俺の家にスライムがやってきやがった!!

ぷるるん

第1話 スライムがやってきた

俺は直人、37歳のアラフォー、普通のサラリーマンをやっている。 産まれてからずっと普通の生活を送ってきた。 何事もなく小・中を卒業し、偏差値50の高校へ進学後、地元の国立大学を出て、就職してから1人暮らしを始めて今に至る。


平日は会社と家の往復。休日はレンタルビデオ......いや今はレンタルショップか?へ行っては、気になる作品(DVDや漫画)を借りて過ごすのが俺のスタイル。 他に趣味といえば、ゲームをすることくらいだ。ゲームも基本的にRPGしかやらない。


こんな平々凡々の日々を壊されるとは、夢にも思ってなかった。 そう、アイツが現れるまでは........



バンッバンッバンッ!!ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!ダンッダンッダンッ!!


「うるせぇーー!! 日曜の朝っぱらから誰だよ!!」


玄関を激しく叩く音とチャイム音で強制的に起こされた。布団の横に置いてある時計を見ると、午前10時、日曜日にしてはまだ起きるのに早い時間だ。


「くそっ、誰だよ」


俺はイラつきを隠さないまま、パジャマ姿で玄関の覗き穴を見る。誰もいない?.... いたずらか? そのまま、布団に戻ろうとした時.......


バンッバンッバンッ


また、激しく玄関を叩かれる


いきなりの音にビビる俺。怪奇現象か!? いや、今は朝だ、幽霊が出るのには早い時間だ。


俺は念の為にドアチェーンをつけて、静かに鍵をあけると、ゆっくりとドアを開いた。


「よっ!来てやったスラ!」


ドアを開けると、俺の目の前、いや、足元に様々なゲームに出てくる通称【】の形をした生き物が立っていた。


「おい!もてなしをしろスラ」


招待もしてないのに、もてなしをしろとはなんて態度だ。親の顔を見たいってのはこういう時に使うんだな。 おまけにイラついているし...ってかそもそも....


「スライムが現実にいるわけねええええ!しかも、喋ってるしぃぃぃぃ!!!」


そうか!これは、夢なんだな、夢!!


「ふっ、俺とした事が慌ててしまった。さあ、寝るか」


俺は布団に戻ろうとした時、いきなり尻が熱くなった「あちっ!」、恐る恐る手を尻に当てるとパジャマに穴が空いていた。 そのまま、後ろを振り向くと、スライムが口から煙が出ている。どうやら、火を吐いたらしい。


「夢じゃないスラ......」


「へっ?」


「夢じゃないと言っているスラアアアア!」


スライムは空気を大量に吸い込む動作をすると、大きな火の玉を作り直人に向けて放つ。


「あっついーーー!!」


直人の絶叫が外に響き渡る


こうして、直人の平々凡々の生活が崩れていくのであった。

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