第1章 城の地下で目覚めて・二次創作の筈が

第1話 愛が無い この、オレに


 まおーの世界のオレ、ついて行け無い。


 まおーの世界のオレについて。


 いや!違う。


 燃えるハートフルゾンビとして存分に健康な健全、積極的なオレ。

 魔王の胃世界いせかいなるところに放り込まれスケルトンファイアーな身体とブルーな輝きを、大事な基本形と洞窟の照り返しを手に入れた。


 ワシマと言う名前が魔王から付けられていた。ポイっと投げるようにアンデッドのグループに入れられ、同族との調和的なグルーヴ感を手に入れたところだ。やはり同族だけあり、誘われた。

「君、魔法を習ってみないかい?ボクが責任を持って伝承の血が滲むような鍛錬、変化の術を責任を持って教えるよ」

「魔法のその物の持つ真の名前は」

 生まれたてに近い健康で鋭いオレに対し、先輩はこう言った。オレは答える。先輩は続ける。

「んんん、魔法が無いと甘いよね。近年、オレたちは真っ向勝負を仕掛けると言うよりかは、卑怯に近いが、敵の謎を奪い合う次元みたいなのが出来たんだ」

「は?先輩なのは観察上間違いない。与えられている情報は、サーガと呼ばれる魔王の礼賛の歴史では無い。あるのは言葉と魔法とかより自分に関しての数値化されたランク付けだ」

「ん〜、君、肉体戦争をして肉体美でも自慢する気かい?情報撹乱こそ全てだよ」

「いや、先輩よろしくお願いします」

「まおーの奪ったのは、記憶だと言われているんだよ。それだけじゃ無い。永く生きれば、恩赦と言って囚われの身から解放されるらしいんだ。これが一番ホットだよね。違う。立証されちゃったんだ。驚愕の事実だけどね。ヒトだったらしいんだでは済まないらしいんだ。オレたち。でも、敵わない訳、んで最近情報技術が発展し、まおーは隠れるらしいんだ。寝首はかけないね」

「意外と不幸じゃ無いですか?」

 ワシマと名前を付けられたブルースケルトンは話を断ちにかかる。魔王の部分が意識が強いせいか『まおー』に聞こえる。修正せねば。意識が強過ぎる。

「いやー、肉体派だね。魔王が奪うのは自由だよ。確かにね。しかし、ニンゲンだろ?すぐ戦いたくなるよ。案外、心残りが無い。ニンゲンって不思議だね。汚いよ。もう、思う存分」

「いや、知性派で生きるのもなかなか失敗しか知らない訳であり…」

 ワシマは考え込むために間を置いた。考え込むためだ。案外切られ無い。その筈だった。

「そこ、そこなんだよ。記憶が有ったと言われる所以!しかしね。普通ここは議論の中心として先輩から学ぶ生き様としてスルーされるんだ」

「この数字」

「いや、自分を知れ。って言う魔王のいたずららしいんだ。案外容赦無い」

「知性派で売っていたが失敗し…的なイメージ商法が来る筈なんですが」

「いやー、甘い。2次創作の筈が的レベルに到達して無い」

「は!?斬新」

「そして魔王の側から診断鑑定怪しい霊感詐欺商法が完全に消えた。支配すべきはすうの世界だったんだ」

 少々、高い声だが心地良い。聞き取りやすく過不足無い。これは軍を思わせた。道中、指を指した箇所があり、重要な気がするが情景は移り行く。本題にオレは入った。

「んで、具体的には何を」

「絵だよ」

 あれを真似れと言わんばかりの先輩の案内とそのガイドの手つきにこう言ってしまった。

「模写じゃないですかー」

 腰が低いと呼ばれるレベルの礼儀正しさを新人は行い、階段を先輩の後について行き光が差すニンゲンがBGM演奏をするクラシックな城の世界それも白を基調としたものだ。そこへ行く。そう、魔王軍はこの後、とんでもない発展をする筈では無い。ただの地下だ。


