『あなたのことが知りたいの』

 皆さま、こんにちは! 私、メイドペンギンの『キルダ』といいます。今日は、コウモリのお化けの『五福さん』、ヘビの神さまの『ベンテンサマ』が私の家(つまり、考古館)に遊びに来てくれました。

 

 メアリーさまが持ってきてくださった麦茶とお菓子を食べながら、テレビを囲んで対戦ゲーム……  私にとって彼女たちは、初めてできた同世代の友達なのですが、友達というものはこんな感じでいいのでしょうか? 私はよく分からないので、とりあえず気になっていることを聞いてみることにしました。


「……そういえば、ベンテンサマって毒を持っているんですか? ヘビなんですよね?」


ベンテンサマは私の言葉を聞くと、にんまりと口角を上げました。唇の隙間からちらりと覗いた牙はやはり鋭く、いかにも“ヘビらしさ”がありますが……


「そう思う?  実はねぇ、私の得意技は毒じゃないんだ。ねぇ、見てみたい?」

「それは…… 気になります!」

「……あー、キっちゃん? ベンテンサマ? そろそろ控えといた方が……」


 私たちの盛り上がりをよそに、五福さんは何となく苦々しい顔をしています。どうしたのでしょうか?  私はそのことが妙に引っ掛かって、五福さんに『どうしたの』と聞こうとしました。その時です。


「…….じゃあ、よーく見ててね! いくよっ!」


ベンテンサマはそう言うなり、その長い蛇半身をバネのように弾ませて私に跳びかかってきました。体にヒンヤリとしたものが巻きつく感覚。私がベンテンサマの体の隙間から最後に見た風景は『だから言ったのに』とでも言いたげな、五福さんの呆れ顔でした。ぎゅっ。

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