第17話
チャイムが鳴っても、三上くんの姿はなかった。
(どうしたんだろう…)
「海くん!三上くんは?」
「ちょっとあいつ体調崩して、休んでる」
「そーなんだ…」
放課後病室
「元気かー、お!風夏ちゃんこんにちは〜」
「海くん!こんにちは」
「優陽心配してたぞ」
「そうか」
「冷たいなー」
「お前から連絡してみたらどう?」
「しない」
「どうして」
「会いたくなる」
「俺が呼ぼうか?」
「呼ばなくていいよ」
「なんかお前と優陽って雰囲気似てるよ」
「そうかな」
「名前からして似てる」
「確かに」
「2人とも皆を明るく包み込むような優しさがある。」
「田岡はそうでも俺は違うよ。田岡がいるから、優しくなれたんだ。」
「優陽あってのお前ってことか?くぅ〜しみるな」
「今日はもういいよ。いつも来てくれてありがとう。」
「また明日な!」
次の日もまた、三上くんの姿はなかった。
「優陽、三上くんとは連絡とってるの?」
「してないよ」
「しなくていいの?」
「しない!三上くんなら絶対大丈夫だし、絶対戻ってくるから」
(本当はしたい、でも三上くんを信じてたい。三上くんが私にそうしてくれたように信じてる。)
「そっか、早く良くなるといいね」
「うん…」
放課後病室
「来たぞー」
「お前はいつも元気だな」
「そうか?それよりも、相川から聞いたんだけど、優陽我慢してるぞ」
「なにを」
「お前に連絡するの。絶対大丈夫、絶対戻ってくるって信じて」
「…」
「このままでお前はいいのかよ」
「いい。」
「ふーん」
「今までありがとう」
「なんだよ急に。」
「いつもそばにいてくれて」
「俺もいられて楽しかったよ」
「ありがとう」
「また明日な」
「あ!1つお願いがある、田岡に伝えてほしいことがある。…」
その晩、三上太陽は天国に旅立った。
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