第10話 着信キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
これで今思いつけることは、ラジオか再びインターネットで手当たり次第に調べるかしかなくなった。
ただ、僕はラジオなんて持っていない。
昔からラジオを聞くという習慣が無かったため、特に必要と思ってなかったからだ。
本来災害時に備えるグッズとしてひとつは持っておくべきなんだろうけど、今更後悔しても後の祭りである。
幸いインターネットでもラジオが聞けるので早速試してみたが、おそらくは自動で繰り返し再生されているような番組ばかりで、思った通りだがニュースや生放送の類は全く放送されていなかった。
どうやら、テレビ局やラジオ局のようなメディアが機能していないと考えるのが妥当なところだろう。
もしかしたら全国規模で外の様な無人状態になっているのかもしれない。
だとすると、ひとつ疑問が浮かぶ。
インターネットの記事は誰がアップしてるのかってことだ。
再びインターネットのニュースを漁りはじめていくつかの記事に目を通した後、とある共通点を発見した。
記事をアップした日付が最新でも4日前だったのだ。
毎日次々と新しい情報が切り替わっていくインターネットの世界において、そんなことは有り得るはずがない。
考えられることは、4日前に少なくとも全国レベルで突然何かが発生したのだ。それを報道する暇もないくらいに唐突な何かが。
しかし、街から人が突然消えてしまうなんて何がどうなれば起きえるのかなんて想像すらつかない。
戦争でも起こって大量殺戮兵器が使われたとか隕石が落ちてきて吹き飛ばされたとかならまだ解る。
しかし、死体も無ければ街が破壊されているわけでもなく、電気もインターネット環境も生きている。
確かに僕はインフルエンザでずっと引き籠ってはいたが、いくらなんでも今回の様な大異変が起こったのならその時何かしらに気付いてもよさそうなものなのに、それも全く心当たりが無かった。
「ワケわかんねえ……」
僕は思わずベッドに体を投げ出した。
いつの間にか布団の上で寝ていた茶々丸が飛び上がって驚いて隣部屋へと走り去っていった。
以前なら笑いながらごめんごめん驚いちゃったの?とかご機嫌取りに行くところだが、今はそんな気分にもならない。
……これでこの部屋でできることは八方塞がりだ。
その時である。
ポーン
携帯から時報のような音がひとつ鳴り響いた。
僕はしばらく固まった後、我に返って携帯に飛びつく。
この音は、適当にダラダラやっているSNS(例のリア充アピール合戦がアツいアレ)で友人の誰かが僕の立てたヤツにレスしたか、共通のイベントか何かを立てたり更新したりした時の通知音だ。
たった今!!
高鳴る胸を押さえながら急いでSNSを立ち上げて確認してみる。
”山田太郎さんが近況アップデートを投稿しました”
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