第6話 王様の仕立て屋
面白さ
時間 7
世界 0
一般 0
玄人 8
サブカル 8
影響力
サブカル 6
社会 0
世界 0
美味しんぼって最初は面白かったのにねえ・・・
途中から特定のイデオロギーをバンバン前に出したもんだから急激に胡散臭くなってきたんですね。
とはいえ、食に関する漫画は総じて自然主義に陥りやすいみたいで、「おせん」も途中から自然主義に走って急激につまらなくなりました。
それだけ食に関する問題が根深いのが関係してると思います。
まあ、衣食住に関することは人間にとって必要不可欠なものである以上、こだわりがあるのは仕方が無いのでしょう。
食えればいいという人から「自然からのものしかダメ」と来て、次に来たのは「野菜しかダメ」。
最後には「野菜だけじゃ物足りないから合成肉で」という本末転倒な主義主張になってるんですけど、本人たちはどれだけ真面目に考えているんでしょうか?
美食も過ぎれば毒でしかなく、過ぎたるものは何でも毒と言えます。
さて、食に関する漫画は美味しんぼとミスター味っ子から流行っており、現在でも連載漫画があるようにある程度メジャーな分野になりますが衣食住の内、衣と住は中々メジャーにはなってくれません。
この内の住は違う意味ではメジャーになっています。
ゲームにおけるシムシティやマインクラフトも『住』のゲームですので、箱庭型ゲームが一ジャンルになっているのでこれもメジャーと言えるでしょう。
では最後の『衣』はどうなのか?
これは逆に漫画やゲームアニメにとって鬼門と言えるほど相性が悪いんですね。
理由は簡単『美術』に属するものだからです。
当然ながら美しさを競う以上、高いデザイン能力を必要としますし、それがなぜ素晴らしいのかを説明する文章力や物語の構成力を必要とされます。
それにこの系統にありがちな『こっちの方が良かったんじゃないか?』という人それぞれの感性の苦情も来るので非常に難しいテーマです。
そんな難しいテーマを題材としているのに未だに連載を続けていらっしゃるのがこの『王様の仕立て屋』です!
ストーリーはと言えば、
織部 悠は紳士服の本場ナポリで仕立て屋を営む青年。
彼は『ミケランジェロ』のあだ名で知られるマリオ親方の技を唯一受け継ぐ青年で、ナポリ中の仕立て屋が匙を投げる程の難しい案件を軽々とこなしていくほどの天才仕立て屋。
そんな彼の元には様々な悩みを持つお客さんがやって来てそれを次々と解決していく。
まあ、美味しんぼの服屋さんバージョンですね。
大きく違うのはヒロインが居ない点ですね。
微妙に誰ともくっつきそうにないですwww
面白いのは紳士服がテーマである点。
僕自身、営業の仕事をしていたことがあるので、スーツの重要性はよく理解しておりましたが、実際にこのスーツ選びは非常に難しいです。
営業はその人ごとに得意不得意の分野があり、本人の適性にあった営業をしなければならないのですが、それにスーツも非常に大きな影響を与えます!
実は営業の大半は「口先」でとっているわけではありません。
「なんとなく」でとっているんです。
この「なんとなく」を作るために難しい種々の問題をクリアしているのですが、その問題をクリアするためにスーツが重要になってきます。
襟を細くするのか太くするのか?尖らせるのか丸くするのか?服を着た時の体のラインをどうするのか?
そういった細かくて難しいセンスが要求されているので初見でそれを理解するのは無理なんですね。
ちなみにうちの親父は俺がリクルートスーツに着たときは「もう少しうまく着こなせないのか?」言ってきましたがそんなの着始めたばっかの学生にわかるか!
そう言った社会人に必要な着こなしのセンスを鍛えられる漫画でもありますので就活生にはお勧めです!
就活する前に必ず読んでおきましょう!
また、漫画本編も色んな漫画のパロディやお笑い、落語のネタも多いのでギャグマンガとしても面白いです!
また、各キャラも個性的で面白い!
靴職人見習いで何故か色んな料理にも秀でており、悠の居候をやっている少年マルコや有名服飾デザイナーの息子で親父から逃げてきた元モデルのリヴァル
そしてそんな悠達に協力している企業で色々仕事を回してくれるのがジラソーレ社で意味はひまわり。
爆乳でファザコンだけど父親が大嫌いのユーリア社長をはじめ、
好奇心旺盛でいろんなことに首突っ込んでは引っ掻き回すヴィレッダ
金髪ツインテールで天才肌でプライドの高いけどツンデレのラウラちん。
腹黒で裏で暗躍しまくるべアトリーチェ。
男勝りで豪快なアメリカ支店長フェデリカ。
才色兼備なパーフェクトレディで何故か悠にぞっこんのエリナ。
また、わき役にも濃いのが多い。
カサルヌォボの御大と呼ばれ、ラウラに秋葉系の際どい服ばかり着せたがるビアッジオ親方
マリオ親方の息子で腕は一流だが怠惰すぎる性格をしているリッカルド。
何故かジョジョ風のジョナタ
等々、愉快なキャラクターで一杯です。
そして個人的に一番強く思い知らされた言葉が一つ。
お客さんの一人が非常にまじめで仕事一本で頑張ってきた人が居ました。
そのお客さんが「男は中身で勝負!」と言って中々服を仕立てようとしないのを見て言った一言がこれ。
「シンデレラだってドレスが無きゃ舞踏会で門前払い食らっちまうんだぜ?あんたのやってるのことは庭で王子様が顔を出すのを待ってる清純派を気取る侍女だ。よしんばそこで出会えてもそこからどうやってハッピーエンドに持って行こうってんだ?」
服で着飾ればいいというモノではありませんが、服に無頓着なのも男の矜持に外れるんです。
男たるもの自分の見た目にも責任が生じることを意識させられる一方で、数々の名言と数々のギャグで彩られるこの「王様の仕立て屋」
ぜひ一度見てください!
PS
そろそろアニメ化しろよ。
早くラウラちんが動くと見たいんだよ。
絶対、海外で盛り上がるだろ。
特にイタリア。
ネタ切れ激しいアニメ業界にそう言いたい!
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