取り込まれてついた先

 気づくと、私は一人、ホロウさんのいた場所と似たような場所にいた。

 正確に言うなら、似ているというか似たつくりをしている空間というべきか。

 一緒のタイミングで来たはずの優紗は近くにいないと言ことに気付く。


「優紗…?どこ?」


 周りをきょろきょろ探してみるがやっぱり優紗はいない。

 先に取り込まれてしまった御神楽さんもいないし…これは進むしかないってことだよね…?

 不安を抱きながら私はこの空間の中を進んでいった。


「優紗ー!御神楽さーん!どこですか~!」


 ひーん怖いよ~!みんなどこ~!?

 泣きべそをかきそうになりながら私は2人を探す。

 うつむきながら歩いていたせいで私は何かにぶつかった。


「いたっ!?」

「うぉっ!?なんだ!?」


 この聞き覚えのある声は…!


「あっ、お前…」


 目の前にいたのは穂村さんだ!

 穂村さんもここにいたのね!


「人に会えた~!よかった~‼‼‼」


 寂しさから解放された喜びで違う意味で泣きべそをかく。

 

「お、おい?泣くなよ、俺のせいか?そうなのか!?」


 穂村さんはそんな私を見て焦り始めた。

 誤解を解かなくては!


「違うんです!私、優紗…桜宮さんと御神楽さんと一緒に古いサーバーがどこにあるのか探してて…それで理科室にそれがあったんです。御神楽さんはどうやら自己みたいな感じでここに先に行ってしまって…そのあとを追いかけて私と優紗でここに来たんですけど、違う場所に飛ばされたみたいで…」

「それで、ほかのやつらを探してたってわけか?」

「はい…」

「…悪かったな、出くわした相手が俺で」


 と穂村さんは申し訳なさそうに私に言った。


「そんなことないです!」

「お、おぉ…そうか」


 ならよかったと穂村さんは安堵する。


「どうせ、ここを攻略しねぇと外には出れねぇみたいだし…。ほかのやつらと合流するしかねぇな」

「そうですね」


 私は穂村さんと行動を共にすることにした。


「…怖がらせて悪かったな」


 穂村さんは私にそう言う。

 何のことだろう…?

 もしかして、この間のことかな?

 初めて私たちがあった時、穂村さんが御神楽さんの胸ぐらをつかんだ時の。


「ちょっと俺も気が動転しててよ…」

「羽賀雪菜さんのこと…ですか?」


 あっ、今のはちょっとデリカシーがなかったかもしれない…。


「あっ、ごめんなさい!」

「ああ?気にしてねぇよ」

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