第4浴 男女の別れは危険の始まり!?

 みなさま、毎日お風呂楽しんでますかー?(挨拶)


 毎度不穏なタイトルで始まるこのエッセイ。今回の「男女の別れは危険の始まり!?」とは一体?


 温泉風に言うならば、夫婦や恋人どうしなどの男女カップルが、いったん離れて男湯・女湯それぞれの浴場へ向かうこと。ごく普通の光景です。


 じゃあ、「危険」とは何か?


 ――私ら従業員が、お客さまにパシらされる危険のことですよ!



  ◇ ◇ ◇



 それはもう、よくいるんです。男湯・女湯に別れたあとで、


「うちの人、百円持ってないから渡してきて!(ロッカーに鍵をかけるために必要)」


「うちのカミさんにタオル渡してきてくれない?」


「〇時に家族と待ち合わせしてるんだけど、30分早く出ますって伝えてきて!」


 などなど、従業員にあれこれ頼む方々。


 お気軽に頼んでくれちゃいますけど……。従業員は、お相手を捜すために脱衣所・内湯・露天・サウナ・トイレ……と、くまなく歩き回らなきゃならんのです。それもお相手の名前を大声で叫びながら。(館内放送は聞いてもらえない率が高いので)


 いつも思うんです。相手がお子様なら百歩譲って仕方ないとして、お互いいい年した大人でしょ? 百円くらい、自分のタオルや着替えくらい、最初っから自分で用意して自分で持とうよ! 早く出たなら出たで、おとなしく待ってようよ!


 そういえば私、夫婦ゲンカの伝言ツールとしてパシらされたことがあります。お風呂を出るまであと何分かかる、って内容の伝言を、奥さまから旦那さまに伝えに行くと、突然その方「はあ?」とブチ切れ。伝言頼まれ、奥さまに伝えるとこっちもブチ切れ。


 そんでまた男湯←←→→女湯間を往復させられ、私もいい加減イヤになって「それでは失礼します!」と、次の伝言(文句)言われる前にさっさと退散。

 ケンカならお二人だけで勝手にやってくれ! 他人をパシらせて遠距離ゲンカすな! しかもなんで私が怒鳴られなきゃならんの!(怒)



  ◇ ◇ ◇



 ……失礼しました。

 

 ここまでは、普通に男女に別れたがためのパシらされケース。実は「男女に別れなかった珍プレー集」も存在するのです。



 <ケース1>


 しゃんとしたダンディなおじさまが、いきなり女湯脱衣所の扉をガラッと開けて


「おーい、タオル忘れてるぞー!」


 ひえーー!!!!


 たまたますぐ近くにいたので、即刻「お客さまーー!!」と叫びながら背中を押しつつ強制退去。別におボケになったわけでもない、ごく普通のおじさまなのに。頼むよもう! 犯罪だから!



 <ケース2>


 ケース1の逆バージョン。男湯の扉を開けて中から出てきたのが、ごく普通のおばさま! やっぱり何か届けたかったらしいけど、頼むから自分で入るくらいならうちらに言って! 羞恥という言葉はどこへ!



 <ケース3>


 男湯の脱衣所で、若いお母さんが、小学生くらいの男の子に、丁寧にロッカーの使い方などを説明してた……。


 気持ちはわかるけどー、それも言ってくれたら従業員が説明くらいするからさあ……。



 ……とまあ、別の方面でも「危険」がいっぱいの、温泉ならではの男女ネタでした。


 みんな守ろうぜ、温泉マナー!

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