人気者を目指すのだ!!

第6話!! ここはどこなのだ!?



「う…」


 アライさんは目を開けたのだ。

 なんだか頭がまだぼーっとしているのだ。

 ここはどこなのだ?

 周り見たところ森のようだが、よくわからないのだ。


 考えても仕方ないと思ったアライさんは、木にもたれかかった体を起こして、立ち上がったのだ。

 そして立って伸びをしたのだ。

 なんだかいつもより体が軽い気がするのだ。


「ここはいったいどこなのだ?」


 アライさんはもう一回周りを見渡したのだ。

 アライさんが住んでいるしんりんちほーに雰囲気が似ていたけど、よく見ると生えている植物がぜんぜん違うのだ。

 ていうか、知っている草や木が一つもないのだ。

 どういうことなのだ?アライさんは頭がおかしくなってしまったのか!?

 えーと、昨日はゆうえんちに行って、しんりんちほーまで帰ってきて、そのまま寝てしまったはずなのだ。大丈夫そうなのだ。記憶はちゃんとありそうなのだ。

 じゃあ別のしんりんちほーに間違えてきてしまったのか?

 いやそれはないのだ。しんりんちほーは一つしかないなのだ。

 それとも誰かに連れてこられたとか?アライさんを?どうして?

 ……まあいいのだ。、とりあえず歩きながらのだ。

 だからアライさんは川がありそうなところに向かって歩き始めたのだ。

 なぜ川に向かったかというと、のどが渇いていたからなのだ。

 お腹もすいていたし、ボスや他のフレンズがいればいいなと期待を込めつつ向かったのだ。


 ~~~


 アライさんは当初の目論見通りに小さな川にたどり着いたのだ。

 水はとってもきれいで、きらきらとしたお魚が泳いでいたのだ。

 というわけで、アライさんは飲める水と判断したのだ。

 さっそく飲むのだ。


「ごく、ごく、ごく」


 ぷはぁー!おいしいお水を飲むと生き返るのだ!

 このさき何が起こるのかわからないし、ここで飲めるだけ飲んでおいた方がいい気がするのだ。


「ごく、ごく、ごく」


 アライさんがとってもおいしい水を飲んでいると、いいことを思いついたのだ。

 それはもちろんこの先の目的地についてのことなのだ。

 ズバリ、この川を下っていくのがいいと思うのだ。

 だって、おいしい水の近くは、フレンズがたくさん集まるはずなのだ。

 みずべで生きてるフレンズも大勢いるし、そのうちだれかしらに会えるはずなのだ。会ったら道を聞けば問題ないのだ。

 そうと決まれば、前進あるのみ!なのだ。


 ガサガサガサ……

「なんなのだ!?」


 アライさんが下流に足を向けたそのとき、向こう岸にあった草むらがガサガサと揺れはじめたのだ!一体何なのだ?


 ガサッ


 草むらから顔を出したのは、一つ目の生き物?だったのだ。

 そいつは円筒形の体をしていて、妙な光沢がある硬そうな青い殻に覆われていたのだ。その殻の隙間から覗く大きな目には光がなかったのだ。


「お、お前!!セルリアンか!?」


 アライさんはとっさに身構えたのだ。

 でもそいつはアライさんをじっと見ているだけだったのだ。

 アライさんは怖くなってしまって、その場から動けなくなってしまったのだ。

 すると、そいつの目が妖しく輝きだしたのだ。


「ひっ」


 アライさんは逃げようとしたのだのだ。

 でも、遅かったのだ。

 アライさんの体はピクリとも動かなくなってしまったのだ。


「ふぇ?!に、逃げられないのだ......」


 そいつはまだアライさんを見つめてくるのだ。

 こんどは大きな目が妖しく光ったのだ。


「わあっ」


 アライさんの体が急に動き出して、川の近くに膝立ちで座りはじめたのだ。

 でもそれはアライさんの意志ではないのだ。

 早く下流に行きたいのに、アライさんは何をしているのだ!?


「ふぇっ」


 また、そいつの目が光ったのだ。

 今度は体が勝手に動き出して、川の水に顔を入れてしまったのだ。

 なんなのだ!?い、息が、できない!おぼれるのだ!

 嫌なのだ!こんなところで死にたくないのだ!!

 アライさんはもがこうとしたけど、体が全く言うことを聞かなかったのだ。

 だから、川の水を飲んでしまったのだ。


「ぷはっ」


 急に息ができるようになったのだ。

 た、助かったのか!よかったのだ~。

 アライさんはぜえぜえと息をしながら、胸をなでおろしたのだ。

 ほっとしたのもつかの間。目の前にはまだ、青い殻をもつセルリアンがいたのだ。 そして、そいつの目がまた光ったのだ。


「わあ!!」


 ジャボンと音がしたのだ。

 アライさんはまた、不思議な力で顔を水に沈められてしまったのだ。

 また、息ができないのだ。苦しいのだ。

 うう、また水を飲んでしまうのだ…

 ゴクリと水が喉を通るのだ。

 頭が上がって、息ができるようになったのだ。


「ぷはぁ」


 相変わらず青いセルリアンがいるのだ。

 そしてそいつの目が光るのだ。

 アライさんは水の中に顔を入れられるのだ。

 もがこうとするけど、水を飲んでしまうのだ。

 そしたら、息ができるようになったのだ。


 目の前のセルリアンが考えていることが全然わからないのだ。一体何なのだ?


 そう思っている内にまたやつの目が光ったのだ。

 やはりアライさんは水の中に入れられたのだ。

 そしてアライさんは水を飲むのだ。

 頭が上がるのだ。


 目の前にセルリアンがいるのだ。

 そいつの目が光るのだ。

 水につかるのだ。

 水を飲むのだ。

 頭が上がるのだ。


 いるのだ。

 光るのだ。

 つかるのだ。

 飲むのだ。

 上がるのだ。


 ……………

 ……………


 ……もう、お腹がタプタプなのだ。

 はっ。もしかして、こいつは水を飲ませるのが目的なのか?


 考えるまもなく、やつの目が光るのだ。

 アライさんは顔を水につけるのだ。

 そうだ、ここで息を止めてみるのだ。

 ……頭が上がらない。やっぱりなのだ。

 水を飲むのだ。

 頭が上がるのだ。


 アライさんは肩で息をしながら目の前のセルリアンをにらみつけたのだ。

 そいつは気にせず目が光らせたのだ。

 アライさんの顔がまた水につかるのだ。

 でも今度は大丈夫なのだ。

 コイツの目的はアライさんに水を飲ませること。つまりアライさんが水を飲まなければいいってことなのだ。

 そう思って、顔を水につけてたけど、だんだん息が苦しくなってきたのだ。

 だ、ダメなのだ。水を飲んで、呼吸をしないと。

 ごくりと水が喉を通るのだ。

 アライさんの顔が上がるのだ。


 まずいのだ。水を飲まないと、息をさせてくれないみたいなのだ。


〜〜〜〜


 そろそろツライのだ……

 いくらおいしい水とはいえ、こんなに飲んでしまっては、お腹が爆発してしまうのだ。

 セルリアンの目が光るのだ。

 アライさんの頭は、また勝手に水面に近づいていくのだ。

 何度も見た光景。水が迫ってくるのだ。

 もう……もうイヤなのだー!!


「火の術!!」


 そのとき、何かの掛け声とともに、急にボウッという音がしたのだ。

 なんなのだ?

 アライさんが混乱していると、いきなり体の自由が利くようになったのだ。


「わあ!!」


 アライさんは急に動くようになった体にびっくりして、そのまま川の中に頭から突っ込んでしまったのだ。



 ~~~~



「ヘクショイ!」

「大丈夫ですか?」


 アライさんの濡れた体をそいつはいたわってくれたのだ。


「今、火を起こしますね。火の術!」


 また、ボウっという音がして、そこに落ちていた枯れ木に火が付いたのだ。

 何が起こっているのかはわからないけど、とにかく火が付いたのだ。

 さっきの青いセルリアンも、この魔法みたいなので追っ払ってくれたのだ。


「ほら、もっと近くに寄って、服を乾かしてください」

「ありがとなのだ」


 そいつに言われた通りアライさんは火に当たったのだ。

 アライさんはどうやらこのフレンズに助けられたみたいなのだ。

 でもこいつは今までみたフレンズとは全然違うのだ。

 しっぽもおみみもない、謎のフレンズなのだ。赤いマントを羽織っていて、黒くて硬そうな服を着ているのだ。しかもその服の上には、きんぴかに光るへんな模様があったのだ。声も今まで聴いたどのフレンズのものより低いのだ。腕も足も太いし、全く変な奴なのだ。

……でもどこかで見たような気がするのだ。何なのだこの違和感は。

 アライさんがちょっと不思議そうな顔をしているのに気づいたのか、そいつは自己紹介を始めたのだ。


「ああ。申し遅れました。僕はケンジ。賢者のケンジって言います」

「なるほどケンジか。よろしくなのだ。アライさんはアライさんなのだ」


 アライさんも自己紹介をしたのだ。

 そしたらケンジは続けざまによくわからないことを言いだしてたのだ。


「なるほどアライさんと言うのですか……あの、僕と結婚してくれませんか?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る