第5話 ブラックバレッタ
大通りに位置する、とある喫茶店。店内は落ち着きのある、レトロな雰囲気で懐かしさを感じる。
その窓側のテーブル席でリボードはコーヒーを飲んでいた。
「それで、今回の品は既に届いてます?昨日配送したんですけど。」
リボードが自分の反対側に座る人物の方を見た。
「うん。たしかに受け取ったよ。代金は振り込んでおくね。」
長いクリーム色の髪を持つ少女が笑った。落ち着いた控えめな笑みだ。
その隣には白髪の男も座っていて、すぐに端末を取り出し何か操作をいくつか繰り返した。
「グレイ、振込手続きを……。」
「もうできています、45万8000円。たしかに。」
リボードが携帯端末を取り出し、講座を確認した。たしかにちょっきし振り込まれていた。
少女はありがとうと、男に礼を伝えた。
品物の中身はアンティークのショットガン。
約150年前のものだ。レトロでありながら、最新の弾丸を入れて実際に打つことも可能であった。状態もかなりいいものだった。
今回はなかなか探すのに苦労したが、こうして喜んで貰えるならリボードはそれでよかった。
銃自身も大切にしてもらった方がいいだろう。こんな女の子が随分と大人びた趣味をしていると思うのと同時にいい主人になるだろうともリボードは感じていた。
「それで、雨夜さん。」
リボードが名前を呼んだ。名前を呼ばれた少女は男と何か話していたが、すぐにこちらを振り返った。
黒丸雨夜。
それが少女の名前だった。
雨夜は一口、自分の紅茶を飲んだ。
頼んだのはこの店のオリジナルブレンドだ。強く沸き立つ香りが特徴である。
「はい。なに?」
雨夜はクリーム色の髪をかきあげた。彼女の癖だ。
「今回こうして呼んだのはこのアンティーク銃のことだけじゃないですよね?」
リボードが尋ねると、雨夜が頷いた。
雨夜が隣の男に視線を送ると、男はすぐに懐から1枚の封筒を取り出した。
その封筒を開けて、中に入っていた紙をリボードの前に差し出した。
「雨夜様…………というよりは、どっちかというと俺たちからの要件です。」
リボードが紙に書かれた中身をさっと読んだ。いくつかの銃の名前や弾薬などと共に数字が書き込まれていた。
「ふむ…………。かなりの代物だな。」
銃の名前はどれも民間では一般販売してないような軍の旧式機関銃や、最新の技術を使用した金属探知機にかからない重機。それに加えて貫通弾もあった。
「まあ、言わなくてもわかるとは思いますけど…………。」
「『注文』…………ってことですよね。」
リボードが紙をぴらぴらとさせると、男か頷いた。
「にしても、数が多いですね。なんですか?またドンパチするんですか?」
「もしかしたら近くそうなるかも。」
雨夜が二人の話に入ってきた。
現に彼女にも関係のある話だ。
アウトシティには裏社会を取り仕切る組織が大きく三つ存在している。
一つは鵜丸と雷のところ『京極』。
そして、二つ目が『ブラックバレッタ』であった。この組織の成り立ちは他よりは新しく、つい20年ほどのことであった。
黒丸雨夜はその『ブラックバレッタ』を取り仕切る、ブラックバレッタ初代ボスの黒丸八櫛の一人娘だった。
そして白髪の男、グレイことグレネード・ランサーはそのファミリーの一人であって雨夜の付き人をしていた。
「最近ブースト薬のルート規制がきつくなりましてね。イヌがそこら中に嗅ぎ回っているわけで、どももかしこもルートを血眼になって探しているんですよ。しまいにはルートを巡っての抗争なんかも起こってます。」
グレイがコーヒーに口を付けた。一口飲むなり、すぐに口を離して首を傾げて「豆変わったかな……」と、呟いた。
「それでうちのところでもちょっとしたいざこざがあったんだよ、2件。ルートを略奪しようとしてきたファミリーがあってね。」
雨夜は飲み物と共に出された豆のお菓子をぽりぽりと啄んでいだ。雨夜はこれが好物らしく、自分のがなくなるとちょうだいと、グレイのを貰って食べ始めた。
