12日目 下田ー南伊豆
さて今日は、せっかく下田まで来たのでちょっと観光して、少しだけ先に進む予定だ。
まずは駅から南に向かい、ペリーさん関連で下田公園に向かう。
道は整備されて綺麗。ふと思ったけどこの街並み、横須賀に似ている気がする。空が広く、道幅・歩道が広い感じ。偶然かそう思い込んでいるだけかもしれないけど、文明開化の時期に開発された名残だろうか。
ペリーロードと呼ばれる道は、川沿いに柳の木が垂れているような江戸情緒あふれる道だった。ペリーって言うから洋風なイメージだったけど、よく考えれば彼が来たのは江戸時代なわけで。なるほど納得。
そこを抜けて、ペリーの胸像のもとに到着。ここから下田の海を見ると、なんだか江戸末期にタイムスリップしたようで、感慨深かった。さらにその先まで歩いて、堤防が橋のようになっている海の上の道を進み、犬走島に行ってみた。ちょっとした灯台があるだけの島だけど、岩に囲まれていてちょっとした探検気分だ。釣り人もたくさんいた。釣りの名所でもあるみたい。
このあとは再び駅の方に戻って、ロープウェイで寝姿山へ。ここは伊豆でも有数の絶景スポットらしい。展望台から見た下田は、白い建造物が立ち並んでいる町並みの間に、名もないようなちょっとした小山が何個も見られ、特徴的だった。港と海の光景もいい感じだった。ちなみにここには縁結びの名所、愛染明王堂もあるんだけど、あまり関係ないんでスルーした。いつか相手が出来たらここと、下田の水族館と一緒に行ってみようと思った。
あ、そういえば、ついロープウェイを使ってしまったけど、進む目的じゃないので、良いことにした(後付け)。
さて、下田の観光地はまだまだあるけれど、これくらいにして出発。今日は伊豆の南端を目指す予定だ。
駅前のチェーン店で早目の昼食を摂ると、まずは国道136号線を通って南西に向かう。
それにしても展望台から見たときは、町の中に小さな山がいくつもある、って感じだったけど、実際歩くと、山の中に町があるって表現した方がいいかもしれない。こんもり盛り上がった山が至る所に見える。そのぶんトンネルもあるんだけど住宅地にあるためか、自動車用のトンネルのわきに歩行者用のトンネルがあった。中にはちょっとした壁画も描かれていてこれは楽しい。
次のトンネルも同じように歩行者用のトンネル。こっちには何も書かれていなかった。まぁお約束の落書きはあったけど。
その先に出ると少し下り坂。左右を山に囲まれながらも前方の視界が開けているので、気持ちいい。と思っていたら、また登りになった。本当に山の中を切り開いてその間を縫っているような道だ。
けど登りきると高原みたいで気持ちいい。南伊豆まで7キロの標識。歩行者にやさしくなかった国道136号線も、ぎりぎりの海辺から離れて内陸部を走っているせいか、この辺りはゆったりしていて歩きやすい。
しばらく歩いていると、道路の上の看板に「南伊豆町」という標識があった。
何があるわけでもないけど、下田市を突破し、何個か目の市町村へと足を踏み入れた記念すべき瞬間だ。
それにしてもずいぶん山の中を歩いている感じ。建物はちゃんとあるんだけど周りが山に囲まれているからかな。ちょっと前まで、海沿いの島に行っていたとは思えない。
農業用具のホームセンターでトイレも含めた休憩。自分には買う必要が無い物が並んでいるんだけど、こういうホームセンターは休憩やトイレがしやすくて助かる。
休憩を終えて出発。さらに先へと進み、国道から県道16号線に入って、青野川沿いを南下する。
途中にある新湊橋で、右に見るようにして歩いていた青野川を渡って、今度は左に川を見るようにして進む。橋の上から見る青野川の上流は、山の間を通る大河といった感じで、どことなく中国っぽく見えて、なかなか趣があった。
南下してしばらくして、手石に入った。といっても「ようこそ手石へ」という看板があるだけで、市なのか町なのか分からない。そやがて目的の石廊崎灯台の案内が目に入った。あと9キロ。そこが伊豆半島の最南端の地である。
右手は相変わらず山だけど左手は開けてきた。そろそろ海なのだと感じる。トンネルの迂回路を通り過ぎたところで、ついに海が見えてきた。砂浜ではなく港って感じだ。
いったん坂道を上り、山の間を越えて抜けると左手にまた海が広がっている。
ここからはしばらく海沿いの道を進むっぽい。風が気持ちいい。けどまた少し内陸に入って両脇を山に囲まれた道を上る。三浦半島の南端を通ったときも同じように山だったり海だったりな地形だった。やっぱり似るものなのかな。
歩道橋に「交通安全21世紀のみせどころ」という標語があった。いまいちよくわかんない。けどその標語の後の道はしっかりと歩道が整備されていた。偶然だと思うけど。
左手に、やけに熱帯っぽい植物が並んでいるなぁと思っていたら、南伊豆亜熱帯公園と書かれていた。なるほど納得。さすがに自生しているわけじゃないのかな。
そこを越えるとようやく目的の石廊崎に到着した。
太平洋を一望できるという灯台は、岩場の先にぽつんと白い灯台が立っていた。風景に溶け込んでいなくて、異質な感じ。まぁ灯台が目立たなくちゃ意味ないけど。
むしろ、海に面した断崖絶壁の岩と岩の間に、めり込むように作られた石室神社の方がインパクトあった。諸説あるようだけどかなり昔に作られたものらしくて、昔の人の技術と、こんな無茶なところに建てる信仰心に感心した。
さて、今日はこの近くの宿に宿泊。明日からはかなり歩くからゆっくりしましょう。お疲れさまでした。
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