第2話

___休み時間


「三上くんって兄弟いるの?」


「俺は妹がいる」


「だからしっかりしてるし、優しいんだ」


「そうか?田岡は?」


「私は一人っ子」


「上にいるのかと思った」


「初めて言われた」


「末っ子感あるよ」


「そうかな」



今では他愛のない話もできるくらいになった。




「奈乃ー」


「どうした?」


(いつもこうやって奈乃は優しくはなしを聞いてくれる)


「私今、バスケあまり楽しくない」


「3年生が引退してから、周りが2年生ばかりの中1人1年生でスタメンだから、気張ってるんだよ」


「そうなのかな」


「私だったらプレッシャーとか期待とか耐えられないのに、優陽すごいよ」


「そんなことないよ、私奈乃と話してたら安心するし、試合中とか声掛けてくれるだけで強くなれる」


「優陽は、『優しい陽だまり』の名前のようにいてくれるだけで皆をあったかい気持ちにしてくれる存在だよ。」


「ありがとう、奈乃が近くにいてくれるだけで頑張れる。」


「よかった」



帰りの電車__


(あ!今日三上くんいる…)

「お疲れ様!」


「お!お疲れ様。」


「田岡、なんか最近元気ない?」


「なんで?そんなことないよ」


「なんとなく、元気ならいいけど」


(なんで分かったんだろう…そんなに顔に出てたかな…)


「長期休みの間もずっとバスケ?」


「そうなるかな」


「学校で話せなくなるの寂しいなあ」


「また電車一緒になるといいね」


「2年生になっても同じクラスであること願お」


「私も一緒がいい」

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