「まあ、難なく終わりましたけどね。けど、あんなのが頻繁に続くようならやはり、なにかしらの備えは必要でしょう。」
グレイは困ったように微笑した。抗争が立て続けに起こればそれだけファミリーの負担になる。
「………にしては、装備がなかなかじゃありません?車両追尾付きのロケランって、普通は装甲車相手につかうもんですけど。」
こんなものその辺りで放とうものなら、車どころか確実に何件かの店は吹きとぶだろう。
「戦闘くらい派手に吹っ飛ばしたいんですよ。その方が華がある。」
平然とグレイはそう言うと、コーヒーを啜った。落ち着いていて紳士のような雰囲気の人間の口からこんなことが飛び出すとは誰も思わないだろう。
「それに、もう戦車は許可は厳しいですけど民間でも一応持てますし、最近はどういう経路で入手したのか裏で装甲車パーツを普通車両に取り付けたりして改造したものが流行っているのですよ。生ぬるいグレネードやロケランなんかじゃ太刀打ちできません。」
「はぁ………たしかにそれはそうですな。」
戦車が民間でも持てるようになった背景には、謎の生命体『クロウ』の急激増加が原因である。
政府だけではただでさえテロなどの増加もあるのに、それも全て対応していれば破産も有り得るくらいに増加しているのだ。
そこで政府は重機や装甲車などの規制を大幅に緩和して、警備会社でも戦車などを所有することを可能にしたわけであった。
リボードは腕を組んで唸った。
正直このリストにあるものの大半はルートに出回っているかどうかも怪しいものだ。
運良く見つけられたとしてもなにかしらの不備があったり、とんでもない額であるのを覚悟しなければならない。
「そうとう値段は張るし…………もし見つかったとしても欠陥品だったりするかもしれないですけど……。」
「問題ないです。どうせ多少いじるので。」
「じゃあ、また細かい話なんかは店かそちらでしましょうか。書類とか今日はないんで。」
リボードは自分のアイスティーに手をつけながら、使えそうなルートを洗いざらい思い出していった。
軍の横流しといったらやはり元軍人や政府の人間なんかに頼るべきなのだろうか。一応コネはあるといってもそんなに頻繁に取引をする仲でもないので少々判断しかねる。
こういう仕事は何よりも信頼が重要になってくるのだった。
リボードは最近白髪を見るようになってきた自分の頭をぽりぽりと掻いた。結構歳にはなってきたし大掛かりなことはできない。
「…………うーん。今考えてるだけでそうとうハードなんですけど、グレイさん。あんた多少はルート知らな、い………?」
ふと、グレイの視線に気づいた。
リボードの話は聞いておらず、窓の外の何かをじっと見ていた。
ただぼうっと景色を眺めているようではなく、何かを感じ取りじっと息を潜めて観察しているようであった。
「どうしたの?」
雨夜がグレイに尋ねた。
「…………さい…。」
小さくグレイが何かを呟いた。
「え?」
「伏せてください。」
その時には無数の銃声と共に目の前の窓ガラスが派手な音を立てて砕け散っていた。
リボードは自衛して、雨夜はグレイが縦になったことでガラス片の雨から免れた。
ガラスはリボード達がいる座席の部分だけに及ばず、次から次へと放たれる銃弾がガラスを破壊していき、その度に客の悲鳴が響いた。
とうとう通りに面した窓は全て完全に割れて店は吹きさらしとなってしまった。
ガラスはなくなったものの、未だに玉は打ち込まれ続けていた。
「うおっと。」
リボードのすぐ横を銃弾が飛んでいき、他の机の金属製の脚に命中してカァン、と甲高い音を奏でた。
三人は咄嗟に机を倒して盾にしてその場に身を潜める。他の客も逃げるか物陰に身を隠していた。自分たちが弾丸が放たれた場所から一番近いようである。
「なんでこんな街中でフルオートなんかがぶっぱなされるんだ?」
「そんな愚問を今更。この街では日常ではありませんか。まさかあなたがアレを売ったんじゃありませんよね?」
グレイのとおり、その可能性は無きにしも非ずなので、リボードは机の影から少し身を乗り出して外の様子を伺った。
店の前に何台かの黒塗りの車が止まっていた。その車には青い、鷲か鷹かは知らないが鳥を模したマークが描かれていた。
その車のすぐそばや上に銃を持った人影が何人もいた。顔は小さくてハッキリとはしないが恐らく少なくともリボードの知り合いではなさそうであった。
リボードはすぐに机の影に引っ込んだ。
「違いますね。あんな安直すぎる鳥のマークも見たことないです。」
「鳥のマーク?」
それに二人が反応した。それと共に追加の銃弾が放たれる。
「出てこい!!そこにいるのはわかってんだぞ!ランサー!!」
「黒丸のガキもいるんだろ!来ねぇなら蜂の巣にすんぞ!!」
こちらまで聞こえるほどの怒号だ。ちゃっかりとグレイと雨夜を指名している。
「心あたりは?」
「勿論。あいつらは『ウィングズ』です。」
グレイの口から出たのはリボードが初めて聞くファミリーの名前だった。
意味は翼か。思っていた通り、マークから連想できる安直なものだった。
「この前、京極によってボスが豚箱行きになった『レッドホークス』みたいなチンピラ集団だよ。うちのルート乗っ取ろうと喧嘩ふっかけてきたのもここね。」
雨夜が平然とリボードに説明する。この状況で彼女は怯えた様子もない。
むしろたまにちらちらと様子を伺っている。
リボードはグレイに尋ねた。
「そうとうお怒りですけど………なにかしました?」
「いやぁ、前の抗争でボスとその息子をロケランで吹っ飛ばしたくらいですけど。」
グレイはくすりと笑った。だいぶ嘲笑の色が強い。
「絶対それじゃん……………。」
「ウィングス自体は解散しちゃったみたいなんだけど残党がまだいたみたいだね。」
雨夜がちらちらと物陰から様子を伺った。銃声は止んだものの、未だに背後から罵声や怒号は聞こえてくる。
「数は?」
「パッと見て………車3台。人七、八ってとこかな?」
「どうしましょう?このまま車のまで走って逃げることも一応可能ではありますけど?そんなに遠くには停めてないので。」
グレイが提案するも、雨夜は首を横に振った。
「いや、原因作ったのはそっちなのにまたこうやってまたキャンキャン吠えてこられるのはうざいわ。ちょっとだけ遊んであげようよ。」
ふと、雨夜のすぐ隣の空間に黒い穴が開いた。雨夜はその中に手を入れてガサゴソとしばらく漁ると、あるものを取り出した。
雨夜はそれをいくつか取り出し、そのうちの1つをグレイに渡した。雨夜とグレイはそれについているピンを引き抜き、躊躇なくそれを残党たちに向かって投げた。
投げられたスモークグレネードが弾け、もくもくと煙をたてて残党たちの視界を真っ白にして奪った。
「くそっ!!なんだこれ!!」
「ゲホッ!!あのやろっ………」
咳き込みながら、煙を搔き分けるもそんなものでは煙は収まらない。晴れるまで待つしかないのだ。
煙により、あの二人を見失ってしまう。彼らは恐らくこれを使って逃げるつもりなのだろうと推測した。
煙が晴れてくるなり、残党たちは雨夜とグレイの姿を慌てて探した。
だが、思ったよりもその人物はすぐに見つかった。雨夜が逃げることなく、彼らの前に立っていたのだ。
その手に白銀に重く輝くガトリングガンを抱えて。
「お返しするわ。」
その言葉と共に雨夜専用カスタムのガトリングガンが火を吹いた。
凄まじい機械音と破裂音。大量の薬莢が床に転がり落ちる音、男たちの悲鳴が混じり合う。
何人かの体に穴が空き、血が飛び散る。
雨夜はそんななか涼しい顔をして、ひたすらミニガンを撃っていた。
雨夜が弾を撃ち尽くした時には、目の前には倒れた男たちが何人かいるだけになった。残りは大方車の影に隠れているのだろう。
