ミドルフェイズ:シーン4「入道雲の空の下」

紫苑:タイトル回収だ! うおおー!


自分の体が何かに侵蝕されていく。また一つ、人間であることを手放した。


GM:助かるために、生きてこの町を行かねばなりません。あなたは薄れゆく自我をなんとか奮い立たせ、周囲に警戒を張り巡らせました――。

 ということでですね、安全なルートを通るための判定を行うことになります!

紫苑:はーい!

GM:・周囲にいるであろうバケモノの目をかいくぐるなら《知覚》難易度7

 ・乗り捨てられた車や自転車やバイクで一気に突っ切るなら《運転:任意》難易度7

 ・その他、エフェクトの使用などが可能 です!

紫苑:なるほどー。メジャーエフェクトでも大丈夫でしょうか?

GM:侵蝕率を上げて頂ければ大丈夫です! なににしましょ?

紫苑:<運転:>で振ろうかと思うのですが、

 メジャーエフェクトの《領域調整》を使って普通通ることができない道を調整して進んでいこうかと思います。

 <運転:任意>の方決めていなかったので、4輪でいこうかと思うのですがいいですか!

GM:かしこまりましたー! 許可!

紫苑:じゃあ、車を拝借して…振りますね。

 《領域調整》でダイス+5で10dx10+2です。(ころころ→19)

GM:めっちゃ運転できてる

紫苑:よかったーこれもオルクスのおかげだ…

GM:便利……化物がいない道をいい感じに通れるように繋いでいったんでしょうねー

紫苑:そうですねー。

 「ヘリの飛んで行った方に行くけど、ちょっと遠いからこの車を借りて行こう」

 日葵さんの様子も心配だし車に乗せて、道を切り開きながら先を急ぎます。

GM:「うん。こういう時だし、仕方ないよね」と車に乗って。

 さて、化物をやり過ごして町を進むあなた達。が、それでも奴らはどこからでも沸いてきては――害意にまみれて襲い掛かってきます!

紫苑:うわー!

GM:もう1度判定です。今度は<回避>難易度8で! 車だろうが容赦はない……!

紫苑:避けたい! というか回避型だった…! エフェクトを使ってもいいですか?

GM:どぞー!

紫苑:回避型として絶対避ける…! というか日葵さんを護るぞ!!

 「死にたくない」《リフレックス》Lv4+《命の盾》Lv3+《領域調整》Lv5

  リアクション:<交渉>:対決:自身:至近:交渉で回避 侵蝕=5(ころころ→47)

GM:wwwwwwwwww 避けすぎぃ! 失礼、笑ってる場合じゃなかった


「いやだ、死にたくない!」悲痛な叫びを覆い隠すように草花が急成長をはじめ、紫苑の命を守る盾となる。


紫苑:回避型でよかったぜ…本気で避けすぎで草

GM:草花だけに……

紫苑:言われたーーー!!!!

GM:てへ

紫苑:森の中を走ってたおかげで草木が守ってくれました。先を急ごう。

GM:いいですねぇ 近づいてくる化物を寄せ付けまいという意志に応えたのか、周りの草木が車を守ってくれました しかし、ドクン、ドクン、力を振るう度にあなたの心の中の人間が死んでいきます。あなたの心と体が化け物になっていきます。

 と、車が止まった時でしょうかね、日葵さんがそっとあなたの手を握ります。不思議ですね。彼女が握ってくれていると、「人間」としての心に色が灯って、人間として在れる気がします。

 化物なのに化物を殺し、人間ではないのに人間と寄り添う、今のあなたは化け物も人間も二重で裏切る存在です……。

夏時日葵:「紫苑、大丈夫?」

GM:いつの間にか森を抜けていたことにしましょう。そう声をかける日葵さんの、車の窓越しに、大きな入道雲が見えました。

紫苑:「だ、大丈夫。日葵がそばにいてくれるから、僕も頑張れるよ。まだ、頑張れるよ」

 今まで頑張ってこなかったから、頑張ることになれてなかった。でも大事な人のために頑張れるなんてなんて素敵なことなんだろう。たとえ、日葵が自分の想いに応えてくれなくても、それでも。

夏時日葵:「紫苑……うん、ありがとう。でも……もし、私が足手まといなら。紫苑だけでも逃げて。紫苑だけでも生きて」

紫苑:「足手まといなんて、そんな、こと。むしろ今まで何もできない役立たずだったぼくを、日葵だけは見捨てずにいてくれた。……だから、だからぼくは、日葵のことが、好きになったんだよ」

 そう言った時に自然と涙があふれてきた。でもこれは伝えなくてはいけない。

 「日葵は、待っている人がいるんだ。その人のためにも生きて。日葵の、目はもしかしたら、もうだめなのかもしれない。けど、それでもぼくは日葵に生きていてほしいんだ。日葵が大好きだから!」

 涙声になりつつ、本音を吐き出す。生まれて初めての恋と失恋をした。

夏時日葵:「紫苑……」もし、目が開けるのなら、見開いていたかも知れません。

 「……ありがとう、その"気持ちは"、しっかり受け取ったよ。……生きよう、紫苑も、私も」

GM:そう言い、改めて先に進む意志を見せるのでした。

紫苑:涙を拭いつつ「……うん、ありがとう」と言う。自分の状態には何も言えない。言えるわけない。

 いいんだ。ぼくのことは。日葵がどこかで笑ってくれれば。ぼくが化物になったとしても。君を忘れない。

GM:あと少し。もう少しで、この町から出ることができます。そうすれば助かります。きっと、助かります……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る