今宵もマンションの屋上で
勝利だギューちゃん
第1話
「お前、好きな女、出来たか?」
「・・・いや・・・」
俺は今、高校時代のダチと居酒屋にいる。
ダチは酒を飲んでいるが、俺は下戸なので、ウーロン茶だ。
「まだ、忘れなれないのか?」
「ああ」
グラスにそそられた、ウーロン茶を口に含む。
「早く、いい人見つけた方が、あの子も、喜ぶぞ」
「だといいがな」
あの子というのは、高校時代にお付き合いをしていた彼女。
名前は、葛城理恵(かつらぎ りえ)
最初は、あまり仲が良くなかったが、いつの間にか互いに惹かれあい、
そして、恋人になった。
しかし、運命とは皮肉。
理恵は、昨年の誕生日に、他界した。
「じぁあ、いい人見つけろよ」
ダチと別れて、俺は自宅マンションに戻る。
部屋には入らず、屋上にあがる。
辺りを見て、誰もいない事を確認する。
さてと・・・
「我、榛原隆司(はいばら たかし)
葛城理恵の魂を召喚する。」
辺りが、曇りだし、1人の女性が現れる。
もっとも、魂だけだが・・・
「久しぶりだね。隆司くん、忘れられたのかと思ったよ」
「色々会ってな、そっちはどうだ?」
「楽しくやってるよ。」
「それは、何よりだ」
俺は、霊を呼びよせる力がある。
理恵にも、その力がある。
最初は仲が悪く、すぐに打ち解けたのは、
この共通点があるためだ。
「で、結局死因はなんだっだんだ?」
上記の理由で、家族ぐるみの付き合いをしていた。
今も続いているが、なぜが死因だけは、教えてくれない。
「いえん」
「頼む、教えてくれ」
「だから、言えんではなく、胃炎。つまり、食べ過ぎ」
「食べ過ぎ?」
こけそうになった。
そういや、大食いだったな。
痩せていたけど・・・
「しかし、事故とかでなくて良かったよ」
「ありがとう。で、上から見てたけど・・・」
「何?」
「隆司くんは、少食だね」
「悪かったな」
こんな感じで、今でも恋人関係は続いているのだ。
「ねえ、一度遊びに来なよ、こっちに・・・」
「いいのか?」
「うん。楽しいよ」
「じゃあ、近々行かせてもらうよ」
「じゃあ、またね」
「ああ、また」
こうして、理恵とのデートは終わる。
会話だけだが、満足だ。
さてと・・・
遊びに行く準備をしますか・・・
明日辺りに理恵の家に行き、お願いしよう。
幽体離脱を・・・
今宵もマンションの屋上で 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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