第3話 終わった人
私が通っている喫茶店にアルバイトとして雇われた彼女。
半年ぐらいは、あまり気に懸けていなかった。
話始めると、映画、小説、漫画等、妙に話が合い、
話をするのが楽しくなり居る時間も行く時間も長くなっていった。
大学3年の去年の秋位から就職活動に入り、私に相談、感想等を聞き始めた。
私の少ない経験と知識でわかる事を出来るだけ話をした。
今年の六月位までは、ワイン会や昼のランチ等には楽しそうに見えていたが、
第一希望の企業から内定を貰ってからの喫茶店で私に対する接し方が
そっけなく感じるのは、ただ単に私の思い過ごしか、
それとも、もう私は君にとっては、終わった人なのだろうか。
あれほど話し掛けてくれたのに、今では沈黙の方が長い。
他のお客と話し、笑っている君を見るのが辛い。
もう一度、私に笑いかけて欲しい。
本当に私は君にとって終わった人なのか、尋ねることも出来ない。
君の出勤しない日に通う日々。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます