第3浴 ゼロ装備は勇者の証じゃない!タオル一枚くらい持ってけー!

 みなさま、毎日お風呂楽しんでますかー?(挨拶)


 なんかこのエッセイ、「客の悪口ばっか書いてんじゃねーよ!」と思われるんじゃないかと、内心ちょっとビビってます。第1浴でも書いたとおり、大半のお客さまは良識ある善良な方々ですからね。ごく一部の方々が特異なだけですからね。


 もちろん、今これを読んでくださっているみなさまも、お風呂マナーをバッチリ守られてる銭湯・温泉来訪スペシャリストであると信じてます。まだあまり行ったことがないという方はこれを読んで一緒にお勉強しましょう。そして温泉楽しもうぜ!



  ◇ ◇ ◇



 さて、今回は私がこっそり「ゼロ装備」と呼んでいる方々のお話です。


 わかりやすく言えば、いざ入浴へ向かう際に「装備なし」、つまりタオルの一枚すら持たずに身ひとつで出発してしまう方々のことです。


 大半が男性客ですが、女湯でもたまに見かけます。いや、たぶん女性客はいったん自分のお風呂グッズを浴室の棚に置いて、外に出てから再入浴してるんじゃないかと。最初から最後まで何も持たずに完遂してしまうのはほぼ男性、でしょうね。


 つまりアレですよ。浴室の中で体を洗うすべを持たないどころか、浴室を出てからビショビショの体を一滴たりとも拭かずに自分のロッカーまで帰還するつもりなんですよ。裸一貫の俺、男らしー! とか考えてはいないよね?


 タオル持っててもろくに拭かずに脱衣所をビチャビチャにする人もけっこういますけど。最初っから体拭く意識ゼロ、脱衣所を水浸しにする気満々ってどうなのよ。


 私がたまに行く他の温泉施設では、浴室内にこんな張り紙がしてあります。


「クイズ:お風呂からあがるとき、体をふいてから脱衣所へ行く方がいい? 〇×どっち?  ヒント:ぬれた床は、すべりやすくて危ないよ!」


 どう見ても子供向けです。お子さまでもちょっと考えればわかるようなタブーを、大の大人が何人も、堂々とやらかしてます。


 床を平気で濡らしまくる人がいる一方で、ほんのちょっとの水滴が落ちていても「ちょっとここ拭いて!」と神経質に呼びつける人もいます。どっちも疲れるけど、神経質な人の方が正しい。すべりやすいし、靴下で歩く人もたくさんいるんだし……。浴室の出入り口で、ちょっと体拭けば済む話なのに。

 


  ◇ ◇ ◇  



 と、ここまではわりと普通に「あるある」なお客さまの実態。ここからは、勤務中に私自身が目撃した、「一枚のタオルすら持たない男たちの珍プレー集」をお送りします!


 男性客は温泉に手ぶらで来る割合が高いけど、たいていはタオルをレンタルしたり安い販売タオルを買ったりします。しかし、ごくたまに、その金すらも惜しむように、かたくなにゼロ装備を貫き通す男たちがいるのだ……!



 <ケースその1>


 脱衣所に、施設でレンタルしたタオルなどを入れてもらう専用のボックスがあります。その穴に手を突っ込んで、他人の使用済みタオルを拾い上げて使うやつ!


 <ケースその2>


 同じく、他人がボックスに入れずにロッカー上に放置したタオルを物色して回るやつ!


 <ケースその3>


 ドライヤーで、髪だけでなく全身くまなく乾かしまくるやつ! 足の指からわき・股間まで念入りに乾かしまくるので、他の男性客から「気持ち悪い」ってクレーム来てるぞ!


 <ケースその4>


 流しに置いてある台拭きが、たまに消えてると思ったら、いつの間にか客に私物化されてた痕跡が……!



 この辺はもう、面白すぎて、もとい非常識すぎて、従業員仲間に話すと「ウソー!」と驚かれます。そんで大ウケします。笑いたいときの珍プレーネタ。


 ネタを提供してくださるのはいいんですけど。やっぱ常識をちょっと考えましょうよ。


 みんな守ろうぜ、温泉マナー!

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