青月島の惨劇 ―埋蔵金をめぐる血塗られた一族の物語―

39 読者への挑戦

　さて、ここに至って、青月島殺人事件の手がかりは出尽くしたと考えられる。しかし、本作が犯人当てに相応しいかどうかは微妙な問題である。多分に想像的な推理を働かせなければならない。したがって、事件全体を正確に把握するにはアンフェアな問題となるだろう。しかし、まずトリックから犯人を推定することが可能であり、また、動機やダイイングメッセージに基づく推理からも犯人の推定が可能となっている。

　そこで、現時点で「読者への挑戦」に似たものを行うこととする。推定可能な問題といえるのは、次の四点と言えるだろう。

　１ 犯人は誰か？

　２ 第一の殺人と第二の殺人のトリックは？

　３ ダイイングメッセージの意味は？

　４ 動機は何だろうか？

　容疑者は島にいる人間、全員と考えて頂きたい。また、今回の事件の最大のポイントは「島内の認識と島外の認識」の違いにあると言えるだろう。この点だけは述べておくこととする。

　それでは、一体、この事件の真相はどんなものなのだろうか？