶ近づいてきたけれど、まだ10キロ以上ある。ちょっと疲れた。それでもちょくちょく国道を左にそれては堤防の上を歩きながら先に進む。沼津-富士の長々とした堤防を思い出すなぁ。あのときも御前崎っぽいのが見えていたっけ。今日はそれが正面に、左へと伸びている岬が見える。これが御前崎だ。

 国道から逸れて海岸沿いの道をとにかく進んでいく。徐々に方角が西の方になってきた。目的地はそろそろだ。


 気づいたら工場地帯みたいな人気のない道路に出てしまった。けど御前崎灯台まで4キロちょいの看板があるのでそのまま進む。右手の高台にホテルを見ながら歩いていると、観光客向けの市場が見えてきた。道の駅みたいなものかな。なぶら市場って書いてある。

 ふらりと寄ってみたら、ハヤシライスが美味しそうだったので、さっきラーメン食べたけど、夕食までは時間がまだあるので食べてしまった。ってなにこれ、美味しい。それもそのはず。この牛肉は、遠州夢咲牛という内閣総理大臣賞を受賞したこともあるブランド和牛みたい。なるほど。納得だ(高い値段にも)。


 というわけで、偶然地元の物を食べることができて、出発。

 マリンパークを越えてさらに歩いていくと、さっきまで左に曲がっていた道が今度は右に伸びている。東に伸びている岬の先端まで行きついて、くるりと岬を曲がるようになったんだ。

 海沿いの道を歩いてついに御前崎灯台が見えてきた。

 右手にはなだらかな丘が見えていて、建物は全く見えない。海沿いを道路がひたすらまっすぐ流れていく光景。伊豆半島の急斜面とは違って、これまでの旅では初めて見る光景。この灯台は中に入って上ることもできるので、上ってみた。おお。絶景がさらに絶景になった。風が強かったけど。

 というわけで灯台を後にして、今日の宿泊地目指して出発。

 少しのぼりがあったけれど、下り坂が見えてくると前方の景色がずっと広がっていて壮観。さっきも灯台で風が強いと思ってたら、風力発電の風車も見えた。この光景、北海道の宗谷岬に似ているかも。同じ岬だし、そういうものなのかな。

 海沿いの道をまっすぐ進み、やがて北に進路を変えて、再び国道150号に合流。ホテルまで、あとちょっとだ。


 歩いていると「浜岡原子力館」という看板が。あれ? これってよくテレビで聞く浜岡原発の場所なんだ。原子力館は面白そうだったけど、もう五時過ぎなので閉まっていた。まぁ仕方ないか。

 結局外観だけ見てまた国道へ。新野川を渡ると、徐々に市街地へと近づいてきている感じで建物も増えてきた。ここから国道を右に曲がって、そんな市街地の中にあるのが今日の宿泊地だ。また紅白ブロックのパチンコ屋があったんだけど、このあたりのチェーン店なのかな。

 というわけで、今日もお疲れ様。夕食はハヤシライスを食べたので適当でいいかな。 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る