「グレイ、逃げるよ。リボードさんも一緒に。」
雨夜が黒い穴の中にガトリングガンを押し込みながら言った。ガトリングガンが収められると黒い穴は閉じて跡形もなく消えた。
「わかりました。こっちです。」
リボードは目の前の惨状を横目にグレイの後を走っていった。向かいの店の壁やその近くに止めてある車にも穴が開いていた。
「………街中でガトリングガンを使うなんて……アイツらよりもイカれたことしますね。」
「それがこの街の普通なんだよ。」
たしかにこの街で銃撃戦なんぞわりと普通ではあるのだが、さすがにこんな代物が頻繁に横行するわけではない。よくてウィングスみたいなフルオートのマシンガンくらいだ。
なので彼女の普通はだいぶぶっ飛んでいるということになるとリボードは思った。
そもそも14歳の女の子がガトリングガンを平気で扱えること自体、少なくともリボードが知る限り普通ではなかった。
この普通感覚があちらがおかしいのか、自分がおかしいのかは判断しかねるが。
こういうやつらばっかりの街なので時々わからなくなる。
普通という感覚が狂いながらも三人はすぐに車に辿り着いた。白い乗用車だ。
「はい。」
突然グレイがリボードに鍵を渡した。要は運転しろということだ。
リボードはきょとんとした顔で尋ねた。
「え?なんで俺が?」
「あなたが箱乗り出来るんならいいんですけど。どっちがいいですか?」
「…………………。」
生憎、箱乗りなんてしたことないので運転を取らざるを得なかった。
結局リボードの運転で三人は逃走することとなった。
エンジンを付けるなりリボードはアクセルを前回に踏み込んだ。箱乗りはないがカーチェイスの経験はある。
『ブラックバレッタ』のアジトは直接品卸しに行ったこともあるのでリボードもわかっている。そこに向かって白い車はガンガンスピードを上げていった。
するとすぐに、後ろから黒塗りの車が何台かバックミラーに移った。
「やっぱり来たか………。」
「スピード上げれます?」
「これ以上は無理ですよ。普通の乗用車なんだし。」
この車はごくごく普通に販売されているファミリーカーである。なんの改造もしてない正規品だ。
そうしているうちにどんどん車間距離は縮まっていく。こうなれば何かしら仕掛けないと無理だろう。
雨夜がまたあの黒い穴を開き、拳銃を取り出した。弾丸を慣れた手つきでセットすると、雨夜は車の窓を開けて身を乗り出して後ろに向かって発泡した。
この子は平然と箱乗りまでしてしまうのかと、つくつぐ雨夜の普通じゃなさをリボードは痛感した。
車に弾丸は命中するも、キンという音と火花を立てて弾丸は弾き飛ばされた。
「ダメだ。あっちの車は普通のじゃないよ。弾跳ね返しちゃう。」
要はあれが装甲車パーツを応用した改造車なのだろう。見た目は普通だが強度が尋常じゃない。
髪をかきあげながら、雨夜は車内に身を潜めた。こちらが発泡してきたことにより向こうも発泡してきた。銃声と共に、車に弾がかする度に歪な音が小さく聞こえた。
「貫通弾のストックは?」
「えーと………。穴には入れてない。」
「タイヤぶち抜くとか?」
「生憎俺にはそれほどの射撃の腕はありません。」
グレイは車の窓を全開にすると、そこから体を出して慣れた手つきで車の上によじ登った。膝立ちで車の上で後ろからくる車を見ている。
箱乗りよりリスキーなことをしているのは確実だ。
「危ないですよ。」
「落ちてもそのまま行ってもらって構いません。落ちませんけど。」
グレイが雨夜に合図を送ると、雨夜はあの穴の中を漁った。
しばらくするとぬっと一丁のロケットランチャーがそこから引きずり出された。肩撃ち式の個人所有も可能な物だ。
それを雨夜は窓から手早くグレイに手渡した。グレイは手に取るなり安全ピンを取り、構えるとすぐに発射した。
