全体的にとても面白かったです。特にストーリーの構成は処女作とは思えないくらい巧いと思いました。
文章については、一人称の文章(語り手の言葉)として読んだ場合、「このキャラがこんな表現使うかな?」と違和感を持ってしまう箇所が少々ありました。ですが表現それ自体はとても美しいと思うところも沢山あって、けっして文章自体がまずいわけではない(むしろ上手い)と思いました。
コンテストに参加されてるようなので、少なからずプロ志向があると見て、気になった点も書かせていただきました。失礼いたしました。
作者からの返信
ゆうほさん、コメントありがとございます!
ストーリー構成はこの作品を執筆する中で1番考えた部分なので、お褒めいただき感無量です。文章の未熟さについても自覚する所はあるので、次の作品を書く上で意識したいと思います。
改めまして、最後まで読んで下さり、誠にありがとうございました!
自由ってなんだろう? と考えたときにまず思い浮かべることは、なにものにも束縛されず思いのまま考え行動できる、というのが一般的かなと思います。
しかし忙しいといわれる現代人(まあ過去もそうなのでしょうが)が好き勝手にしていいはずがありません。
朝は決められた時間に起き、学校や会社に行き、望んでもないのに怒られて、毎日好きなものも食べられず、それでもダラダラと日常を過ごしていくのが当たり前です。
では自由はどこにあるのでしょう。
もっとよく考えてみたりなんかしますと、自分勝手に行動せず自律することも自由意志ですし、そもそも私たち人間は何をするにあたっても選択を強要されているのだと思い至ります。
むかし偉い人が言った「人間は自由の刑に処せられている」とは言い得て妙だと納得してしまいます。
ここまで考えると、じゃあ自由は悲観的なものなのか、という声が聞こえてきそうです。
……実はその答えが本作で提示されていました。
本作で心のつよさと未来への選択をみせてくれたベルはこう述べています。
——-——-——-
「ねえ、アリス。大人になるって、どういうことだと思う?」
(中略)
「わたしは、苦しみを受け入れるってことだと思う。自分の歩く道を自分で選んで、そのリスクや責任を自分1人で背負う。そういうことだと思うんだ」
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これがすべてで、’そういうこと’なんでしょう。
この自由意思への決意は無条件で胸を熱くするなにかがあります。
でもそれはここまでの彼女たちの過程を無視していいということではないのです。
ぜったいに。
素敵な物語をどうもありがとうございました。
西秋
作者からの返信
西秋 進穂さん、コメントありがとうございます!
大人になるとは、一体どういうことなのか?
この問いを考えた時、たぶん多くの人は(少なくとも私は)ネガティブなことを想像すると思います。
『自由に使える時間が減る』『行動に責任が伴う』『自律を迫られる』
それらのことを考えると不安になり、時には逃げ出したくもなりますが、それでも辛さから目を逸らさず、ポジティブに生きていたい。
そんな私の考えを、拙いながらもこの作品に込めました。
至らない部分もあったと思いますが、素敵な物語、と言っていただき嬉しく思います。
それでは、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!