ナブラの能力
「ナブラ、あの手品は止めなさい。
あの鳥は無事だったから良かったが
自分たち人間に作用して取り返しがつかないことになるかもしれない!」
「パパ、大丈夫。
僕はコツをつかんで、少しは調節できるようになったんだよ」
「だが、ナブラ、お前自身も手品の後熱を出したじゃないか!」
「あの……、ナブラくんのお姉さん?
ちょっといいですか?」
「ええ。
あたしのことは デルタ でいいわ」
「わかりました、デルタさん。
ナブラくんのお父さんの言う あの手品 っていったい何のことなんですか?」
「ナブラの手品って言うか、
今ナブラが使おうとしている能力は……、
あ!
ナブラが能力を使い始めたみたい!」
ラプラシアンはナブラの姉デルタと一緒に
ナブラのほうをみた。
ナブラは片手を番犬の方に向けると、
まるでピアノを引くようにそれぞれの指先を器用に動かし始めた。
すると、
番犬を取り囲むように強力な磁界がドーム状に生まれて、
その強力な磁界からはパチパチと電流が漏れだしていた。
「え?
これ……どうなっているんですか?」
ラプラシアンは仕組みこそすぐには理解出来なかったが
ナブラがやってることはすぐにわかった。
磁界の内部では、時間の経過が無理やりねじ伏せられていた。
そして……、
その磁界の中では、まるで生き物ではない置物の様な番犬が
不気味に振動していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます