第6話
聞き覚えのある声に振り向くと
「やっぱり梓さんだ!」
とシャンパングラスをもって笑顔で駆け寄ってくる男性がいた。
「あ、秋重さん」
秋重 大輝さん。笑顔がよくにあう好青年という感じだ。
他の人からの評判もとてもいい。
「秋重様、お久しぶりでございます。」
「2人とも久しぶり!来てたんだね」
秋重家は柏原家よりも有名であり名門。
それに次期当主の大輝は真面目で明るい性格から他の財閥のお嬢様が目をギラつかせて狙っている。
「いつもいらっしゃらないからてっきり今日もいらっしゃらないかと」
「たまにはこういうのもいいかなぁ〜と思って」
どんなときも笑顔を絶やさない。本当に素晴らしい人だと梓も思う。
「それに、」
大輝が梓の耳元へ口を寄せる。
「梓さんに会いたくて」
少し照れくさそうに言う姿はとても可愛らしい。
梓もつられて少し、照れくさくなった。
「あ、明日時間ある?」
「明日、ですか?」
「デート、したいなぁって思うんだけど」
“ デート ” という言い方も梓と大輝の間では自然なことだった。
「明日のご予定は特にございません。」
藤井が手帳を見て確認すると大輝はより一層、嬉しそうにした。
「じゃあ決まり!明日10時にいつもの場所で」
そう言って大輝は行ってしまった。
梓と大輝、この2人はお見合いで決まった許嫁。
いづれは結婚する、運命だった。
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