第3章:夏休み編
第76鱗目:夏休み!龍娘!
ん〜〜♪スッキリしたぁ!
やっぱり朝にシャワーだけでも浴びとくと気分が変わるもんだね。さ、そろそろ上がって朝ごはんの用意しなきゃ。
鼻歌を歌いながらシャワーを浴びていた僕はプルプルと広い風呂場で体を振り、翼や尻尾にある水をある程度落とし、体を吹いて脱衣場に出る。
そして僕が体を吹いていると、脱衣場の扉がいきなり開かれ…………
「あー……くっそ寝みぃ…んむっ、なんだこれ」
「あ、隆継。おはよう」
寝ぼけてたのか、ばふっと翼膜に突っ込んできた隆継に僕は体を拭きながら挨拶をして、髪の毛をタオルでぽふぽふしつつ隆継の方へと向き直る。
「鈴香か、お前も顔を洗い…に……」
「どうしたの?」
なんか声がどんどん小さくなってったけど。
僕が隆継の方を向き直すと隆継の声はどんどん小さくなっていき、僕はキョトンと首を傾げつつ大きく見開いた隆継の目を見つめる。
「………………はっ!どっ、どうしたのじゃねぇ!なんで裸なんだよ!?」
「え?だってシャワー浴びてたから……」
「浴びてたからじゃねぇ!服っ!服を着ろっ!」
「別にそこまで気にしなくてもー……あっ」
あっちゃーそうだった、つい男の調子で隆継だしいいやって思ってたけど、そういや僕女の子でした。
再起動した隆継が顔を手で隠しながら慌てて僕から顔を背けるのを見て、僕は自分が今は女の子という事を思い出していた。
「ごめんね隆継ー、直ぐ着替えるからー」
「本当に頼むぜ?全く、朝から心臓に悪行ったらありゃ…………あっ」
「隆継どうし…………あっ」
ごめんごめんと笑いながら着替えようとした僕は、隆継が言葉途中で短い声をあげたのが気になり、パンツだけ先に履いて隆継の方を向く。
するとそこには背後になんだか赤黒いオーラのようなものが見える気がする程、恐ろしい笑顔のさーちゃんが立っていた。
「二人共ー?一体、脱衣場で、なーにやってるのかしらー?」
「あっ、いやこれは、その」
「事故っ!事故なんだサナ!」
恐怖の笑顔を浮かべているさーちゃんに対し、その笑顔に怯んでたじたじとする僕と、なんとか事故である事を説明しようとする隆継だったが……
「ふーん、裸の女子と脱衣場で事故ねー……」
「「あはははは……」」
「鈴は服を着てから二人共、そこに正座」
「「はい……」」
お怒りさーちゃんには全く意味をなさなかったのだった。
ーーーーーーーーーー
「それで2人の荷物って今日届くんだよね?」
「だな」「そうね」
「ん、了解。よし、朝ごはん出来たよー」
テーブルについている2人と今日の事を話ながら僕は皆の分の朝ごはんを作り、出来上がった朝ごはんを持って僕もテーブルへとつく。
「いいにおーい」
「あ、ちー姉ちゃんおはよー」
「千紗さんおはようございます」
「お姉さんおはようっす」
「3人ともおはよー。ふぁぁぁぁ……よく寝たー…」
少し遅れてやってきたちー姉ちゃんに僕達は挨拶をし、4人でテーブルを囲んで賑やかに朝ごはんを食べ始める。
やっぱり、皆で楽しく賑やかに食べるご飯は美味しいね♪
僕はぱくっとご飯を口に運びながら、目の前にある賑やかな食卓を見てそう思い笑顔を浮かべる。
ちょっとハプニングはあったけど、2人と一緒のまた新しい生活!そして夏休み!これから楽しくなりそうだ!
僕はぱくっともう一口ご飯を食べ、今度は期待に胸を弾ませていた。
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