第187鱗目:二日目!龍娘!
「すぅ……すぅ……んんぅ……」
もこもこ……ふわふわぁ……うぇへへへへ…………
スパーン!
「ふがっ!な、なにっ!?」
なんの音!?
「朝だぞー!起きろー!」
「うぐぅはぁっ!」
まだ薄らと気持ち明るい程度にしか日の差していない朝早く、障子を勢い良く開く音に飛び起きた僕は次の瞬間、腹部を襲った強力な一撃で目を覚ます。
「うぉぉぉおお……!」
お腹に強烈な一撃がぁぁ……一体何が……
「「鈴香お姉ちゃんおはよー!」」
「おぉぉ……これは君達の仕業だったか……」
「ねぇねぇあそぼー!」
「あそぼー!」
元気だなぁ……まぁ遊ぶのはいい、いいけど……
「こういう危ない事はやっちゃダメだからね。約束したら遊んであげる」
「「分かったー!」」
これでよしっと、さてさてとりあえず着替えて来ようかな。
少し危険な事もあったが、僕のお腹にダイブしてきた元日から来ている家の子供達が僕の注意をちゃんと聞いたのを見て、僕は満足して頭を撫でて上げるのだった。
こうして、少し騒がしいながらも僕の二日目のお正月が幕を開けたのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「「こんにちはー」」
お、来たかな?
「はーい!あ、おばさんいらっしゃい」
あの後子供達とひとしきり遊び、その後ようやくお昼過ぎに一息ついていた所玄関から声が聞こえて来た為、色々しているちー姉や他のおばさんの代わりに僕が出迎えに行く。
「あら、わざわざお出迎えありがとうね。えーっと千紗ちゃんが連れてきた……」
あ、これ忘れてるな。
「鈴香です。荷物預かりますね」
「そうそう鈴香ちゃんだったわね!ありがとうねぇ、はいこれ!お年玉!」
「わわっ!ありがとうございます!」
おばさんからも貰っちゃった!……ん?
「こーんにーちわ」
「んぴっ!」
ありゃ、隠れられちゃった。
「あらあらこの子ったら……ごめんなさいね鈴香ちゃん、この子人見知りで」
「あ、そうでしたか」
人見知りか……それじゃあ────
「ちょっと、お姉ちゃんに付き合ってくれるかな?」
「?」
びくびくと震えおばさんの後ろからちらっとこちらを見てくるその小さい女の子に僕はそう言うと、にこっと笑いかけ手を差し伸べて上げるのだった。
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「はーい、皆夕飯出来たよー……ってあらあら鈴香ちゃん、今日もすっごい人気ね」
「ちー姉助けてぇー」
翼と尻尾が子供だらけで動かせないー。
「ふふふっ、今ご飯持ってくるから少しまっててねー……というか、その子って」
「うん、おばさんとこの子。仲良くなったの」
「仲良しなったの!」
「「ねー」」
殆どの子供達が尻尾や翼に掴まったり乗っかったりして遊んでる中、僕の膝の上で僕の手をシートベルトのようにして座るその人見知りの子と僕はニコニコ笑い合う。
「確かその子すっごい人見知りの筈だけど、よく仲良くなれたね?」
「ふっふっふっ、これがドラゴンパワーですよちー姉」
まぁ実はただ持ってきてたにゃんこうのぬいぐるみを見せてあげたら懐かれただけなんだけどね。
「ドラゴンパワー……」
「冗談、冗談だから、マジな目にならないでちー姉」
「ふふふっ、冗談だよ鈴ちゃん。とりあえずお料理運ぶの手伝ってくれない?」
「はーい。皆、遊ぶのはまた後でねー」
「「「「えー」」」」
「わがまま言うんじゃありません……ん?」
「お姉ちゃんお姉ちゃん、私もお手伝いしていい?」
ちー姉に頼まれ、手伝いに行く為に一人一人僕が僕に乗っている子供達を下ろしていると、ちょいちょいと恥ずかしがり屋の子が袖を引っ張ってそう言ってくる。
それを聞いた僕の顔は少し驚いた表情浮かべた後、直ぐに笑顔へと変わり────
「もちろんだよ!お手伝い、お願い出来るかな?」
「うん!」
頭を撫でて上げながらそう言って手伝いを頼んだのだった。
こうして、平和に僕の二日目のお正月は終わり、あっという間にお正月、そして冬休みは過ぎていき、気がついた頃には────
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