準備
目が覚めた。
なんか変な夢を見たな…。
あれ?どんな夢だっけ?
やけにリアルだったことは覚えてるけど、思い出そうとすると頭の中が靄がかかったような感じになり思い出すことはできない。
まあ、夢ってもともとそんなものだよね。
さて気持ちを切り替えよう。
日曜日、何をしようか…?
そう言えば今日はお母さんはママさんバレーボールで今日は大会があるって言ってたし、お父さんは釣りに行くって言ってたな。
うちの両親は基本自由人だ。
休みの日は思いっきり遊ぶのがうちの家訓のようなものになっている。
二人とも大人になってもやりたいことがあるのってすごいなって私は思う。
私は子供のくせにやりたいことを見つけられていないから、そこは素直に尊敬できるところだ。
今、高校生である私だけど高校を卒業したら何をしているんだろうか?
ほんとうに想像がつかない。
両親はゆっくり考えればいいっていうけど、3年って思ったよりもあっという間なんだよね。
ちーなに誘われて入ったゲーム部。
その中ででもやりたいこと見つけられればいいなと私は思っている。
話は戻って、今日は何をしようか。
幸い、おひるごはんにはカップラーメンがあるから飢えることはない。
そうだ、ユグドラシルONLINEのクエストをやってみようかな。
ちょっと一人じゃ不安だからちーなとはっちゃんを誘って。
そう思い、私はふたりにメッセージを送る。
数分後にはっちゃん、そのあとにちーなの既読マークがつく。
ふたりとも、予定がないから大丈夫だそうだ。
よかった、不安要素は取り除かれた。
また、昨日と同じみんなの広場で待ち合わせの約束をした。
そして、みんな同じタイミングで来る。
「しっかし、珍しいね。叶波がクエストに挑戦してみたいだなんて」
とちーなが。
「あっ!もしかして昨日のお茶会の影響受けちゃったとか!?」
とはっちゃんがニタニタしながら私に聞いてみた。
「へへへ…。実はそうなんですわ」
「いや~、いいことだいいことだ」
うんうんとちーなははっちゃんの言ったことにうなずいた。
「でも私、ユグドラシルONLINEは見る専だからね…」
とちーな。
「わたしは初心者クエストくらいなら2,3回やったことあるけど…。それでもあんまり期待はしないでね?」
とはっちゃん。
でも友達と集まってば不安はだいぶなくなる。
「二人とも、自分の種族と属性ってもう決めた?」
はっちゃんが私とちーなに聞く。
すっかり忘れてた、私まだそこまで設定してなかった。
「種族はとっくに妖精って決めてるけど、属性まだだった!」
とちーなが。
するとはっちゃんがよしっと言って。
「じゃあ、叶波の設定の手伝いのついでに復習としてやろうか!」
「ありがとね、はづき」
「ごめんね、はっちゃん。私から誘っておいてなんも準備してなくて…」
「いいのいいの!暇してたとこだし」
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