超光天使エンゼルピース・最後の戦い

MrR

最終話:エンゼルピース・最後の戦い

 エンゼルピースの大ピンチ。


 全高1000mを超すドン・キョアクザー。

 

 たったの一撃で核兵器並の破壊力を誇る攻撃を行い首都圏は壊滅的なダメージを受ける。


 エンゼルピースも深手を負い、戦闘続行不能。


 もはや打つ手なしかと思われたエンゼルピース。


 そんな少女を助けるために世界中から援軍が集まった。


『航空自衛隊戦闘機隊、ターゲットロックオン!!』


『10式戦車配置についた! 攻撃開始!!』


『特科は観測機の指示に従って砲撃を開始しろ!!』


『イージス艦、イージスシステムフル稼働。目標確認。全火器を使用して敵をたたく』


 先陣を切ったのは自衛隊だ。


『世界の警察アメリカの力を見せてやる!!』


『空母付きの大部隊だ!』


『アメリカに遅れるな!! 我達中国の艦隊の力を見せてやれ!』


『我達ロシアも他国に遅れを取るな!!』


『ヨーロッパ航空混成派遣隊。海軍は遅れて到着する』


『オーストラリア艦隊、現地に到着。支援開始。他の国も続々と来るぞ!!』


 世界中の戦力も続々と集まり、ドン・キョアクザーに攻撃を開始する。

 しかしドン・キョアクザーの攻撃で戦力は一気に激減していく。


『ディエラー軍団スタンバイ!!』


『準備は出来たな!? 突っ込むぞ!!』


 それと入れ替わるように世界各国の50m~100m級の巨大ロボット軍団、ディエラー達が入れ替わりにドン・キョアクザーに攻撃を開始する。

 怪獣と殴り合うためのロボットである。頑丈さは保証済みだ。


『パワーローダー隊も遅れを取るな!!』


 他にも自衛隊がパワードスーツ兵器、パワーローダーを身に纏い、レールガンやレーザー兵器などの超兵器で襲い掛かる。

 パワードスーツとしては破格の防御力を誇り、何気に核融合炉搭載である。

 

『コールサインレイヴン1。交戦開始』


『飛行戦艦ヤマト。攻撃を開始する』


 更には上空には外宇宙テクノロジーを搭載した戦闘機や空中を飛行するイージス艦を改造した飛行船「ヤマト」がレールガンやレーザーやビームなどの兵器をドン・キョアクダーにぶつける。

 

 そして他の世界各国の飛行戦艦もドン・キョアクダーの周辺に展開。

 なぜか第二次大戦の戦艦みたいなデザインだったり先端にドリルついたりしている艦とかもある。


 そこから先は激しい戦いが続いた。


 武装が尽きたら特攻は当たり前。


 ディエラーもとにかく殴って殴って殴り倒して攻撃手段が無くなった気から自爆していく。


 ヤマトも始めとした空中艦達も同じように特攻していった。


『ぐう!? 何故だ!? ただの人間ごときになぜこれほどの力が!?』


 そうした猛攻の前にドン・キョアクザーは膝が折れる。


「これが人間の力なのよ。キョアクザー」


『人間の力?』


 力を使い果たし、変身が溶けたエンゼル ピースの愛崎 穂乃香はキョアクザーに語ります。


「エンゼルピースの力はいらない。皆の願いを集束させて――キョアクザー!! あなたを倒す!!」


 穂乃香はこの場にいる人間の意志。

 世界中にいる人の心を集束させていきます。


 全てが全て清らかな善なる心ではありません。


 中には目を覆いたくなる程の悪の心もあります。


「わかってる。それが人間なんだね」


 力を集束させていく穂乃香。

 相棒の少女、真利はポンと穂乃香の肩に手を置きます。


「私の力も託すわ」


「分かった真利」


 お互い笑みを浮かべる。

 そんな二人にドン・キョアクザーは本気で恐怖を覚えました。

 その力に対してではなくその力を制御することにです。


『そんな馬鹿な――この力は――この力は!! 闘争の輝きでも神の衣でもない!! これは――生命の――神をも揺るがす力!!』


 ドン・キョアクザーは今目の前で起きている事を理解していたようですが二人は構わずに力を高めていきます。


「「はああああああああああああああああああああああああ!!」」


 最大限に高まったその力を解き放ち、ドン・キョアクザーは消滅しました。


 そして世界中は歓喜に包まれ、ドン・キョアクザーがいた場所には全長1000mを越える虹色の巨大な花が残りました。


 エンゼルピースと呼ばれた二人の少女は世界中のどこにも見当たりませんでした。



 数日後。


 国連事務総長は語ります。


「あの日まで世界はエンゼルピースと言う二人の少女の手で守られて来ました。しかし我々が団結すれば今回のようにあらゆる困難を撥ね除ける事が出来るのです。あの二人の少女がやってみせたように。そして平和が訪れた今、我々には平和を守り続ける義務があります。我々が望む平和とはあのドン・キョアクザーとの血栓の地に残った虹色の花のような、様々な色――思想や文化、言語などのあらゆる障害や困難を乗り越え、受け入れ、話し合い、そして一つとなる。それが新たな平和の形であると私は信じています」

 

 そうして世界は平和になりました。 


 めでたしめでたし。

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