作中登場魔法③ ―エピローグまで

 作中に登場した魔法、三章~五章の紹介です。これでラストになります。では早速行きましょう。



○レニカ・フルニア 我が意のままに

 禁忌の魔法の一つ。レニカは「魂に対して」、フルニアは「我が意のままに」の意味。

 対象となる人の魂を操り、意のままに操る。作中でも言われている通り、魂を激しく揺れ動かすことで拷問に使用することもあった。

 また、意志を操ることで、魔法発動者の意のままに人を操ることができる。ただ、このためにはもう一つの禁忌であるケニ・フルニアが必要である。

 魂と体、それぞれのものを操ることで、完全に対象を意のままに操ることが可能になる。

 つまり、対象を操るには二つの魔法を同時に操ることが必要であり、魂力こんりきの強い人物や経験の長い魔法使いにしか不可能である。

 使用する魂力もかなり多い。魔物や動物に使用する場合は、単純な命令しか理解されないため、魂力の使用量も少なめである。


○ケニ・ゼビエ 我が身を閉ざせ

 詠唱者の体を見えなくする魔法。つまり、某魔法小説でいう透明マ……何でもない。

 ケニは「体に対して」、ゼビエは「隠せ」の意味。

 こういう魔法もあったらおもしろいと思ったので、登場させてみた。


○ゴルガ・ゼギ 解除せよ

 ゴルガは「崩せ」、ゼギ「解除せよ」の意味。

 他人が詠唱した魔法を解除する魔法。自分が詠唱した魔法は、ゼギのみで解除可能。



○テナ・ドネ 痺れろ

 攻撃魔法の一つ。テナは「攻撃的指令」ドネは「雷よ」の意味。電撃を作り出す。



○ゴルガ・レニカ・ゼギ 汝の魂力を留めよ

 示言は説明済み。

 対象の魔法を封じる魔法。正しくは、本文中で書いたように、対象が体の外に魂力を導き出すのを封じる魔法。

 そのため解除するには、別の人による解除の魔法、ゴルガ・ゼギが必要である。


○クロノトル・バニカ 燃え尽きよ

 クロノトルは「攻撃的指令・限界を超えよ」、バニカは「炎よ」の意味。上位の火の魔法。


○クロノトル・ヒル 清め流せ

 ヒルは「流れよ」の意味。上位の水の魔法。


○テナ・ゼノジュイ 貫け、剣舞よ

 ゼノジュイは「剣を生み出せ」の意味。

 魂力によって作り出された刃のみの剣を複数召喚して、攻撃する魔法。炎や風を扱う魔法よりも、攻撃に特化した魔法と言える。

 ちなみに作者が一番好きな魔法。いや、かっこよくないですか、剣を召喚するんですよ? それで、剣が自分の意志のままに飛んでいく。うん、カッコいい。


○テナ・ゴルガニトス 破壊せよ

 ゴルガニトスは「破壊せよ」の意味。

 対象を破壊する魔法。作中では、建物を壊すことなどに使用している。


○レニカ・ゴルゼ

 ゴルゼはガとギの示言が組み合わさったもの。令言が存在しない古魔法の一つであり、禁忌の魔法の一つ。

 通称『魂喰たまはみ』と呼ばれる魔法。

 対象となる魂を破壊し、それによって生まれる魂力を魔法発動者の魂に取り込む。文字通りの魔法。つまり、人を肉体的に殺すのではなく、人の魂を殺す魔法。ただ、魂のない肉体はやがては死に至る運命にあるため、結果としては同じとも言える。

 また魂の無くなった体に、自らの魂を移すことで長く生きることが可能になる。

 作中で言われるように、魂喰を続けるほどその魂は強い力を得るが、やがて強すぎた魂力が、魂を内側から傷つけ始め、魂を壊し始める。

 つまり、長く生きることができるだけであり、永遠の生を可能とする魔法ではない。


○レニカ・ルーネ

 ルーネは「切り取れ」の意味。

 こちらも令言がない。そのため古魔法と思われる。魂の記憶を切り取り、体に残るための魔法。その用途から考えるに、古代では、この魔法を使うことで次の世代に、前代の知識を残していたのかもしれない。

 これにより、ミササギはオルドが二百年の間抱いてきた魔法の知識を手にすることができ、フルメンとも互角に渡り合うことができた。


○クロノトル・シスナ 吹き荒れよ

 シスナは「風よ」の意味。上位の風魔法。


○テナ・ギヤジュイ 降り注げ、槍雨やりさめ

 ギヤジュイは「槍を生み出せ」の意味。

 こちらは、魂力でできた槍を指定の範囲に降り注ぐ魔法。個人的には剣を召喚する方がカッコよくて好き。


○ノル・ラケニ・アランス 時を留めよ

 ノルは「周囲に対して」、ラケニは「体と魂に対して、物に対して」、アランスは「遅めよ」の意味。

 対象となるもの、空間の時を遅くする上位の魔法。使うにはそれなりの技量がいる。こういう魔法もあると面白いので作中で出してみた(二回目)。


○ゲレセニカ・ガイカ 無崩むほうの守りよ


 ゲレセニカは「防御的指令・限界を超えよ」ガイカは「壁をつくれ」の意味。

 作中では二回、共にミササギが使用。二回目では、フルメンの魔法によって壊れかかった。そのため、無崩じゃないじゃん、と作者は書きながら突っ込んだが、フルメンの魔法の強さがわかるのでそれはそれで良しとした。

 それならなぜ示言を変えなかったのかというと、「無崩の守りよ」ってカッコい(以下略)。


○クロノゴルガ・ノルガニトス 全てを破壊尽くせ

 クロノゴルガはトルと、ノルガニトスはとゴルガの複合した示言。

 複数の示言を組み合わせていることから、おそらくフルメンの作った魔法だと思われる。

 効果は作中の通り、広範囲の対象に破壊の力を加える。使う魂力も凄まじいものと思われる。フルメンは自らの中に残る魂力全てをこの魔法に費やして消えた。


○ゲレセニカ・ソロガイクラタ 現状を打破せよ

 ソロガイクラタはル「癒しよ」カ、「示せ」を組み合わせたもの。

 デアが作った魔法だと思われる。法陣はミササギとセセラギの魂に刻まれており、彼らの魂を常に外部から守っている。そのため、二人の魂は感知ができない。ミササギが言うように、魂喰も効かない。このことから、おそらく魂喰に唯一対抗できる魔法と思われる。

 二人が同じ場所にいる時に、専用の示言と令言を唱えることで、魂を守る魔法とは違う別の魔法が発動し、それがこの魔法になる。

 ゲレセニカ・ソロガイクラタの意味は合わせて「防御的指令、限界を超えるほどの癒しと守りを我に示せ」であり、令言と同じような意味になっている。







 なお、ミササギが作った人を殺すための魔法があると本文中では言及しており、実際に設定上では作りましたが、ミササギは自らの罪として秘しているために、私も頭の中にこの魔法を秘めておくことにします。


 以上、これでそれ以外の全ての魔法を載せたはずです。読んで下さった方ありがとうございました。

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