第2話 不登校たちは悩む
皆で話し合った結果、2週間後に隣の町にある知人宅にお邪魔する事にした。知人曰く、「家が賑やかになるからむしろ歓迎だよ」との事。
「じゃあ、とりあえずまた来週集まろう。持っていくものとかの確認をするぞ。」
「了解」
これで今日は終わりだ。
—————————————————
それから1週間後の出来事だ…
「集まったか?」
「いや、雅和が居ない。」
「あいつ、何があったんだろ。誰か知らないか?」
「それが……」
月美がテレビをつけた。この集会所にはテレビも備わっていて、自由に使えるようになっている。
そこには衝撃的な内容が出ていた。
『…次のニュースです。昨日、午後1時過ぎに、ビルから飛び込んだと思われる少年の遺体が発見され、死亡が確認されました。
警察は、自殺の動機の調査にあたる方針です。…』
「…!!」
その場が沈黙に包まれた。
「な、なんで!
なんであいつが自殺してるんだよ!!」
武が声を荒げる。
「落ち着いて。今はとにかく、何があったのかを考えましょう。」
月美がなだめる。
「マジか…まさかこんな事になるとは……」
「どうするの……」
一気に場が暗くなってしまった。それを見兼ねた拓矢が適当な話題を振ろうと思ったが、今はやめておこうと考えた。
「とりあえず、今出来ることを俺達で考えよう。」
「そうね……今ここで私達が嘆いていても、何にもならないしね…」
「とりあえず、今日のところは解散しよう。みんな心の整理がつかないだろ。」
「そうだな……」
—————————————————
そして翌日、雨の日。
今日も不登校達は集まる。
「おはよ。ってあれ?まだ2人だけ?」
拓矢が言う。
「うん……僕はさっき来たよ。」
謙人が弱々しく応答する。昨日のことがまだ精神に来ているらしい。
「おう……月美がまだ来ていないらしいな…」
雨足が強まる中、突如として事件は起きた。
「あれ?外で何か音がした?」
謙人が言う。
「わからん。拓矢、すまないが見に行ってくれないか。」
「了解、武。」
カーテンを開く。
そこに見えたものは、現実のものではなかった。
「…!!!!」
「おい、どうした!!」
武と謙斗が駆け寄る。
「あれを……」
拓矢が指さした先には、血を流して倒れている月美の姿があった。
「まじかよ……どうすんだよ!!」
武が声を荒らげる。
「これで2人目……
どうなるんだ、僕たち。」
雨は止むことなく、外からは救急車の音しか聞こえなかった。
葛ノ宮町一丁目集会所 雪見 @Aria1545
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。葛ノ宮町一丁目集会所の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます