2019.7.26

 私はコスプレイヤーになっていた。遊園地で開催されるコスプレイベントだった。

 私の男女は分からないが、ヒールの高い黒のブーツを履き替えていた。

 唐突に髪を染めよう、となり、併設された美容院に寄った。

「ラベンダー色に染めて下さい」

 そう美容師に頼みつつも、こんな所より私がTwitterでフォローしている完全予約制の美容院に行きたい、と思った。

 髪を染めて貰ったら、黒の部分が残ったピンク色になった。

「私が望んだのはこんなんじゃない」

 美容院を出て、Twitterでフォローしている美容院を探して改めて染めて貰おうとしていると、美容院の人が追い掛けて来た。

「済みません。日本語が話せない人が居たのです。お金は半分返します」

 嗚呼、こんな所にも外国人労働者が居るのだな、と思い、返された金を受け取った。日本円の紙幣では無かった。もっと美しいなにかだった。

 帰りの電車に乗ろうと駅構内の道を行くと、花屋のおじさんが話し掛けて来た。

「聞いたよ。この界隈は話が早いんだ。君の働いてる所が倒産して給料未払いだそうだね。君はこの店の初めての客だから、俺が少し出す。何かの足しにしてくれ」

 と、数枚の札を渡してくれた。

 そうだ、私は此処の花屋がオープンしたその日に母に渡すフラワーアレンジメントを買ったのだった、と思い出した。

 財布の中を確認する。札が数枚ある。

 これで改めて美容院に行けるが、そこは完全予約制だ、当日でも大丈夫だろうか。

 Twitterで探しても、その美容院は見付からない。時刻は18時になろうとしている。時間を気にしつつ、私は美容院の連絡先を探していた。

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