ミサイル弾は一直線に飛んでいき、車に直撃した。
このタイプのロケットランチャーは衝撃が少ないため、後ろから爆発音が響いたが車の運転に支障はなかった。
リボードがバックミラーを確認すると後ろの方で煙がもくもくと立ち上っていた。
「派手なことするなぁ…………ここ街中ですよ?いいんですか?」
「多少は大丈夫なはずです、車狙ったので。建物の窓は割れてそうですが。」
「全部やれた?」
「いや、多分先頭の1台は確実に吹っ飛びましたけど………あ、他は来てます。生きてました。」
グレイがこれだけじゃむりかと、残念そうに呟いた。
煙をかき分けて黒い車が二台現れた。窓ガラスにヒビが入っているがそれ以外は普通だ。伊達に強化しているわけではなさそうだ。
「どうする?弾あと一発しかないけど。」
バックミラーから見える車の位置関係は2台の間が横に開いているように見えた。一台にあてたとしても風圧だけではあの車をどうこうすることはできないだろう。
「位置が悪いな。同時は無理そうですけど………。」
雨夜が追加の弾を窓からグレイに渡しながらグレイに尋ねた。グレイは心配は無用だと、微笑んだ。
「大丈夫です。綺麗に吹き飛ばしてあげましょう。」
グレイはミサイル弾をセットする前に弾に触れた。ミサイル弾のグレイが触れた辺りが一瞬だけ光を放ち、すぐに消えていった。
それから弾をセットして、構えるとグレイはトリガーを迷うことなく引いた。
一瞬、車が揺れる程の大きな衝撃が走った。リボードは驚いて、ハンドル操作を誤りそうになった。
大きな発射音とともにミサイル弾は先程よりも速く、光の線を引きながら飛んでいく。
ミサイル弾が地面に当たり爆ぜると爆音が轟き、後ろから爆風が吹き荒れた。開かれたままになっていた窓からは焦げた匂いが入り込んできた。
バックミラーには火の粉と立ち上る黒煙しか見えず、車があらわらることはなかった。
「上手くいきました。二台とも綺麗に片付けられましたよ。」
グレイがにこやかに車内に滑り込んできた。なにか溜まっていた鬱憤を全て浅いざらい吐き出したかのような清々とした様子だ。
「…………車揺れましたけど、またあれですか?あんたお得意の……。」
「はい、エネルギー付与です。」
これはグレイの能力で、エネルギーを付与した物は一時的に威力が向上するというものだ。付与する物がないと使えないが、付与後は強力な効果を発揮する。
今のはミサイル弾に付与したことによるものだろう。それで見事に改造車二台を綺麗に吹き飛ばした。さぞかし残党たちも綺麗に吹き飛んだことだろう。
「多分もう時期つきますけど………はぁ……………なんか一気に疲れたな…。」
リボードが運転しながらため息をついた。つまらなすぎる3時間映画を見たあとのようななんとも言えない疲れだった。幸い警察が追ってきてなかったのが救いか。
車のスピードは制限速度ジャストに戻っていた。
「この後リボードさんどうする?着いたらお店戻っちゃう?」
雨夜が後部座席から顔を出した。
「運転の礼と言ってはなんですがうちで紅茶くらいは入れますよ。休憩して行かれたらどうです?」
「そうだな…………ついでに細かい商談もしていきましょうかね。ルートの事も聞きたいですし。」
グレイがわかりましたと言うと、すぐに携帯を取り出して誰かと通話し始めた。内容は来客についてだ。
リボードの運転する弾丸のかすり傷を付けた白い乗用車は、街中を走り去って消えていった。
hide creacher story of OutCity O3 @shinnkirou36
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。hide creacher story of OutCityの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます