第3話 終わった人

私が通っている喫茶店にアルバイトとして雇われた彼女。

半年ぐらいは、あまり気に懸けていなかった。


話始めると、映画、小説、漫画等、妙に話が合い、

話をするのが楽しくなり居る時間も行く時間も長くなっていった。


大学3年の去年の秋位から就職活動に入り、私に相談、感想等を聞き始めた。

私の少ない経験と知識でわかる事を出来るだけ話をした。


今年の六月位までは、ワイン会や昼のランチ等には楽しそうに見えていたが、

第一希望の企業から内定を貰ってからの喫茶店で私に対する接し方が

そっけなく感じるのは、ただ単に私の思い過ごしか、


それとも、もう私は君にとっては、終わった人なのだろうか。

あれほど話し掛けてくれたのに、今では沈黙の方が長い。


他のお客と話し、笑っている君を見るのが辛い。

もう一度、私に笑いかけて欲しい。


本当に私は君にとって終わった人なのか、尋ねることも出来ない。

君の出勤しない日に通う日々。



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