オリジナルバージョン

第1浴 水風呂はプールじゃない!風呂だ!

 みなさまこんにちは! もしくは初めまして!


 とある温泉施設に勤め始めて早〇年、の平凡な一主婦でございます。


 私が平凡じゃない点といえば、こんな年になっていきなり小説(しかもラノベ?)を書き始めてしまったことくらい。小説を書こうと思い立つ以前は、暇さえあれば映画を見るかどこかの温泉に入りに行くという、仕事でもプライベートでもじっくりまったり温泉を楽しむ毎日でした。


 そんな私が、日々職場で遭遇する


「こんなのほかの業種では絶対ありえん!」


「ってか、ほかの温泉施設にもいないんじゃ?」


と思われる、施設側の想定ラインの斜め上を自由に滑走してくださるお客さまがたの数々の奇行を、ネタにしない手はない! と思い立ち、このエッセイ執筆とあいなりました。


 少しでも楽しみつつ、今いちど温泉マナーについてちょっぴり学んでいただけたら嬉しく思います。



  ◇ ◇ ◇  



 あ、この場を借りて補足させていただきます。


 温泉施設にいらっしゃるお客さまは、大半がきちんとマナーを守ってくださる、もしくは何か間違えてもこちらが一言申しあげればすぐに改めてくださる、善良な方々です。毎度ご来館感謝しております。


 でも、ごく一部の方々の奇行により、私たち従業員が想定外の時間と手間をかける羽目になるのもまた日常的な事実……。客商売の方ならわかってくださいますよね?



  ◇ ◇ ◇  



 さて、記念すべき第1浴は水風呂について。


 たいていの施設には、サウナのすぐ近くにあるはずです。「ほぼサウナと水風呂しか入らない」なんて極端な常連さんもいらっしゃいます。


 この水風呂、そこまで広くなければよかったんですが……当施設の水風呂、けっこう広いんですよ。


 そのせいか? 水をパシャパシャかけあってはしゃいで泳ぎだす子供たち、頭のてっぺんまで水没して見事な素潜りを繰り返すおじさんたちがしょっちゅう出没!


 ここはプールじゃない! 風呂だ! 風呂用の塩素消毒はしていても、プール使用を想定した消毒なんてしとらんわい! あと普通に周りへの迷惑じゃー!


 仕方なく注意するんですが、もはや社会現象と化している「キレやすい中年オヤジ」はここにも健在。「いちいちうるせーなー!」だと。こっちだって注意したくてしてるわけじゃないわい。


 最近は素直に謝ってくださるおじさんも増えましたけど。でもそんな、気持ちよさそうに何度もジャンプ&ダイブを繰り返して、可愛くタコ頭を上下させても、ダメなものはダメ!



  ◇ ◇ ◇  



 風呂に潜るといえば、漫画やアニメのお風呂シーンではものすごくよく見る光景ですね。


 今まで数多くの温泉・お風呂シーンを見てきましたけど。だいたいどの作品も、キャラたちがお風呂マナーを守ってない!


 長髪垂らしたまま浴槽に入るな! 泳ぐな! 潜るな! 顔洗うな! アヒル隊長とか持ち込むな! 大声で叫ぶな! 口までつかるなー!


 なんかね、言っちゃいけないのかもしれないけど、私目線だと


「そんな他人の大〇菌だらけの水分をよく摂取する気になるな?」


「あんたの唾液やら顔脂やら他の雑菌がみんなの公衆浴場に混入されてしまうのよ?」


 ……としか思えないんですよ。


 これら二次元の迷惑行為は、三次元である当施設にも実在します。そのたびにうちら従業員が注意しなきゃいけないのよ。二次元で「お風呂マナー向上キャンペーン」やってくれたらいいのに。


 ――みんな守ろうぜ、温泉マナー!

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