中重タクヤ(5)
緊張の果てに終わったデートだが、なかなか悪くなかった。ユウが緊張しているなりに髪を編んだり、デートらしい振る舞いをしてきたのが可愛かった。
映画は原作が尊敬する作家だったというのもあって面白かったし、途中、ユウの知り合いの男子とすれ違った時はユウの隣にいられる事がなんだか誇らしかった。プリクラも初体験だったけど、今時の女子高校生はこうゆうのが好きなのか、と勉強になった。
次のデートもこのぐらい暑かったら、マックシェイクを奢ってあげたいなと思った。
そして今日の出来事は思い出せる細かい展までしっかりノートに書き留めた。ネタ帳ではなくて、本格的に物語を作る用のノートに。
同じ高校生でも、女の子とデート という今日みたいな日を毎日のように、ずっと前から経験している人がいるのか、と思うと青春時代に乗り遅れているかのようで少し心が苦しかった。
今回のデートは、僕がデートをしてみたいと言っただけで、ユウが一生懸命にネットで調べて、高校生らしさを求めて組んでくれたデートプランだった。今度は俺が、考えて楽しませてあげたい。
クラスでは何事もないように前後の席で過ごす俺とユウ。週末の大事も、他の人は誰も知らないんだなぁと思うと不思議な感じがした。
ところがそんな関係も長くは続かない。
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