第14話 泡姫
昔々…その昔から『泡姫』と呼ばれるお姫様がおりました。
『泡姫』は広い部屋が与えられ、部屋にいる間は何不自由なく過ごせます。
部屋には、1日に何人かの王様や王子様がやってきて、『泡姫』と過ごすのです。
『泡姫』は自身の身体にまとった泡で王様や王子様を癒して差し上げるのです。
毎日…毎日…身体で泡を作り続ける…だけど泡姫の身体はやせ細って行くのです…。
それでも毎日…毎日…泡で癒し続けます。
月日は流れ…身体も声も…鏡に映る姿は誰?
広かったお部屋は、気づけば別の狭い部屋に変わり…王様や王子様もだんだん、みすぼらしくなっていきます。
やせ細った『泡姫』はついに、お部屋を貰えなくなりました。
お部屋がないと『姫』とは呼ばれません。
「あなたが、アタシの世話をしてくれるの?」
「はい」
「とりあえずタバコ買ってきてくれる」
『泡姫』は『新しい泡姫』のお世話をしています。
もう…『姫』じゃありませんから…。
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