ミドル7

※フランシス 侵蝕率+9:146->155

※ティナ 侵蝕率+10:129->139


GM:

 では扉を開けると、そこにはうす暗い部屋が広がっています。ここまで探索を続けてきて、明かりの灯っていない部屋は此処以外ありませんでした。頼りになるのは窓から差し込む微弱な光だけ。埃っぽいような、カビっぽいよう雰囲気の一室からは、寝室というよりは私室といった印象を受けるでしょう。


 床に直接本などが積まれており、目につく家具はデスクとソファーと本棚程度です。しかし、此処にある家具達はただただ古いだけで骨董品としての価値は無さそうだとわかって構いません。部屋の中に特に人の気配はありません。


ティナ:とりあえず電気のスイッチってあります?


GM:電気のスイッチはありませんが、机の上にランタンが置いてあります


ティナ:「……暗いわね」


 ハンドバッグから暗視用のメガネを取り出す……《地獄耳》を宣言。何か新しく目についたものってありますか?


GM:そうですね、部屋の奥、本来ならばベッドを置くのにちょうど良さそうなスペースに一つ『魔法陣』のようなモノが描かれているでしょう。


ティナ:「……! あった、これ。……ってそうだ、忘れてた。3人共、夜目は利く?」


カミーリア:「見えませんわ……」


ホワイト:「私は魔術で見えますがカミーリアちゃんが……」


フランシス:「危険じゃなければ、そこのランタンを灯したいな」


ティナ:「ええ、見た限り変なところはないし、大丈夫だと思う。ランタン使っていいから、こっちに来てちょうだい」


 ランタンを灯してフランシスに渡す。


フランシス:「ありがとうティナ」


 すたすた近づいてランタンを受け取ります。


GM:では最後の情報収集になります。『魔法陣とデスクの本』に関しては条件を全て満たしているので難易度10まで目標値が下がります。


◆情報収集項目

・魔法陣とデスクの本〈知識:魔術〉〈知識:レネゲイド〉〈情報:魔術〉〈情報:レネゲイド〉 30(書斎A、書斎B、今居る場所、暖炉が開示してあるごとに難易度-5)

・積み上げられた本〈知覚〉〈知識:歴史〉〈知識:絵本〉10


フランシス:火を灯したランタンで床に積まれた本を照らして調べます。


【minor】《オリジン:レジェンド》

【major】〈知識:歴史〉

9dx10+12 → 10[1,3,4,6,9,9,9,9,10]+6[6]+12 → 28

フランシス 侵蝕率+2:155->157


GM:1人で読みますか?


フランシス:ではカミーリアと2人で読みます。


◆積み上げられた本(救国の魔法使いの詳細)

 身寄りの無いアルバローズという少女は、跡継ぎとしてとある錬金術師の男に引き取られた。その錬金術師にも子供は居たが、その子供にはほとんど錬金術の才能が無かった。

 子供の名前は『カミーリア』。 引っ込み思案で人と会話をすることは得意ではない、出不精な少女。父が弟子として迎え入れた同世代の少女に困惑していたが、共に暮らすうちにアルバローズは生涯唯一といえる友人になった。

 アルバローズは特別才能に恵まれていたわけではないが、世界に対してとてもフラットであり、かなり早い段階で色々な術を習得した。力に溺れることもなく、純粋な優しさを忘れない、穏やかな少女。 「自己犠牲がいきすぎている」とカミーリアに怒られる様子などが古い本では描かれたりしている。


 成長してからの2人は、貧困で苦しむ民を救い、自分の住む村や都市を助け続けた。

 ただしその活躍のほとんどはアルバローズのものであり、同伴していたカミーリアについて書かれている書物は少ない。


 絵本と事実とにはいくつかの違いがある。大きな違いはアルバローズにはカミーリアという友人が居た事、そしてその最期。

 民がアルバローズを利用しようとしたのは事実であるが、その後、自分たちの都合の悪い存在に成ることを恐れた民はアルバローズの殺害を計画し始め、救国の魔法使いとまで謳われた少女は、自ら救った民によって討たれかける。

 だが、実際には未遂に終わった。その計画が実行される前にアルバローズは行方をくらませてしまった。ベッドの上には大量の羽。それらが後に『翼を授かり天界に攫われた』と語られる由縁となった。


フランシス:「ねえカミーリア、これって……」


 自分と同じ名前の少女が出てきましたが、カミーリアはどういう反応をしていますか?


