作中登場魔法② ―第二章まで

 作中登場魔法の紹介、第二回になります。ちなみに、前回の紹介では項目から抜けていた魔法が後になって見つかるという事件が起こったので(修正済み)、今回も抜けている項目があるかもしれません……。細心の注意を払って書いたので、おそらく大丈夫なはずです。

 なお、ここからは基本として、初登場した魔法のみ紹介していきます。示言しげん令言れいげんについての説明を省きますのでご了承下さい。




○ラケニ・ガピ 開け

 前回の作中登場魔法で紹介した魔法であるが、その時は転移の魔法として紹介した。今回は解錠の魔法として紹介する。

 というのも、この魔法は令言を変えることでその効果を変えることができる。「転移せよ」なら転移の効果、「開け」なら解錠の魔法というふうに。

 ラケニは「魂と体に対して、物に対して」ガピは「動け」を意味する示言であり、基本的に、物体を動かすための魔法であるために起こる特徴であり、このような魔法は珍しい例である。

 令言を変えればいいため、汎用性の高い魔法と言える。


○ラケニ・ガピ・モルスフルニア

モルスの名の下に我が意に応えよ。禁じられし書庫、開きたまえ。


 ラケニとガピは説明済み。モルスはそのままモルスの意味で、フルニアは「我が意のままに」を意味する示言。

 魔法禁書庫を開けるための専用の魔法であり、モルスと次期モルス以外は知らない魔法。法陣も他のものと比べて特殊であると思われる。


○テナ・シスナ 切り吹け

 テナは「攻撃的指令」、シスナは「風よ」の意味。刃のように空気を切る風を作り出す魔法。おそらくだが、作中で最も使用された攻撃魔法。


○テナ・ヒル 流れよ

 ヒルは「流れよ」の意味。令言と一緒だが、別に作者が手を抜いたというわけではない。

 何もないところに水を作り出す。


○テナ・ヌナス 凍りつけ

 作中では令言のみ登場。ヌナスは「凍れ」の意味。

 対象を凍らせることができる。つまり、液体以外の物体も凍らせることができるが、時間経過によって溶けることから免れることはできない。


○ケニ・ソロラウル 治せ

 上位にあたる治癒の魔法。ケニは「体に対して」ソロラウルは「治せ」の意味。

 前回説明したケニ・ソロルが痛みをとどめるだけに対して、この魔法は対象の場所の傷を治すことができる。

 専門的な知識があるほど治すべき細かな場所が理解できるために、専門的な知識がない場合、完全に傷を治すことは難しい。

 また大きな怪我になると、さすがにこの魔法でも対処しきれない場合がある。


○ケニ・フルール 眠りよ

 フルールは「眠れ」の意味。対象を強制的に眠らせる魔法。


○テナ・ダイン 突き刺せ

 ダインは「大地よ」の意味。

 作中では「突き刺せ」の通り、土の針を作り出したが、おそらく令言を変えれば多少の応用は効くと思われる。例えば、逆に地面を陥没させるとか。


○ノル・ラケニ・シーシエ 元に帰れ

 ノルは「周囲に対して」ラケニは前述済み、シーシエは「帰れ」の意味。

 壊されたり荒れたりした対象に対して使用する。ただし、直すには魔法詠唱者が壊れる前の状況を知っておく必要があり、詠唱者の記憶を元にして状況を戻すと考えた方がいい。

 なお、作中では触れていないが、魔物によって壊れた城壁もこれで直したと思われる。ただ、石組みに関して知識がなければ元のようには直せないため、建築と魔法の知識を持った技術者が必要になるということである。

 つまり、ミササギは城壁を完全には直せないということになる。


○「レニカ・シスナ、汝らを送る清き風を送り、レニカ・バニカ、汝らを見届ける清き火を捧げよう。

 レニカ・ソロライカ・フルール、汝らに思いをはせ、汝らの魂が永久とこしえに安らぐことを約し、汝らの意志を守り、受け継ぐことを誓おう。

 この世を去りし御魂みたまよ、どうか我らのことを天の彼方より見守り下され。我らも汝らのことを、この魂の内に抱いていよう。

 汝らの魂が安からんことを、我が魂より伏して願う。レニカ・ソローレ、レニカ・ソローレ」


 ……長い。『御魂送りの儀』においてのみ使用されるものであり、原初に近い魔法。魔法よりもどちらかというと祈りの言葉に近い。

 レニカは「魂に対して」の意味、シスナは上記と同じ、バニカは「炎よ」の意味。

 ソロライカは複数の示言を組み合わさて作られた示言で、ソロライカはウル「治せ」とガ「壁を作れ」が組み合わさってできている。フルールは上記の通り「眠りよ」の意。

 合わせて、レニカ・ソロライカ・フルールで「魂に対して慰めと守り、安らかな眠りを祈る」の意味と思われる。……多分。最後のソローレは「安らぎを」という意味である。

 つまりこの魔法の言葉全体で、示言の内容がそのまま令言に表れているということになり、実際使用した時には、魂を送るための風と炎が発動した。その点では、この一連の言葉は魔法と言える。

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