モコとの再会

 穂村さんと別れ、御神楽さん、優紗、千染さんは私のアバタールームに。

 そこにのそりのそりとモコが歩いていくのを見つける。

 私が来たのがわかったとたん、モコは目をキラキラとさせモコなりに素早く私のところへ歩いてきた。


「モコ~!ただいまぁ~」


 私は頑張って出迎えてきてくれたモコの頭をなでる。

 モコは気持ちよさそうに撫でられている。


「モコちゃん、お久しぶりですわ」


 と優紗がモコに挨拶する。

 モコはそれに対し嬉しそうにほほ笑む。


「叶波、ぼくも出てきて大丈夫そう?」

「はい、大丈夫ですよ」

「じゃあ、お邪魔します」


 モコは御神楽さんを見た瞬間、ちょっとビクッとなる。

 御神楽さんはモコのその様子をみて少し戸惑っていた。


「モコ、大丈夫だよ?御神楽さんは怖い人じゃないよ」


 私がそう言うとモコは「本当?」と言いたそうな顔をする。

 恐る恐るだが、御神楽さんに近づいていくモコ。

 御神楽さんは小さく「こんにちは~…」とモコに対して手を振りいった。

 モコは御神楽さんの指をくんくんと嗅ぎ始める。

 本当に安全な人物なのか、確かめているようだった。

 ほどなくしてモコは御神楽さんの指先の匂いを嗅ぐのを止める。

 妙な緊張感が走った。

 もしかしてまだモコは御神楽さんを怖がっているのかな?と私は不安を感じる。

 …が、そんな心配は必要なかったようだ。

 モコはにぱっとあの人懐っこい笑みを御神楽さんに向けたのだ。

 御神楽さんはそれを見た瞬間、ほっと安堵の一息をついた。


「よかったですね、御神楽さん!」

「こいつか、慧架様に噛みついたという亀は…」


と千染さんはモコを睨みつけた。

モコはそれを見て怯えてしまう。

そして私のところに飛びついてきた。

睨みつけた千染さんの頭を御神楽さんがスパーンッ!と叩く。

いきなりのことに千染さんは目をぱちくりさせる。


「こんな小さくて臆病な子を睨みつけるなんて酷いよ、可哀想でしょ?」

「いやでも、噛み付いたんでしょう?許せなくないですか?」


と千染さんは御神楽さんにそう聞く。

すると御神楽さんはため息をついたあとこう言った。


「それはもう過去の話だよ。ぼくはぼくに心を開いてくれたのならそれで十分なんだ。それに元々動物好きだし。…なんでか懐かれにくいけど」

「は、はぁ」

「じゃ、千染。モコに謝ろうか」

「えっ」

「なんで驚いてるの?当たり前でしょ、怖がらせたんだから」


と御神楽さんに言われ渋々とつ千染さんはモコに謝った。

その後もモコは千染さんを怖がってか、なかなか彼に近づこうとしなかった。

でも御神楽さんには心を開いてくれたみたいなので、そこは安心した。

そしてみんな時間も時間ということで別れることになった。

明日も修行がある。

どうすればレプリカの稲荷・雅に勝てるのか…作戦を練らなくちゃ!

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