サブカル大批評

第15話 キン肉マン

面白さ

時間　　　　９

世界　　　　６

一般　　　　７

玄人　　　　９

サブカル　　９

影響力

サブカル　　７

社会　　　　８

世界　　　　５

　僕の点数表示には疑問がある方は多々あると思います。

　下ネタの話でも言いましたがあくまでも『結果』だけで見ています。

　世界的に見て面白いのかというのはあくまでも世界的に『人気』があったのかになりますし、社会の影響は『言葉』や『ブーム』で評価しています。

　何だかんだ言っても世界的な影響でうみねこが高いのは国会運営に影響を及ぼしたからであって、これほど大きな影響力を与えた物語は過去に無いのも事実です（人気があったかは話が別ですが）

　ではもっともわかりやすい形で社会に影響を与えたアニメは何かといえば『キン肉マン』が挙げられます。

　『ダメ超人』と言われているキン肉マンは都内の空き地にバラックを作って暮らしている浮浪者同然の超人で『にんにくを食べると巨大化するヒーロー』

　彼は様々な出会いを得てやがて真のヒーローへと成長していく……

　……の前に『にんにくを食べると巨大化する』という設定はどこに行ったんだ？という話からしなければいけないのかもしれません。

　当初はロビンマスクですら巨大化してたし、テリーマンも巨大化してました。

　というよりも最初の超人オリンピックではロビンマスクとカナディアンマンは巨大化して戦っています。

　さらに言えば必殺技は『筋肉ビーム』です。

　何言ってんだこいつと言いたい気持ちは非常によくわかります。

　それぐらい最初の設定からかけ離れています。

　キングダムの作者　原先生とゆでたまご先生の対談によると『面白ければ別に矛盾してても良いと思うんですけどねぇ』と言ってますので、割と本気で書いてる途中で設定を変更しています。

　こういった『ま、いっか♪　』の精神は僕はとっても大好きです。

　個人的に創作においては『面白ければ細かいことを気にするな』が一番良いと思っているので、こういったところは本気で見習うべきじゃないかなと思ってます。

　なのに自分で描き始めると矛盾が凄く気になるのは何故でしょう？

　他人のは気にならないのでとっても不思議です。

　まあ、超人オリンピック以降は今の超人プロレスというルールがばがばのプロレスに落ち着くんですが、毎回変なリングになることが多いです。

　こんないい加減な漫画ですが、超人パワーという元祖パラメータ系強さ、元祖異能力戦闘、敵が仲間になる方式、火事場のくそ力など、いろんな元祖でもあります。

　よく、『ジャンプ漫画は努力、友情、勝利』と言われていますが、こういった方向性の基礎を気付いたのがキン肉マンじゃないかなと思ってます。

　話の内容はベタベタだし、正義超人の『友情パワー』は見てて恥ずかしくなるような考えです。

　だがそれがいい！

　プロレスと言う『悪役ヒール』と『正義ベビーフェイス』の構図がそのまま当てはまるので、味方になったり敵になっても全く違和感がない。

　大阪プロレスでもこういった単純な構図が喜ばれて成果を上げてたりしてます。

　ですが、ここで重要なのは物語自体はベタベタでも、その進め方は絶妙で単純に勝ち負けするような話じゃないです。

　特に新しく始まった続きでは完璧超人と一進一退の攻防を繰り広げたので、その様は非常に緊迫感がありました！

　なろうチートの悪い点として『必ず勝つ』と言うのもあげられます。

　『必ず勝つ』と勝敗が予測しやすく、物語にメリハリが生れません。

　ドラゴンボールですら、たまに孫悟空が負けたりしてるので、そういった部分に緊迫感が生れるのです。

　無双系に大事なのは『爽快感』であって、すっきりしない内容は害悪ですらあります。

　一度十年以上休載・・・というよりは一度完結した漫画を再び続きを描くようになったのですが、最近の漫画で一番面白いのがキン肉マンです。

　こうなると『思いで補正』なんて言い訳は一切通用しません。

　これまで色んな新しいとされる漫画が出ていましたが、大半は『その時だけ』で終わっており、時代を越えて『オリジナル』を維持できていません。

　あの時代のジャンプ漫画の大半が『その時だけ』で終わっていない。

　聖闘士星矢も男塾もドラゴンボールもジョジョもキン肉マンも北斗の拳も……ハイスクール奇面組はその時だけで終わってましたが……みんな新章が生れています。

　あの黄金時代をもう一度振り返ってみてはいかがですか？

　今なら簡単に書店で買えますのでもう一度見直すことをお勧めします！

PS

　うっかり書き忘れていましたが、潰れかけた吉野家を復活させて、今の大企業に発展させた功績を考えて社会の影響力は高いと考えました。