山本ユウ(3)
タクヤくんとの模擬デートは定期的に行われ、毎週末の恒例になりそうだ。
このあいだは近隣のショッピングモールに出向いた。
それは蝉が鳴いていて、アスファルトで目玉焼きを焼けてしまいそうな、猛暑のピークを迎えた日だった。
暑くて喉が渇いて息苦しくなってきたときに、タクヤくんが連れて行ってくれたのはフードコートのマクドナルド。「何味が好き?」と聞かれ、鈍感な私は何のことだか分からず「ストロベリー!?」と反射的に答えた。
数分後、ストロベリーのマックシェイクが差し出される。
「あ、ありがとう!」
こんなとき他に何て言うのが正解か分からなくて、ありがとうと言うのが精一杯だった。
冷たいマックシェイクのおかげで喉は潤い、身体も涼しくなったけれど、心は一段と温かくなった。
そして修学旅行用の服を買うのを手伝ってもらった。タクヤくんも私と同じように服に無頓着らしく、何を見せても「いいんじゃない?」と言った。面白かった。
帰り際に、来週末は市内で心理学のセミナーが開かれる予定で、それに参加するためにデートはお休みしたいという旨を伝えると、タクヤくんは快諾してくれた。
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