第21話 昭和57年・ペットボトル

この年、厚生省が、コーラなどの清涼飲料水の容器にPET(ポリエチレン・テレフタレート=PET)の使用を認可した。外国でペットボトル (PET bottle) と言っても通用しない。英語圏ではplastic bottleが普通である。

ペットボトルの約9割は飲料用容器に利用される。それまでガラス瓶や缶などに入れられていた物の一部がペットボトルに置き換えられたのである。ペットボトルが普及する前のガラス瓶ではデポジット制となっており、購入した酒屋等に返却されて、ほぼ100%のリサイクルが実施されていた。ペットボトルはこのような制度がなく不燃ゴミとして捨てられるので、大きなゴミ問題になって来た。


ペットボトルは、1967年、デュポン社の科学者ナサニエル・ワイエスが炭酸飲料向けプラスチック容器の開発を始め、1973年に特許を取得したものである(凄い特許料や)。わずかな気体透過性がある。そのため、長期間保存した場合、内容物の酸化等があるため酒類には使われていない。現在日本では約53万トンが生産され、35万トンが回収され、約40%が繊維、シートなどに再利用されている。日本ではペットボトルの回収率が世界一であるといわれているが同時に、回収率とリサイクル率のギャップもまた世界一と指摘されている。


ペットボトルに水を入れ、玄関先などに置いておくと野良猫避けになるとの情報が流布した時期があるが、そのご全く効果がないことが立証されている。私は母の家に行った時に、ペットボトルが前栽に林立する異様な光景を目にした。知っていれば忠告してやったのに・・。

ペットボトル症候群と云うのがある。ペットの普及によって、清涼飲料水などを大量に飲み続けることによっておこる急性の糖尿病である。若者よ注意しなさい。

なんだか、あの懐かしいラムネが飲みたくなってきたなぁー。ポンシュシュ~と、空向いて飲めば昭和がやってくる。

今日、資源のリサイクルが重視されるようになったこともあり、ガラス瓶の利点が見直されつつあるという。資源的にみても、珪砂、ソーダ灰、石灰は豊富であり安定しているという。

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