冒頭からラストまで、私の脳内でずっと美しい映像で再現され、読後は良い短編映画を一気に見終わったようでした。厨二テイストとか熱い展開が大好きな方には特にお勧めします。
悲しい過去を持った聖剣が、一人の使い手と出会うまでの話です。正反対の性格をしている二人だからこそ、互いの個性がしっかりとあらわれている作品です。途中でちょっとした最低な野郎が出てきますが、最後にはハッピーエンドです。二人の未来の旅路を想像したくなるような話でした。
本作タイトルの「お前」が、ダブルミーニングであると気づきながらレビューを書いています。どういうことかは読めばわかると思います。聖剣と、聖剣の元使い手と、たまたま通りがかった剣士とが織りなす物語。「自分の気持ちをはっきり伝えること」って、自分の人生を生きる第一歩なんだなあと、改めて。コミカルな文体と愚直でかっこいい剣士さんにメロメロです!