ほのぼのなヴォルトレ
ヴォルクスは身体の上に何かが乗っかっている重みで目を覚ました。ソファで寝ていたせいで身体がぎしぎしと痛む。視線を自分の身体に向けると、そこにはトレーネが丸くなって寝ていた。
幼い頃と違って腹の上では収まらず、胸の辺りに頭が乗っかっている。成長を感じつつもこのままだと動けないためトレーネの肩を揺らした。
ぴるる、と耳が揺れ、トレーネは瞼を持ち上げる。くあ、と欠伸をして、ヴォルクスのことを見上げた。
「おはよう。」
「おはようございます、お兄様」
「申し訳ないけど、一旦降りてもらっていいかな」
トレーネはこっくり頷いてヴォルクスの上から下りる。ソファから床に足を着け、少し伸びをヴォルクスはした。ごきごきとすごい音がして、ソファで寝たことを後悔する。トレーネは座り直したヴォルクスの隣に座り、その膝に頭を乗せてまた丸くなった。
「眠たいの?」
なでりとその頭を撫でてやりながら尋ねる。トレーネは満足そうな笑顔を見せながら、こっくりと頷いた。
「そっか。なら夕飯の準備する頃まで寝てていいよ。」
ぽんぽんとその肩を撫で寝かしつける。トレーネは本当に眠かったようで、すぐに寝息を立て始めた。
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