第三話


―4月20日(金) 夕方―


―都内某所 自宅―



その連絡は急だった。


電話でこう言われた。


黒い男『お前の"チカラ"が必要だから手伝え』


―と。


急な事だったが、白の男あの人から少し離れて、意識をリフレッシュする為にも必要かと思い、快諾した。


それに、昨日視た夢の事も気掛かりで、一瞬それが驚きの声として出てしまった。


だが…受けた際に、少し言われた事が気になる。


黒い男『…お前どうした?』


…どういう意味だったのか…? その後直ぐに電話は切られたが、最期に、


黒い男『…シャンとしろよ』


そう言われた。


…何がだろうか?


その時の自分にはその意味が解らなかった。


だがその夜、又も枕元に苦エフが出てきた。


若エフ『来たね! チャンスじゃないか!』


青い男「うるせぇなぁ…何なんだよオマエは…」


そう無愛想且つ排他的に答えると、そんな自分の気も知らず、苦エフは続けた。


若エフ『"チカラ"を手に入れるチャンスだよ…!』


青い男「はァ…? 何を言って…」


流石に二日連続だと苛立ちを覚えた。


だがそんな事も気にせず苦エフは続ける。


若エフ『資料に眼を通してみなよ』


青い男「資料…?」


なんでそんな事まで知ってるんだ?コイツは…


そう思いながら携帯に添付された資料に眼を通してみる。


ある項目に眼が止まり、眼を見開いた。


それは、眠気を飛ばすのに十分だった。


青い男「コレ…!」


苦エフ『ホラね…! 重要だったろぅ?』


その言葉は正直余り聞いていなかった。


だが、今回の狩りで目的が生まれた。


青い男「コレを手に入れれば…!」


後は運だけだ―


その顔には、笑みが生まれていた―



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