第1話
「行ってきます」
朝練のある日はいつもより早めに家を出る。家を出て駅まで歩いていると、聞いた事のある声が聞こえた。
「おはよう」
(…!?)
三上くんだった。
「おはよう、家ここら辺?」
「引っ越してきたんだ」
「そうなんだ。三上くんも朝早いね」
「朝練ある日はこれくらいの時間かな」
まさか家まで近くて、朝練の時間まで一緒だなんて。
___その日の部活終わり
「優陽って好きな人いないの?」
奈乃にはなんでも話せるけど、この話題ばかりはいつも同じ返答。
「今はいないなー」
「そっかー、あの三上くんって子どう思う?」
「どう思うって、なんとも…」
「明るいし優しそうだし、私結構いいと思うなー」
(確かに話しやすいかも…)
奈乃と改札で別れてホームで電車を待ってると
「田岡?」
「あ!三上くん、お疲れ様。」
「お疲れ様。」
男の子に話しかけられたり、話しかけるのは苦手な方だけど不思議と三上くんとは話せる。
最寄りの駅につくと、
「周り暗いし、家まで送るよ」
「優しいんだね、ありがとう」
「そうかな」
「なんか本当に太陽みたい」
「なにそれ」
笑いながら彼は言った。
休み時間、ボーッとしてると無意識に彼の姿を目で追っていた。
「優陽?」
(ハッ)「どうした?」
「ずっと呼んでたのに気づいてくれないから」
「ごめん、ちょっとボーッとしてた」
「珍しいなあ、優陽が男の子のこと見てるなんて」
「だよね」
「言いたいことあるんならなんでも聞くよ」
「何もないよ」
「そっか」
奈乃は優しく微笑んでくれた。
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