第2話 スライムの必要な物
俺の家にスライムがやってきてから、数日が経った。
スライムとは一般的に見た目が、玉ねぎみたいな形をしていて、何よりもあの、ぷるんぷるんなのが良い!
まさに、癒し!!
心のオアシス!!!
.......んなんじゃなかったぁぁぁぁーー!!!
俺の家に来たスライムは、全く天使でも癒しでも何でもなかった。
まず、奴は家に上がってくるなり、俺に向かって、「これ読めスラ」と言って一冊の本を投げてきた。
タイトルは
[愛くるしいスライムとの幸せ生活の手引き]
と書いてあった。
正直、この題名を目にした時は、作者は頭がおかしいと思ったが、本の名前で判断をしてはいけない。 そう思って指南書を開いた。
「え〜、何々、スライムを毎日お風呂に入れてあげること。遊んであげること。話しかけてあげること。ふーん。結構普通な事じゃん」
俺はパラパラと読み進めていくと、あるページに目を奪われた。
「何々、スライムには、食べ物はフランス産のエ〇アン(水)を与えること。部屋を散らかしても、叱らずに片付けてあげること。スライムにとって必須品である、スマホとパソコンの両方を与える事(2年置きに新品かつ最新の物)。.........。おいっ!」
俺は部屋の中央で横になってる、スライムに話しかけた。スライムは気だるそうに、俺を見上げる。
「百歩譲って、この水やら散らかした物を片付けるのをやったとして、このスマホやパソコンが必要品を何で2年置きに買い換えなきゃいけないんだ!?」
「必須だからスラ」
スライムは何でわからないんだという、顔でこっちを見てくる。
「どう必須なんだよ!?」
「遊ぶ為スラ」
俺はその答えに愕然しながらも、最も大切な事を聞いた。
「スマホの月額費用とパソコン代はどうするんだ?働くのか?」
スライムは、「やれやれ、わかっていないスラねん」と言うと、最後のページを開くように言ってくる。
俺は言われた通りに、最後のページを開くと、本気で目を疑った。
そこには
[スライムを決して働かせてはいけない]
と書かれてあった。
俺は思った
このマニュアル本を書いた人間、あっいや、スライムは頭がおかしぃぃぃぃ!!!
俺は部屋で絶叫すると、「うるさいスラ!早くスマホショップへ行くスラ!!」と言われて、絶望に打ちひしがれた。
俺とスライムの最初の試練が始まった。
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