GM:はい……それでは、読み進めていくと横に居るカミーリアが頭を抑え始めます。


フランシス:「カミーリア! 大丈夫!?」


 危険を感じたフランシスが咄嗟に本を自分の方に寄せ、カミーリアの視線から外します


カミーリア:「私と同じ……名前……さくり、ファイス…………大丈夫、これは読まなきゃいけないきがするの」


 そう言って、カミーリアはフランシスの持つ本に再度目を落とします。


GM:そのまましばらく、頭痛をこらえながらカミーリアは本を読み進める。


カミーリア:「ありがとう。少し、思い出せた気がする」


フランシス:「少しづつでいい、聞かせてくれる?」


カミーリア:「私の特性は“サクリファイス” ――指一本で人間一万人分の生贄と同等量として変換できる体質なの」


 そっと瞼を閉じ、フランシスに問う。


カミーリア:「……ねぇ、フランシス、貴方は私達を救ってくれる?」


フランシス:「さっき行ったとおりよ、ティナとホワイトさんとカミーリアと一緒に脱出するために戦う。今はそれで……今はそれで満足して欲しい」


カミーリア:「優しいわね貴方はやっぱり。 ここじゃ埃っぽいし続きは暖炉の部屋で話しましょう」


 そう言ってフランシスの手を握り立ち上がる。


フランシス:「ティナ、そっちはどう?」


 魔法陣を調べていたティナに話しかける――


GM:――さて、時間は少し巻き戻り、ティナに視点を移します。フランシス達が本を調べている間、ティナはどうしますか?


ティナ:ホワイトさんと一緒に床の魔法陣内部の式を読み解いて、その働きを調べます。


【auto】《原初の黒:オリジナルツール》

【major】〈知識:魔術〉

8dx10+14 → 10[2,3,4,6,8,8,10,10]+3[3,3]+14 → 27

ティナ 侵蝕率+5:139->144


◆魔法陣とデスクの本〈知識:魔術〉〈知識:レネゲイド〉〈情報:魔術〉〈情報:レネゲイド〉 30→10

 デスクに載っていた本は、本というより手帳、誰かの日記に近いもので、筆者の名前は無い。中身を読むと、オリジナルの魔術の開発過程のようなものをが載っている。研究ノートも兼ねていたようだ。そこにある魔術は、書斎にあったどの魔術とも異なる、完全にオリジナルのものらしい。


 ・城への招待

 この空間の性質を利用して『アルバローズ』と『私』以外の生物を呼び込む事ができるのか。結論としては『できそう』だ。

 ”三千大千華鏡”が一瞬だけ強い繋がりを見せる時がある。ひどく限定的な条件だが、その瞬間にこちらから力を加えれば『精神だけ』は呼び込むことができる。

 しかし私達と同様、長い時間こちら側に居れば肉体は朽ち果て、招待された者達も帰れなくなるだろう。

 ■■■ル■■■■■救■■……[ぐちゃぐちゃと上書きされた跡]


 ・呼び込むための限定的な条件

 鏡の中に対象と0時を示す時計がある状態。この瞬間に精神に強い衝撃を与える事ができれば、理論的にはここに呼ぶことが可能なはずだ。


 ・余白の走り書き

 しかし、彼女は望むだろうか?

 望んで欲しい。

 自分が救われる事を。

 だってあなたは、沢山の人を救ったのだから…………


 ※PC達には現在Eロイス《囚人の鳥籠》と《予告された終焉》がかけられている。《囚人の鳥籠》は本来PCには使えない物だが、今回は『鏡に写ったPCの精神』を対象にすることで使用可能とした。

 また、《予告された終焉》はこの空間に長時間居続けることにより、精神の帰り道を見失い、この空間から脱出できなくなる、という事をデータ化した物。


ホワイト:「なにかわかりましたか?」


ティナ:

「まあ、いくつかは。まずこの魔法陣、これを使って術者は私達をここに招いたみたい。だけどこれは召喚のトリガーでしかなくて、結界の維持は術者の魔力で行われてる。詰まる所、これを解くには術者に解かせるか、術者を殺すしかない」


ホワイト:「えっと、その『術者』というのは?」


ティナ:

「この空間を作り、私達をここに招いた張本人。物理破壊不能、式解析不能となれば、術者は結界内にいる必要があるわ。ただ小規模とはいえ、亜空間の運営なんて本来なら国家規模でやる魔術よ。間違っても、こんな風に閉じた空間でやるものじゃない。……この術者、魔力総量は相当なものだと思う。最低でも魔術師百人分。一般人を生け贄にするなら一万人は下らないでしょうね」


ホワイト:「それはたとえば、私ではどうですか?」


ティナ:

「無理。あなたの魔術は、突き詰めれば基本となる魔術の精度が異常に高くて、魔力の運用効率が常人より遥かに高いだけだもの。この手の魔術で必要なのは技術や質じゃなくて、単純な魔力の物量だから」


「(だいたい、あなたがそんなとんでもない魔力量を持っていたら、救われるのは国一つじゃ済まなかったわよ)」


「私からもいくつか、いいかしら? あなたに確かめておきたいことがあるの」


ホワイト:「なんでしょう?」


ティナ:「あなた、ずっとここにいるみたいだけど、何かしたいこととか、ないの? 退屈だったりしない?」


ホワイト:「退屈……ですか? 考えたこともありませんでした。 最初こそ本能的に『帰りたい』とは思いましたが、帰る場所もわからないもので」


ティナ:「そう。じゃあそうね、こんな風に私達といて、楽しい? こんな事を訊くのはどうかと思うけど、私達が帰ってしまったら、あなたは寂しい?」


ホワイト:

「お話しするのは……そうですね、楽しいですよ。 知らない場所に突然居るのに不謹慎な話かもしれませんが。けれど……帰れる場所があるのならば、帰るべきです。 待っている人がきっと居るでしょう?」


ティナ:「あなたは優しいのね。ねえ、もう一度訊かせて。記憶を失ってもなお、あなたが何かしたいことって、ないの?」


ホワイト:「私がしたい事…………」


ホワイト:「たしか、忘れてしまった私の大切な人に、伝えたい事がある……気がします。 私の願いがあるとすれば、それでしょうか」


ティナ:「忘れてしまった、大切な人、か……ありがとう。踏み込んだことを訊いてしまって、ごめんなさいね」


ホワイト:「いえ。 何かのお役にたてるのでしたら」


ティナ:「(あとは、あの2人ね……)」


GM:これくらいでフランシスの側に時系列が追いつきますね


フランシス:――「ティナ、そっちはどう?」


ティナ:「……そうね、いくつか、気になることができた。カミーリア、フランシス、少し調べさせてほしいんだけど、いいかしら」


フランシス:「何? いいけど」


カミーリア:「なにをするのかしら?」


ティナ:「そう、ありがとう」


 そう言って、おもむろに二本ナイフを取り出すと、フランシスとカミーリアの影に向かって投擲する――《シャドウダイバー》を2回宣言


※ティナ 侵蝕率+4:144->148


ティナ:「この状態で、いくつか質問をさせてちょうだい。まずはじめに、物語の中の人物――アルバローズ、についてどう思う? 彼女に対してのあなたの感情。好き嫌いでもいいし、もっと具体的な感情でもいい」


カミーリア:「アルバローズ。 大好きよ。 だって沢山の人を救った人だものっ!」


 その答えに偽りはみられない


フランシス:「素晴らしい人物だと思うよ。美化されがちな絵本の登場人物だとしてもね」


 思った通りを答えます。


ティナ:

「ありがとう。じゃあ二つ目。彼女は物語の最後、人々に利用され天界に去ったわけだけど……そんな彼女は、救われるべきだと思う? もしそう思うなら、彼女への救いとは、なんだと思う? ……質問の意味がわからないなら、そう答えてくれればいいわ」


カミーリア:

「勿論、救われるべきよ。 救った民に裏切られるのなんて悲しすぎるもの。そうね……救いは、生きることよきっと。 平穏に、平和に、一人の少女として」


フランシス:

「ええ。その人の救いなんて、その人にしかわからない事だけれど……」


 ここで自身の境遇と重ねてほんのわずか押し黙り……


「救いとは何なのかを本人に聞くか……聞けないのなら、一番それに近い事を救いとすればいい」


ティナ:

「わかったわ……なるほどね……。ありがとう、訊きたかったのはそれだけ」


 そう言って、床に刺さった二本のナイフを抜く。


「とりあえず、こっちでわかったことを説明すべきよね。まずこの空間は、『何者か』によって作られたもので、ここから出るには術者を殺すか術者に結界を解かせるしかない。加えて、あまりここに長くいすぎると、元の世界に戻れなくなる。

 それから……ホワイトさんの正体は、救国の魔法使い、アルバローズ」


ホワイト:「私が絵本に出てくる、アルバローズ……」


 それを聴くと、ホワイトは頭を抑え始めます。


ティナ:「ええ、厳密に言うなら、絵本の元になった史実の中のアルバローズ。ここから観測できる平行世界に存在した……あるいは存在する人間よ」


ホワイト:「思い出せ、そう、だったのですが、何かで、防がれている……?」


カミーリア:「アタシも少し頭痛いから、座ってお話しできるように一旦もどらない?」


ティナ:「……いいでしょう」


GM:では一行は、カミーリアに従い暖炉の部屋に戻ります。シーンはそのまま継続します。


カミーリア:「ごめんなさい、無理を言ってしまって。 話を続けましょうか」


ティナ:「私が調べてわかったのは、大まかにはさっき説明したとおり。フランシス、カミーリア。あなた達は何かわかった?」


カミーリア:「わかったこと……と言ったら、『救国の魔法使い』の詳しいお話と、私の事くらいね。どちらから話すべきかしら?」


ティナ:「そうね、なら、『救国の魔法使い』の話を」


カミーリア:

「救国の魔法使い……その事実と絵本の内容とは大きな差はないわ。 ただし、アルバローズは魔法使いなんて都合のいい存在じゃない。 錬金術師の少女よ。

 大衆を救ったのもの事実、国をも救ったのもまた事実。 けれど、けれどね、結末が違うの。……彼女は救ったはずの大衆に殺されかけた。 利用しようとだけ利用した身勝手な連中は道具として使えないのならと、彼女を殺そうとしたわ。けれど、彼女は殺される事は無かった……消えてしまったのよ、世界から突然。

 それともう一つ、絵本には出てこないもう一つの錬金術士が居たそうよ」


 カミーリアが静かに息を吸う少しの間、沈黙が場を支配する。


「もう一人の名前は『カミーリア』……親から引き継いだ才能はまるでない、出不精で出来損ないの錬金術師。


 ……つまり、アタシねっ!


 ここまで、大丈夫かしら?」


ティナ:「ええ、問題ないわ、カミーリア。私が知りたいのは、その先よ」


カミーリア:「ありがとう。 流石、天才魔術師ね。――続けましょうか」


カミーリア:

「でも、貴方に聴かれるのは嫌ね。 だからもう少しだけ眠っていて『アルバ』」


 カミーリアは小指をナイフで切り落とすと、それをひょいとホワイト……アルバローズの元へと投げる。投げられた指先は膨張と収縮を繰り返し、血でできた小部屋を創り上げる。


「……さて、話の続きね。

 もう一つわかったこと。 もう気づいてるかもしれないけれど、貴方達を此処へと呼んだのはアタシ。……アタシだったらしいわ」


ティナ:「それで、私達をここに呼んでどうするつもりだったの?」


カミーリア:「それは、 さっきの貴方の問いの本当の答えになるわね。……アタシはアルバを救いたい。 其のための“器”が必要なのよ」


カミーリア:「あの術を見たのなら分かるのではないかしら?  精神が帰り道を見失ってしまった場合、元に戻れないというのは」


ティナ:「ええ。アルバローズは、もう元にのアルバローズに戻ることはできない」


カミーリア:

「その通り。 だから、中身の無い肉体にアルバの精神を移す。 そうすることで彼女に“普通の少女”として暮らしてもらえる……そうでもしないと、彼女はずっと囚われたままなのよ」


カミーリア:「ねぇ、フランシス……ティナ?  救ってほしいわ。 彼女を、アルバローズを」


ティナ:「その前に、一つ訊かせて。あなたは、最初からそのつもりで私達についてきたのかしら? それとも、さっきの部屋で、それを思い出したの?」


カミーリア:

「さっきの部屋までは完全に忘れていたわ。 貴方達がどういった人物かを探るために、記憶を封印していたの。 あの本を読むか、暖炉に触れるかすれば、封印が解けるようになっていた」


カミーリア:「……あなた達が、優しい人達で嬉しかったわ。心の底からそう思う」


ティナ:「なるほどね。他にもいくつも訊きたいことはあるけれど、それだけ聞ければとりあえず十分よ」


カミーリア:「そう……」


カミーリア:「ねぇ、優しいフランシス。 貴方は、彼女を救ってくれるかしら?」


フランシス:「三回目よ、カミーリア。ティナと、ホワイトさんと、カミーリアと一緒にここを出る。そのために私は力を使う」


 柔らかく微笑みます。


カミーリア:

「一緒……一緒かぁ……いいわね。 せっかく仲良くなれたもの。 貴方達の時代のモノを見て歩きたいわっ!

 みんな一緒に、ハッピーエンドの物語になればどれほど嬉しいか……私も壊れるまで二千年、此処で考えたわ。……けれど、どれだけ考えても、どれだけ望んでも、アタシの力じゃ彼女を救えない。


 ねぇ、フランシス……中身が変わってしまった“その人”は、一体“誰”と認識されるのかしら? そんなに不都合なこと?」


フランシス:

「…………ごめんなさい、あなたにだけ話したいから」


 肩をそっと引っ張って耳元で呟きます。


「質問に答えるわ。中身が変わってもね、その人は"その人"としか認識されないわ。だって周りからは、その人は"その人"でしかない。誰もが私ではなく"私"を見る。私の目を見て"私"に話しかける。私に近づいて"私"の手を握って"私"とお喋りして"私"に期待する。

 気が狂いそうになるわ。でもそれも無駄、気が狂う意味もない。中身が変わってしまったその人に訪れるのは自由でも平穏でも平和でもない。一人の少女としても生でもない。どこまで行っても絶対に消えてなくならない孤独だけ。


 ……それに、一人ならどうにかなったけど、二人分は無理よ。三重に重なった精神はもはや人ではないわ。アルバローズ、そしてカミーリア。あなた達を救いたいと思うからこそ、私はあなた達を救わない。――やめておきなさい」


カミーリア:

「……嘘つきなのに、なんでこんなに優しいのかしら。アタシはしっかり“貴方”を見たわ、フランシス。

 なら、敵対するのかしら、アタシ達は?」


 そういってフランシス、ティナの順に目をむけます


ティナ:「最後に訊いておくわね。あなた、この結界を解く気はないのよね」


カミーリア:「結界を解けば、帰り道の無い彼女は消えてします。 なので、結界を解く事はできません。 貴方達を返してあげることはできますが、その選択肢は現状ありません。


 ……もう一度、貴方達のような優しい人を見つけるのは大変だもの」


ティナ:

「なら、私はあなたを殺すわ。有栖の復讐をあきらめたあの時から、私は二度と感情に委ねた行動はしないと誓っている。私は魔術師――究極の知を目指す者。あなたがそれを邪魔するのであれば、容赦はしない。

 ――優しいあなたを殺すのは、すこしだけ気がひけるけどね」


フランシス:「ええ。私が私である為に、優しいあなたを殺します」


 カミーリアから少し遠ざかりながら言う


カミーリア:「ありがとう、願い持つ者。 アタシも、貴方達を殺すわ。 彼女のために」


ロイス整理

フランシス:

「優しい錬金術士」にロイス取得 親近感/○同情

カミーリアへのロイスをSロイスに指定


ティナ:

カミーリアへのロイスをタイタス化 この事態を引き起こした張本人であり、殺すべき相手と認識したため、連帯感ではない

アルバローズにロイス取得 ○無関心/隔意 どこまでも、優しい人。できるならばこのまま、何も知ることなく――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る