ミドル4

※フランシス 侵蝕率+10: 86->96

※ティナ 侵蝕率+4: 77->81


GM:書斎の奥に在る部屋の探索するシーンになりますが……本とか持っていきますか?


ティナ:いえ、おいていきます。


フランシス:危なそうなので置いていきます。


GM:

 では、本棚の小城を後にした3人は、奥にある扉を開け移動する。目の前に広がるのはまたしても静かな部屋。明かりこそ点いているものの、そこにぬくもりは無く、作業机らしきものや、中の見えない棚などが無機に並んでいる。また、廊下と対面にあたる側の壁には大きなカーテンがかけられている。


ティナ:GM、質問なんですけど、この館でこれまでに鏡って見かけましたか?


GM:鏡は最初の部屋のドレッサーとかについてたと思います。そこに関しては別段気にしなくていいです。


フランシス:「明かりが付いてる……誰かいたのかな」


 棚を順々に空けて中を調べますが、何かめぼしいものはありますか?


GM:棚の中には、干草とか干した爬虫類とか青とか赤とかカラフルな液体の入った小瓶とかが見つかりますね。


フランシス:「これは……なんだろう。ティナ、魔術ではこういう道具を扱ったりする?」


ティナ:

「時々ね。薬草や試料はともかく、小瓶の中身まではちゃんと調べてみないとわからないけど。まあでも一般的な西洋魔術では薬学は補助的なものよ。西洋の魔術は基本的に、魔法陣と詠唱で紡ぐアルゴリズムで構成されてるから」


フランシス:「なるほど。じゃあ、これは練習用? あるいは、魔術の道具を作っていた?」


ティナ:ちなみに草とか爬虫類って知ってれば普通に市場で買えるたぐいのものですか? それとももう絶滅したはずの爬虫類とか幻想種とか含まれてます?


GM:買えるモノもあるとおもいますが、形状が少し違うかもしれません。幻獣種などの類は見当たりませんね。


ティナ:

「さあ? 魔術って一概に言ってもかなり範囲が広いから……。ロッソはいろいろと手を伸ばしてるけど、それでもまだまだ未知の知識系統はいくらでもあるし」


フランシス:棚の中はティナにまかせて、フランシスは窓に歩み寄ってカーテンをバッと開けます。


GM:

 では、カーテンを開けると“窓”ではなく、バルコニー用の扉のようです。1階で見たときよりも見晴らしが良いでしょう。霧らしきものに覆われていた視界は多少緩和され、天井には星らしきものが輝いて見えます。月は見当たりません。


ティナ:「それよりそれ……バルコニー? つまり、外に出れる……罠かしら?」


GM:ちなみに扉は開けようとしても開きません。


フランシス:「ティナ、カミーリア、少し離れて」


 《赫き剣》で剣を創り出し、バルコニーへの扉を切り裂こうとしたいです。


カミーリア:「え、うん……? ワタシは構わないのだけれど、こじ開けるとか凄い発想ね……」


ティナ:

「待ちなさい。

 外に出ても、酸素があるかさえ怪しい。開かないなら開かないで、相応の理由があるはず。――力ずくで開けるのは、館の中を調べ終わってからでも遅くないわ」


フランシス:

 ティナの制止を聞いて、剣を創り出す寸前で止まり剣を赫色に霧散させる。


「……確かに。早計だった、ごめん」


 申し訳ない表情でティナ達に向き直ります。


ティナ:

「気にしなくていいわよ。こんなおかしな空間に閉じ込められる経験がある人間なんて、そうそういないんだし。……なにより、いざという時にとれる選択肢は多いに越したことはないしね」


カミーリア:「……そういえば、見える星と時間で場所とかわかったりしないかしら? 私はそういうのよくわからないのだけど」


GM:ということで〈知覚〉〈知識:天文学〉で情報が出ます。それとは別に、窓際で〈知識:魔術〉〈知識:レネゲイド〉の判定ができます。


フランシス:じゃあ《オリジン:レジェンド》を使用して〈知識:天文学〉で判定、星から場所と時間を推定します。


【minor】《オリジン:レジェンド》

【major】7dx+8 → 10[1,4,6,6,7,9,10]+8[8]+8 → 26

フランシス 侵蝕率+2: 96->98


◆星空〈知覚〉〈知識:天文学〉


 天井に輝く星のような光。それらを眺めるのであれば“既存の空”でないことがわかるだろう。

 星の配置はどの季節、どの国から見えるものとも異なる。


 そして、空の光をよくよく眼を凝らして観ると、“画面”のようになっており、人々の生活が映し出されていた。

 映し出されるそれらは国、はたまた時代すらもバラバラの物であった。

 もしも光を長く見つめるのであればじんわりと頭が犯されていくような痛みに襲われる。


GM:

 カミーリアからの助言で星から現在地を割り出そうする。持ち得る知識を使い配置を確認するも、何処にも見知った星の並びが見当たらない。季節、場所、色々なものを加味しても、自分の知っている空ではないということしか分からない。


 ふと一つの光を凝視すると、“どこかの国の人々の暮らし”の映像が脳に直接降ってくるような感覚を覚える。同時に脳内に、それを長く見続けてはいけないという警鐘が響く。その感覚は、書斎で読んだ“歴史書”のページをめくろうとした瞬間とかなり近いだろう。


フランシス:

「ない……何も当てはまらない。ここは一体、どこ……?」


 星を見るうちに、『見てはいけない』という勘に突き動かされ目を逸らす。作業机か何かに視線を逃し、肩で息をする。


GM:咄嗟に目を離したことにより、書斎とは違い“何かを受ける”事は無かったでしょう。……ではティナ。


ティナ:私は〈知識:魔術〉の方を判定。


※【major】6dx10+2 → 10[2,3,4,7,9,10]+10[10]+8[8]+2 → 30


◆今居る場所〈知識:魔術〉〈知識:レネゲイド〉12

 バルコニー入り口の側、今まで探索した中では一番“外”と近い場所。そこに立った事で貴方は気づいた。


 現在、貴方達が居る場所は現実とは乖離した空間であることが推測できる。魔術や近代のレネゲイドに関する知識を有しているのならば、屋敷一帯が超高濃度のレネゲイドで覆われている事がわかる。


 窓を覗けば外は常に霧。

 空を見上げれば異型の光。


 簡潔に言うならば、現在あなた達は『なんらかの結界の内側』にいる。


GM:

 では、窓辺、つまり外と最も近い場所から観察することで、この屋敷の一帯が超高濃度のレネゲイドで覆われているという事がわかるでしょう。また、それそのものが結界の役割を果たし、外部との接続を遮断している状態であることも。加えて、これを維持することに大きなコストが掛かります。


ティナ:

「……ここなら、調べられそうね」


 手帳に魔法陣を書き込むと、そのページを破って窓に押し付ける


「”Potenza magica piena della terra, scrivere tua madre.(地に満ちる魔力よ、汝のその来歴を記せ)”」


 ティナが詠唱を口にすると、メモに赤い模様……文字のようなものがにじみ出る。


「うん……やっぱり私達、結界の中にいる。私が使えるような汎用的な結界じゃなくて、術者の生来の能力に由来するユニークなもの。それだけに詳細はわからないけど……膨大な魔力が必要だってことはわかる。考えられるのは、よっぽど大人数で維持しているか、遺産なんかの特異なリソースを使っているか、あたりね……」


カミーリア:

「結界ってまた、ファンタジーなモノが出てきたわね…… 今更驚きはしないのだけれど、やっぱり意図的にアタシ達を閉じ込めてるってことよね?」


フランシス:

「そうみたいだね……そして、ここはどこかも、いつの時間かも分からない。分からないことが分かっただけマシかな」


 肩をすくめて答えます。


ティナ:

「結界そのものは別に珍しいものじゃないわよ。簡単な人よけの結界とか、魔術師ならだれでも使えるようなものもあるし。UGNではワーディングって呼ばれてるみたいだけど。

 ……でもそうね、誰かが意図的に閉じ込めてるのは間違いないと思う。それが人なのか、物なのか、あるいは他の知性体なのかはわからないけどね」


カミーリア:

「現状“分からないという事が分かった”だけなのかしら……でも一歩前進よね! けれど、何か理由があるならそろそろ出てきて欲しいものだわ。 何かされるってのは嫌だけれど……」


フランシス:「うん。ずっとこんな所にいるわけにもいかない。糸口は見えないけど、探索を続けよう」

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