 否定は、完全に起きた。


「いやー、君は魔王の余裕を知ってるかい?」

「いや、胃世界に放り込まれたはずが」

「そこなんだよ。死んだ時の記憶と呼ばれてて、君は魔王の口に放り込まれたクチか」

 先輩は熱く指を指して話した。左では無い右だ。そこ、テクニックなのか疑問は湧か無い。暗示も興味無い。詐欺があると先ほど聞いた。

「なるほど」

 目頭が熱くなるほどの健康な状態に感謝したくなった。出るものはないが、気分は同じだ。

「いやー部屋に行ってね。絵の修行をする。これが、単純に変化の術に昇華されるんだよ」

「案外心地良い、ステータス感でしょうか」

「魔王軍らしい采配だよね。目の付けどころは鋭いよ。そのブルーの鎧はとても良い」

「グレーなような。はあ、ブルーですか」

「案外静かなんだよね。それ」

「は?」

「後で説明する。僕は今までの術をまとめて教えるのが趣味なんだ」

「ありがたいような」

「まあ、ね」


 指摘するものでは?ステータス上の関係仕様からこう考えていた。自分の装備とあからさまな恥についてだ。


 スケルトンと言っても、鎧を着込んだ心の奥底からファイトが沸き立つ仕様だ。腰回り、脚部もブラック塗装で抜かりない。時代は、魔王だ。

「いやー、部屋だよね。ここで練習すんだよね。ブルースケルトン族って少なくてさー。分類学って知ってる?これがー」

「わかる!多分悪い」

「お!鋭いね。そこなんだ。実は傾向と対策が取られてて、非常に簡単にやっつけられちゃう。非常に良い消しとばされ方をするんだ。ここからが本題でね。脳みその部分にゾンビってあるだろ?これが人間にバレて無い」

 は?間に挟み、おいと思わず頭の中の音の通り相槌を打とうと思った。案外親切心だが、最も重要な事を聞いた気がする。と言われた辺りだ。部屋に入り、座り、どこからと無く出てきた絵の具にまあ、そのままの絵の具で先の細い木の棒でベージュに近い尖った方で絵を描く。が、赤ばっかだ。しかも、利き手の概念からでは無く、左手だ。そう、オレの利き手は右手だ。スケルトンは腹は減ら無い。脳裏にそう書いてある。『脳裏にそう書いてある』これからはそう言おう。描いているのは、山川草木の心洗われるスイボクなる世界だ。景色がそうなのでは無い。

 壁画が美しい。直に描いてある。思わず保存したいと思うものだ。静かで暗い地下に対し、昼前の騒々しい日光の採られる広間から明るい壁画の部屋へ。流石にニンゲンのBGM演奏のボリュームは小さくなる。遠くなったのは音の発生源からだ。スイボクは直線に切り取られた石に直接絵の具が乗っているのが非常にひしひしと冷たく伝わってくる。大いにオレの伝承も、こうでありたい。

 此れを赤で真似る真似る。うん、非常に素晴らしい。まあ、素人が描くと禍々しいんだが、これが。赤だけの彫り込みと線は、非常に憂鬱な微睡みと歪曲した世界観を醸し出す。うん、変化の術感がある。考え方だ。なるほど。会得感が湧き自分と向き合うと、あっさりと、『変化の術』会心の項目がある。

「未来が見えるよ。人によってはね」

「やってごらん」と言う無言の囁きにオレは当然スムーズに精神統一から「並だ」と言われても、素直にやってみた。先輩は、こうも言った。

「ただし、ボクが教えたから未完が先頭に付くんだ。正しくは、変幻の術が上位に有ってね。ここの括りが変わるんだ」

「は、ありがたい。ありがとうございます」

「んー、語ると長いよ。本当に」

 しかし、静かな空間の中結果的に禍々しい絵を描くと言うのはそわそわ感というスリルと共にいたずらを覚えているようで面白い。興味範囲を見てみようと思う。


 ー少し未来ー


 魔王に化け、人々が口々に叫ぶ。「魔王よ!」びびらせても魔王の数が増えるだけで問題ない。


 ー未来ー


「長生きなんだよ。ボクは。そして、君に伝授する。変化の術は、ポイントと化した魔力の数を時間と共に消費する。魔法の力を回復させる用意を怠らないように。死んだ振りだけどね。実に。うん」先輩は言う。今、目の前のスケルトンだろう声と仕草だ。まっしろだぁ。


 ーもっと、未来をー


 ミカンにオレは化け、潜伏する。最早、達人だ。未だに未完・変化の術をオレは使っている。未来のウルトラレアグッズ、アルミ缶をニンゲンは使い、ミカンとそれで本質オレはオブジェクトと化し、機械で映される。発色が良かったらしい。運ばれ、喜ばれ、「ギャグを現すとは」ニンゲンはオレを使ったオブジェクトとギャグをこう、評価する。


 なんだか、こんな未来消したくなって来た。「案外不幸だ。はっきり言って、愛が無い。格闘感とわがままだがマッチョ感が無い。力強く無い。英語で言う所のリーンフォースなる感がオレは好きだ」小声で、案外しれっと独り言を言ってしまった。案外本音だ。

「こんな事をとっとと諦めを付けて、最強クラスの炎の魔法を手に入れよう。フレイムタートルX1エックスワンなんかいいじゃないか」

 脳裏に、書いてある書換えようの無いページを参考にした。いや、むしろ参照に近い。



 しかし、未完みかん・変化の術は手に入れた。しかし、未完・変化の術の入手には着手した。

 少なくとも。これで、負けは無い。少なくとも少々減った筈だ。正しくあるのならば。

 そして、捕われたニンゲンなんて関係無い。愛が無い。そう、オレに。

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