第7話

「それでは、お休みなさいませ。」

パーティーが終わり、家に帰ってからは梓と藤井は会話をしなかった。

いつもするくだらない話も、何も。

特に梓は、藤井が何を考えているのかが分からなかった。

執事として、お嬢様として、互いに気持ちを隠してきたつもりだったが

最近はどうも気持ちの制御が上手くできない。

モヤモヤしたものを抱えながら、梓は目を閉じた。


「お嬢様、朝でございます。」

いつも通りの朝。

朝起きたら何かが変わるかもしれないと願っていた梓だったが、そう上手くはいかなかった。


「行ってらっしゃいませ。」

朝食を食べて洋服を着替えて、髪を整えて見送られる。

何一つ違和感のない朝だった。違和感がなさすぎる朝に腹を立てている梓もいた。




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