第123鱗目:連休!龍娘!
「というわけで明日から創立記念日を入れた4連休になりますが、皆さんハメを外しすぎないようにして下さいね。それじゃあ解散!」
SHRが終わり、代永先生がそう言って教室を出ていくとクラスメイト達は盛り上がり始め、教室はあっという間にまるで夏休み前に戻ったかのような賑やかな雰囲気に包まれる。
「んんーー!おわったぁ!」
連休前っていうのもあって今日はちょっとハードだった………けど!家に帰ってパパっと宿題を全部片付けさえすれば休み中は自由だー!
「お疲れ鈴香、気を抜きたいのは分かるが翼が棚に当たりかけてるから気をつけろよ」
「おっと危ない、ありがとう隆継。で、とりあえずこれで明日から4連休となる訳ですが、2人は何す────」
「すずやーん!4連休やでー!」
「……」
「……」
「…………わぁー、びっくりだぁー」
僕が伸びをしながら2人に連休中何かやるのか聞こうとしていた所で、バンッと大きい音を立てて扉を開け、教室にとらちゃんが入ってくる。
そしてそんなとらちゃんにやっぱり来たと行った顔で2人が無言になってるのを見た僕は、気を使ってとらちゃんにリアクションを取ってあげる。
「すずやんに気を使われた!そしてさなっちとたかくんはとうとうリアクションすら取ってくれなくなった!!」
いやだって……
「いつも通りなら」
「今日もくるだろうなぁって」
「予想出来てたもの」
「そんなぁー……あでっ!痛いっ!りゅーくんに拳骨されたぁー!」
「あんなに勢いよく扉を開けるバカが居るかバカ。すまん、虎白がまた迷惑かけた」
「ううん大丈夫、いつもの事だし。それに多分クラスの皆ももう慣れちゃってるから」
何となくとらちゃんが来るであろう事が予測出来てた僕達が、とらちゃんに3人息ピッタリでそう返すと、とらちゃんはぷくっと頬を膨らます。
そしていつの間にかとらちゃんの後ろにむーさんが居て、頬を膨らましたとらちゃんに拳骨を落としてからそう謝ってくる。
もはや週2の恒例行事だ。
「そういやウチのクラスは山みたいに宿題出たんやけど、すずやん達のクラスはどれくらい出たん?」
「授業担当の先生はとらちゃんのクラスと同じだし多分僕達も同じ量だよ。だから沢山遊ぶ為にも帰ったら宿題やろうなー?隆継ー」
「…………というわけで、帰ったら俺は鈴香によって宿題をさせられることになっているんだ」
「たかくん頑張ってーや!でもウチも早いとこ宿題やらんとあかんなぁ…………そや!せっかく四日も休みがあるんやし、すずやん家で宿題処理の勉強会兼お泊まり会やらんか!?」
「あら、いいじゃない。それなら朝早くからも出来るし、早く終わればその分沢山遊べるからアタシも賛成よ」
おぉ、ナイスアイデーア。それなら僕もー……って────
「お泊まり会!?僕の家で!?」
「おぉ、すずやんが今までにないくらい驚いとる」
「いやっ!だって!」
僕の事情知ってる2人ならともかく、流石にとらちゃんはだめじゃない!?それに僕が男だってバレるものがあるかもだし!
そう思う僕を他所にそのままむーさんまで巻き込んで、僕が口を挟む間もなくお泊まり会が開催される事が決定し────
ーーーーーーーーーーーーーーー
「おじゃましまーす!すずやん来たでー!」
「早かったねぇ……とりあえずいらっしゃいとらちゃん、それにむーさんも。あんまり面白いのは無いけど楽しんでいってね」
結果とらちゃんだけだと不安だということもあり、今日から火曜の夕方までむーさんも入れた勉強会兼お泊まり会が開催される事になったのだった。
「もちろんや!沢山遊ぼうなーすずやーん!」
「遊ぶ前に先ずは宿題やらないとねー、むーさんも気まずいかもだけど楽しんでいってね」
男2人に対して女4人だからね、リラックスは出来ないだろうけど是非とも楽しんで行って欲しいものだ。
早速抱きついて来ようとしたとらちゃんの頭をおさえながら、僕は少し苦笑いでむーさんへそう言うと2人を家の中へと通す。
「ごめんね天霧さん、虎白の突然の思いつきで毎回迷惑かけて。はいこれいつものお礼、今日の晩御飯の食材にでも使ってね」
「ありがとむーさん!でも別に気にしなくていいのにー……っておぉ!これは立派なキャベツ!それにお肉とかも沢山ある!むーさん助かるよー!」
これなら今日はあえて鍋とかいいかもしれない、あーでも玉ねぎとかもあるからやっぱり定番のカレーとかも……
「喜んでもらえて良かったよ」
「今日は盛大に腕を振るうからね!」
「それは楽しみだ」
僕はむーさんから貰った沢山の食材を抱えて何を作ろうかと考えながら、2人と1緒にリビングへと向かう。
こうして、僕達の2泊3日のお泊まり会が始まった。
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