第7話 ひとつ屋根の下というか同じ部屋



「わー、広いねー」




美林は俺の部屋を見て、感嘆の声を上げる。

割とテンション低めなその声は学生時代のままだ。



「ま、それほどでも」



ここは勤めているIT会社の社長の所有するアパートだから

かなり安めに住まわせてもらっている。


「それに、あんまり散らかってないし」


この間友人が泊りに来た時、掃除しといてホント助かった。




「外、見てもいい?」




「どぞ」




「ベランダ!いいな~・・・すごい、夜景が見れる!」


前の家は一階で夜景なんて全然見えなかったらしい。

横から見える美林の目は輝いていて、いっそう美人に見える。


く、直視するのが恥ずかしい。




「とりあえずさ、疲れただろうから、シャワーでも浴びて来いよ」




俺はちゃんと洗いたてのバスタオルを美林に渡す。


「うう、鷲尾君も疲れてるだろうに、悪いね」


どっちが先かなんて口論になったが、最終的に美林が折れて、浴槽に入っていった。





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